こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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胃瘻管理の話。その1

2009-09-14 22:45:59 | 医療機器・介護用品
嚥下機能が著しく低下して、誤飲性肺炎などを繰り返すようになると、胃瘻の話が出てきます。(消化機能が問題ない場合ですが。)

高齢や、廃用が進んでいる場合、ここでの選択肢は、

①このまま自然にまかせ、食べられるものだけ食べて、肺炎を起こしてもそれは自然の事としてうけとめ見守る。

②胃瘻を入れて、栄養を状態を改善しつつ、延命を図る。

という二つです。
(消化管に問題がある場合は、中心静脈栄養になります。}

私は、慢性呼吸不全で20年以上も闘病の末衰弱し、寝たきりになった母の、「食べたい」という思いを尊重しました。
母にはもう、自分で選択することはできませんでしたので、いつも私を待って、私の差し出すスプーンに口をあける母を見てそう思いました。

そして、ある日ゆっくりと食べ物が気管に落ちていきました。
母は、もともと呼吸器を患っていたので、それは死を意味することでした。

その時、病棟看護師の「だから、そんなに食べさせなくてもいいのに」と呟いた言葉を忘れません。
私がいなければ、食事はずっとサイドテーブルの上でしたよね。

結局、私は人工呼吸器も拒否したので、最後は医師の足も遠のき、ただ静かにその時を待つだけでした。
不思議なのは、ステロイド漬けになっても、繰り返した重度の喘息でしたが、最後の日々はほとんど苦しい顔をしなかったことです。

自然にまかせるとは・・・そういうことです。

でも、衰弱の過程が見ていられない場合もあります。
胃瘻にすることで、元気になる可能性のある人もいます。
そういう場合は、胃瘻を選択します。

胃瘻も、胃の中に風船を膨らませて固定するタイプと、ボタンのようなもので固定するタイプがあります。
それぞれ、胃の上からチューブを20センチほど出して、チューブの根元を円板様なもので固定するタイプと、
本当のボタンみたいに、胃に蓋つきの注入口だけがついているものとがあります。

どちらにするかは、お医者さんが決めます。

後は家で管理するだけです。

管理の方法は、うちの訪問看護ステーションでは、「在宅医ネット」の方法で行っています。

この方法は、また次回にご紹介しますね。

スリットガーゼを張っていて、肉芽が全然治らない方、糜爛でぐちゅぐちゅの方、すぐ治りますよ~。