こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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今日は白衣で。

2010-02-23 22:22:41 | 訪問看護、緩和ケア
今日は、年に数回だけある「白衣」を着る日です。
市の委託を受けて、区内にある数か所の作業所の「健康相談」にまわります。

最初は、いつものジャージ系で行っていましたが、看護師であることがわかりにくいように思えました。
「この人はだれ?」という漠然とした不安もあるのではないかと思い、去年から看護師さんのユニフォームを着るようにしてみました。

感触としては、おおむねいい感じみたいです。
白衣と言っても、いわゆるお医者さんのような白衣ではなく、薄いブルーの上下、パンツ式の白衣なので、柔らかい感じです。

「看護師さんだから心配しないで。安心して下さいね。」
そんな感じで、回っています。

今日も、午後から予定の時間をかなりオーバーして、一人ずつ健康診断の結果を見ながらお話しをしました。
中には、親御さんとご一緒の方も、お父さんだけの相談の方もあり、職員の方もメモを取ったり質問をされたりと、とても熱心に対応されていました。
この作業所は、区内では人数も多く、今年からは3日に分けての相談の要望があり、ご利用者さんへの健康管理意識が高いことが伺えます。

必ず担当の方が付きそい、名前と年齢を確認した後、健康診断結果を見ながらの保健指導となります。
(作業所によっては、だれも付いてくれずデーターもなく、何を相談に乗ればいいかもわからず、対象者さんも無言・・・なんてこともありましたので、ここはありがたいです)

養護学校を卒業してから通所され、60代位の方までいらっしゃるので、かなりバラエティに富んだ御相談になりますが、みなさん御家族や施設の方に大切にされているのがわかります。

私が前任者から引き継いでくるようになってまだ3年目ですが、年に一度でも印象に残っている方が多く、去年のファイルを見ながら「今年も体重増えちゃいましたね?」とか、「たしかとても怖がり屋さんで、血圧測らせてもらえなかったっけ。」などと思いだしながら勧めていきます。

途中、6年ほど前まで、訪問看護で関わりのあった少年が、目の前に座りました。
当時養護学校に入ったばかりで、あどけなかった少年が24歳になっていました。
それでも、会話をすると当時のままのマイペースな話振りがすごくうれしくて、今は施設でとても幸せに暮らしている事を聴いてとても安堵しました。
いろんな問題や障害で、担当者がずいぶんと胸を痛めていながら、事情があって訪問を中断することになった患者さんでした。
もう退職してしまった元担当者が、いつも母親のように心配したり怒ったりしていたことが思い出されます。

最後に、責任者の方と最終確認をして終了しました。
明日は、午前中いっぱい2度目の健康相談に伺うことになています。

こうして、年に一回でも伺っていると、少しずつでも通所されている人達の変化がわかるようになってきます。
ここの作業所は、比較的病状コントロールのよい方が多いのですが、なぜか施設ごとに生活習慣や持っている基礎疾患が似た傾向になるように感じます。

そして普段、私たちにはあまり関わりがないものの、根気強く一人ひとりの性格や問題を把握しながら、優しく接している職員の姿をみて、私も頑張らなくちゃ!と元気をもらいました。

ただ心配なのは、知的障害と身体障害を持ちながら、頑張っている彼らの御両親の多くが、ご高齢であること。
私たちの役割は、社会全体でその方たちのサポートをしていくことだと感じました。
そのなかの誰かが、「助けて!」といったら、すぐに手を差し出せる社会を、作っていかなければいけないんですよね。