こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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チームとしての連携ツール

2010-02-09 22:53:01 | 訪問看護、緩和ケア
現在、めぐみ在宅を中心として、緩和ケアで連携している各サービス事業者との連携は、いわゆる阿吽の呼吸で成り立っている事が多いような気がします。

今日のめぐみ在宅でのカンファでは、今後さらに規模を拡大し、さらに充実した在宅緩和ケアをしていくための方法を話し合いました。

今、お互いよくわかりあっている事業者同士では、まさに阿吽の呼吸でサービスが回っている事が多く、めぐみ在宅の動きや先生の動きもだいたい分かっているので、FAXやメール、電話、直接に逢いに行くなど、タイミングをはかって情報交換や指示の変更などを受けているのが現状です。

でも、今後はもっと確実に情報を交換または提供でき、その方の思いに沿った在宅療養を支えるためのチームを作らなければいけない時期が来ています。

では、どうしたらいいのか。

私たち看護師側からは、病状の報告、患者さんの苦しみや、支えについての報告を確実にタイムリーでできる事、そしてそれに対する指示の変更や方向性などの返事が速やかに頂けること、などが出来るようなツールが欲しいとお願いしました。

やはり、今の時代なので、ITを駆使した連携ツールがほしいと思いました。
実際、それらしいものはあるそうですが、とても重くて実用的ではないそうです。

で、もっと簡略化して個別のパスワードとかを設定して、セキュリティも徹底させて情報を共有化することはできないのか、などということも話し合いました。

医師も、看護師も、ケアマネもそれぞれが忙しく動いています。
めぐみ在宅のほかの非常勤の先生との連絡も、もっとタイムリーにしたいものです。

ITを駆使することが、これからの連携には必要なことだと思います。
ただ、そこには必ず患者さんの苦しみは何か、支えはなにか、その支えを強くするためには何が必要か、ということを必ず踏まえる事ができなければ、ただの連携ソフトになってしまいます。
ITを使いつつ、一番大切な心の支えを失わないような、それでいてどの事業所もうまく利用できるようなツール・・・

これって、大変なことかもしれません。

病棟では、カデックスという医師から看護師へ、看護師から医師へ指示のやり取りが一目でわかるような、ものがあります。
患者名、病名、主治医、その日の検査予定や内服の変更、注意事項などなど、病院によって多少の差こそあれこれはどこでも使われています。

ただ、在宅のチームはそれぞれ別の事業所が多いので、その情報共有はなかなか難しいのが現状です。
そこで、オンラインで指示関係、処置方法、注意事項、どこを支えとしていくかなどを簡潔に確認するころが出来たら、介護者側の不安も軽減されると思います。

もう一つケアマネさんからは、デスケースカンファは月2回行われるが、現在進行形の患者さんについてのカンファがあまり行われていない事が指摘されました。
ケアマネさんによっては、先生の了解があれば先生にあわせて担当者会議を開いたりするのですが、これも先生の診療を邪魔する可能性もあり、ここをどうするかも考える必要があります。

そして、研修施設としての役割も。
在宅療養への知識を、もっとヘルパーさんや施設の方にも知ってもらいたい。
人材を育成するための体制作りもしていく必要があるでしょうね。

さらに、わくわくの中野さんからは、できれば隣接して、わくわくの構想する、何の施設でもない、死を迎えるためのアパート経営をしたいと言う話も、再びでてきました。
もちろん、わくわくはNPOなので、非営利団体ですから敷金礼金などなどない。
独居の方でも安心して自分の部屋で旅立つことができるアパートです。
そこに、家賃を払って入居していただき、それぞれの事業所と個別契約をしてしてサービスを受けるというものです。
無理やり入院させることなく、そこで、地域のみんなで見送れるように。

何だか夢物語のようですが、すでにIT化して連携している医師も少ないけれどいます。
寿町のポーラのクリニックでは、ボランティアの協力よる木賃宿での看取りも積極的に行われています。
瀬谷には、瀬谷だからこそできる独自のシステムが出来ればいいなと思います。
また、小澤先生だけしかできないものではなく、できれば地域に訪問診療をする先生がもっともっと増え、うまくこのシステムとリンクしてくれれば、もっと画期的なものになっていくと思うのですが・・・

でも、きっと夢は実現すると思います。少しずつ。

うまくいかない事もある・・・

2010-02-08 23:10:03 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護・・・
まだまだ、あまりよく知られていないのが実情です。

ほとんどの場合、ご依頼から訪問まで、大きな問題もなく一連の流れの中で進んでいきます。
でも、時として土壇場でうまくつながらない時があるのです。

1週間ほどまえ、区の保険師から「今申請に来た方が、とても困っています。すでに末期癌の状態で寝ついているご主人を、一人で介護されているようです。お薬もロキソニンしか出ていないようですが、まだまだ入院させてもらえないと言っています。とにかく、めぐみ在宅に電話を入れる事と、メディカルさんにケアマネと訪問看護をお願いしたいのですが。」とのこと。

