こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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波止場

2010-02-27 23:20:02 | 日々のあれこれ
今日は、午後から研修で大桟橋の近くの波止場会館と言うところに行ってきました。
あいにくの小雨模様で空は鉛色でしたが、ここぞ横浜という街並みが、とても懐かしくノスタルジックに迎えてくれました。


「波止場会館」なんていうビルの名前も、かなり懐古的ですよね。
大桟橋の入口、ちょうどレストラン「スカンジア」の裏あたりにあります。
 
海に面した波止場会館は、その名の通り、窓から大桟橋の船着き場がよく見えます。
写真右奥が、ターミナルです。

非常ドアを開けると、みなとみらいが一望でき、眼下海沿いの公園になっています。
     
レトロなお店の前のベンチでは、恋人たちが寄り添っていました。


よく見渡すと、昔ながらのレストランの裏側は、ツタがびっしり絡んでいて、それもまたいい感じでした。
あの辺の小さなお店も、小さなビルも古くてちょっといい感じです。
横浜にいても、あまりゆっくり街を歩くことが無かったので、温かくなったらぶらりと散歩してみたいな~と思いました。

研修なので携帯でしか写真が取れずに残念でした。


でも、そのあとにはそんな思いも萎えるような光景を見てしまいました。

往復みなとみらい線を利用しています。
帰りも日本大通りから地下鉄の通路を歩いていたのですが、そこで思いがけず嫌な光景を見てしまいました。
60前後の男性が、紙コップを前に何度も頭を下げていて、私の前を歩いていた御夫婦の男性が、ポケットから幾ばくかのお金をコップの中へ落としました。
チャリチャりとした小銭の音。
再び土下座する男性。

日本は、また後戻りをしているのか・・いいようのない不安感と悪寒。

もう、何十年とみなかった光景です。
地下のベンチには、着の身着のまま寝転がっている人。
うずくまる人。

子供のころ、横浜にはもっとたくさんの、いわゆる「お乞食さん」と呼ばれる人がいて、運河にはやはり差別の対象にされていた、船上生活者もたくさんいました。
そしてなにより、子供心に暗い思いを抱いたのは、負傷したもと軍人さんの物乞いでした。
人の集まる場所に、白い軍服?を着て、包帯を巻いた腕や足を無くした人が数人、軍歌を流して物乞いをしていました。

そんな風景がフラッシュバックのように思いだされました。
贅沢はしなくても、ほとんどの人が家庭を守り、ささやかな幸せを大事にしていた時代がありましたよね。
今、ピカピカの地下通路で足早に歩く人達の足元に、寝転がる人、ものを乞う人。
もしかしたら、これが日本の現実?
どうして?どうなるんだろう?
漠然としていて、でも目をそらしたくなるような不穏な気持ちが、私を包みました。

でも、その気持ちもやがて横浜駅の人の波にのまれてしまうのです。
いろんなところにあるひずみは、こうして忘れ去られていくのでしょうか。
みんな、自分の事で精いっぱいなんですよね。
もちろん私も・・