こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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スタッフ自慢

2009-09-25 23:29:08 | 訪問看護、緩和ケア
このところ、重い患者さんが多くて、寄り添う看護師も、辛く落ち込むことが多いので、ちょっと心配です。

在宅緩和ケアの場合、看護師はご家庭の中まで入るので、患者さんだけを見るのではなくて、患者さんの置かれている環境や、家族背景、人間関係、それぞれの精神状態までをみることになります。

患者さんとは別に、ご家族との時間を作ったり、医師やケアマネなどとも情報を交換しながら、どうすればその患者さんの支えを、太くすることができるかを、考えます。
慰めるだけなら簡単ですが、そうではない、理解者でありたいと思うのです。

耳を傾ければ、ずっとずっと昔の記憶をたどって、今までの事をお話ししてくださることもあります。
折れかけた気持ちを立て直して、前を向いている矢先に倒れる方もいます。

私たちにできること・・・日々のケアや、医療処置は当たり前のこと。
正直、何ができるかといえば、何もできないのかもしれません。
苦しんでいる人を前に、ただいることしかできないのかもしれません。

それでもなお、患者さんと向き合い、どんなに辛い状況でも、そこから逃げないで踏みとどまります。

ですから、担当した患者さんを、送り出すとスタッフの心もボロボロになります。

でも、そんな苦しみと引き換えに、もっと大きな何かも、患者さんたちは残して行ってくれるのです。
だから、みんなやめないで、ここにいてくれるのでしょう。
忘れられない、見送った患者さんたちが、今の私達の支えにもなっているのです。

昨日、見送った患者さん。
人生の一番輝けるときに、旅立ってしまいました。
見送る家族の、悲しみの深さを、自分に置き換えてしまう・・・
身体中から悲しみが吹き出します。
胸が、裂けそうになります。
なんで、なんで、なんで・・・・!!

私達には何もできない。
そんな思いに押しつぶされそうになります。

以前、そんな思いを引きずっていた患者さんに、デスケースカンファレンスでお会いしたとき、「そばにいてくれる。それだけで、どんなに心つよかったかしれません。あんなにも、親身にあれこれと考えてもらえるとは思いません出した。」
と言ってくださいました。

だからこそ逃げないで、これからも向き合っていくしかないとおもいます。

うちのスタッフ、本当によく寄り添ってくれています。
一生懸命という言葉は、彼女たちのためにあるんじゃないかと思います。

今朝の二人のスタッフとも、泣きすぎて腫れ上がった眼で出勤して、みんなをびっくりさせましたが、それでも今、待っていてくれる患者さんのもとへ元気に向かいました。

うちのスタッフ、みんなすごいです。
これは私の自慢です。