こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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冬はASOに注意!

2010-02-01 23:32:43 | 訪問看護、緩和ケア
冬になると、急激に増えるのが、末梢の循環障害の患者さんです。
冬の寒さで、末梢の血管が縮んで、血流が極端に悪くなると、足の先から壊死を起こしてきます。
糖尿病の重度の方や、閉塞性動脈硬化症(ASO)のかたが、足先の壊死で訪問看護の御依頼となるわけです。

どちらも血管の閉塞で足の指がキンキンに冷たくなって、色も紫色になります。
紫を通りこすと黒っぽくなって、針でつついたような穴が開いたかと思うと、そこから自壊していくのです。
ASOの方は、強い痛みを伴いますし、糖尿病の方は、もともと神経障害も合併しているので、なかにはあまり痛くなくて悪化する方もいます。
バージャー氏病は、煙草に起因するためか、ほとんどお目にかかりません。

本来なら、創が出来た時点で病院で入院治療をしたほうがよいのですが、どうしても在宅と言う場合に私たちが出動します。


足の動脈(足背動脈や内顆動脈、膝窩動脈)が触れるか、左右差が無いかなども観察しながら、医師との連携で処置をします。

軽いうちならバブをいれたお湯で足浴をしてから、創の周囲をそっと洗浄し、お湯でよく流してから処方された軟膏(プロスタンディン軟膏など)を塗布します。
創は、ガーゼやモイスキンパットなどでそっとくるみ、保温性のあるゆったりとした靴下で保護します。

ぶつけたり、転んだりするとそこから傷が出来て崩れやすくなります。

並行して、血流を改善する内服が出たり、点滴や静脈注射を行うことも多く、内服管理や感染予防、保温や生活指導を含めて訪問看護が入ります。

看護師が入ることで、医師とケアマネ、各サービス事業所との連携を図り、処置方法の変更があっても、すぐに各サービス事業所へ正しい処置方法をお伝えすることが出来ます。

でも・・・
本当は一番大事な入浴をやってもらえない事があります。
あるデイサービスになんどもお願いしているのですが、残念ながら責任持てないとの理由でなかなかやってもらえませんでした。
この前やっと入れてもらえたと思ったら、足をビニール袋に入れてお風呂に入ったとの事・・
足、蒸れちゃうので、そこまでダメというのなら、いっそシャワー浴を足浴しながらやってもらってほしいと主治医に言われました。
まあ、本人も痛いしお風呂あんまり好きじゃないから、しょうがないんだろうけれど、褥創も含めて、傷にはお風呂がいいんですよねー。
デイのナースいわく、「褥創ではなく、ASOなんですよ。動脈の病気ですよね。浸出液もすごく多いんですよ!なんで、訪問看護が指示するんですか?」って、怒られちゃいました。
ASOでも、べつに動脈お湯につけるわけじゃないんだけど・・・
浸出液はデブリしたからで、ウェットな状態なだけだし・・

まあ、そこそこで立場がありますので、それはそれとして、足先黒っぽい紫とかになって痛みを伴ったり、歩くのが辛くなっていたりしたら、早いうちに創が無くても病院行って下さいね。(糖尿病の方はしびれを強く訴えます)
創が出来ちゃったら長引きますし、最悪切断です。
血管外科か、皮膚科でもいいし・・
内服だけでも改善することがありますので、早めに対策を。

ちなみに私たちは、訪問バックにバブを割ったものを持ち歩いています。

花王のバブでもいいし、なんちゃってバブでも・・・
いろんな匂いもあるので、アロマ効果もあっていいですよ。

6等分くらいに割っておけば、足浴の時にお湯に1かけ歩ちゃんと落とすと、いい香りがファーっと立ち上ります。
そして、炭酸浴効果で血行もすごく良くなりますし、保温性もあります。
上がり湯をかけてから、そっと拭いて軟膏処置をしてください。

毎回使う方は、ご家族にお好みの匂いのバブを用意しておいてもらいます。
でも、何度説明しても、バスクリンを持ってきてくれる御家族もいて・・
それでもいいんですが、炭酸浴したいんです・・

患者さんによっては、爪白癬とごっちゃになっていて、びっくりするようなことになっている事も。
足のケアって大事なんです。
ケアマネさんも、介護者の方も、足の指時々チェックしてみてくださいね。