こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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今日のデスケース

2009-09-29 22:22:14 | めぐみ在宅緩和ケア関連
今日のデスケースカンファレンスは、半年ほど前にグループホームでお看とりをしたケースです。
娘さんもいらして、しばし懐かしさに笑顔が・・・
そうです。
懐かしくて笑顔がこぼれるような、穏やかで温かなお見送りでした。

いつものように黙とうから始まります。

ご本人は、認知もありましたので、あまり本当のところはわかりませんが、ベースのデュロテップパッチと、レスキューのアンペックを時々、鎮痛補助剤としてガバペチンを使用する事で、穏やかに過ごされました。

ご家族も、介護に追われることなく、毎日ホームにみえて一緒にトランプをやったりおしゃべりをしたりと、楽しい時間を過ごせました。

今回のカンファで話し合ったこととしては、グループホームといっても、スタッフの質によって介護の質にも格段の差ができるということです。

この方のケースでは、もともと入所していたこともあり、ここの施設長が看取りまでの決断をして下さったことと、最後までスタッフが、このご家族と向き合ってくれたことで、とてもよい結果となりました。

今後の課題としては、医療職が常駐していない施設の中で、看とりまでの経過で必要となる与薬であったり、座薬の挿入であったり、点滴であったり・・そういう医療処置がスタッフにとっては、かなりの不安と負担になるということです。

鎮痛座薬の挿入に関しても、患者さんの苦痛を把握して、予測指示に沿って座薬を使用するというのは、現状では医療行為として認められていません。

今回は、ご家族の強い希望と、医師、看護師の連携のもと、書類を交付しての使用となりましたが、毎回の電話確認などで、スタッフの不安の軽減を図っていました。
誰もが、自分の勤務にあたらなければいいと、心の中では思っていたかもしれません。でも、それは当たり前のことで、そのことを責めることはできませんよね。

また、投薬にかんしてのトラブルが若干ありました。
これも、いくら医師や看護師がよく説明したつもりでも、介護スタッフの申し送りや、投薬のシステムに問題があれば、間違いのもとになってしまいます。
反省点としては、服薬管理指導としての薬剤師の訪問を入れたほうが良かったということ。
また、お薬カレンダーなどを利用するか、もっといえば、申し送りの方法や、投薬のシステムなどの指導まで行うべきであったということです。

病棟のように、処方箋と内服薬を何度も確認することもありませんし、薬効自体を理解していなければ、管理的に難しくなってきます。

今後は、このような施設がもっと増えるよう、その人材育成や、法の改定が必要であるとしました。

今日も、雑誌AERAの取材で、ノンフィクション作家の山岡さんが見えていましたが、山岡さんもまた、取材の中で医師、看護師、介護と縦割りの役割になっている現在の仕事を、横からつなげられるようにするべきであると、言われていました。

小澤先生も、在宅療養は生活がメインであると。
その生活の中に医療が含まれるのであって、医療が在宅をみるわけではないと言っています。

ですから、医者しかできない、看護師しかできない、というものであれば、在宅療養は今後存在できないはずであると。
そういう面での、現場を熟知した人たちの声による、法の整備や人材育成が必要であるということで、カンファレンスを終えました。