すでに傾眠状態で末期。ロキソニンしか出ていない?入院させてもらえない。妻が困っている。

「わかりました。ただ、私ケアマネもう一杯なので、ご紹介していいですか?」
「お願いします」と言うことで、連携しやすいケアマネさんをご紹介しました。

そのケアマネさんは、すぐに動いてくれて、ベットも入り落ち着いたところで、「病院に入院予定だから訪問看護は必要なさそう。」との連絡をくれました。
それならそれでよいので、後はお願いしましたが、2日後「やはりすぐに入院できそうにないので、訪問看護も来てほしいそうです。」と連絡が。

さっそく病院に連絡して、訪問看護指示書もお願いできました。
今後、在宅医につなげるかどうかは、翌週末の外来に妻だけ行って決めるとのことでした。

ただ、状態的にはだいぶ悪化している様子。
傾眠、若干の意識レベル低下、寝たきり状態、ロキソニンのみの処方・・
とくれば、早く入って病状確認や疼痛の状況把握、排便コントロールや保清をしないと、痛くなってからではかわいそう。
受診までまだ一週間以上もあります。

奥様にもご連絡して、指示書を早めに頂けること、週明けに訪問できることをお伝えしました。

そして今日、訪問しました。
でも・・・奥様のお話をよくよく聞くと、がん保険が入院しないと降りない事、何かあったら今の主治医からどこかに紹介して入院させてもらう約束になっていること、などをとても言いにくそうに話し始めました。
「ですから、ベットさえ入れてももらえればよかったんです。今週末には病院で入院先を紹介してもらいますし、主人が入院したくないって言ったので、今はまだいますが・・ちょっとでも何かあれば入院させてもうらうんです。それに、私一人でこんな契約していいのかどうか・・・何だか話が大げさになってしまって・・」

うーん。
そうですか。
いや、先週ご確認の電話をした時は、家で看取りも考えているようなお話振りでしたが・・・
実際ご主人意識レベル下がっていますし、夜間のひどい咳や、頭痛を考えると本当は心配。
と心の中で呟きつつ・・・

とはいえ、押し売りはできません。
「そうでしたか。そういうことなら契約はやめましょうね。とてもご心配のように感じたものですから、なるべく早くと思ってしまいました。どうぞ受診日によく相談されてからにしてくださいね。今日はこれで失礼します。」

そう言ってお宅を後にしました。

そうかー。なんだかすごいカラ振りでした。
いつもいつも、早い対応を喜んでいただいているので、私も早まりすぎたのかもしれませんが・・・
うーん、でもあのご主人、あの状態で後5日、大丈夫なのかなー?

とりあえず、遠方にあるその病院の連携室に、一方は入れさせてもらいました。
あちらの看護師さんも「えー?そうなんですか??すみませんでした。訪問にならなかったんですね?」と同情してくれましたが。


まあ、たまにこんなこともあるんですよ。
たぶん、ご高齢の奥様にとっては未知の世界。
普段関わっている病院が調整したのであれば、こんなに不安はなく受け入れられたのでしょうが、いきなり知らない人にどんどん繋がっていくのは、不安だったのかもしれません。

「訪問看護とケアマネと一緒にお願いします」と紹介されたケースで、蓋をあけると「ベットだけでいい。」って言われる方、時々いらっしゃるんです。

これは、やっぱり訪問看護事態の存在が「何をやってくれるのか、よくわからない。」職種なのだからでしょうか。
そして、ターミナルに適応されえる医療保険の金額。
ほかのサービスに比べると、値段だけ見れば結構高いから。

よく、お見送りをした後には「こんな料金でいいんですか?」とご家族に言ってもらえますが、入る前と後では、負担感が違うのでしょうね・・・

中身を見てくだされば、決して高い金額ではないと自負しているのですが。

ちょっとやり切れない思いと、一抹の患者さんに対する不安を残した一件でした。

志を貫くひと・・・

2010-02-07 23:45:54 | 読書、漫画、TVなど
いろんな場面で、自分の信じた道を進んでいく人がいます。
どんな苦境に立たされても、それを乗り越えて進む人が・・・

さっき、テレビを見ていてロシナンテというNPOを立ち上げ、スーダンで医療活動をされている、河原先生とその仲間の事を知りました。
情熱大陸でも取り上げられたその先生の生き方、すごいなと・・・純粋に恰好いいなと感じました。
人間は、与えられた地位や名誉を、簡単に捨てられない生き物だと思っていました。
私を含め、ほとんどの人達が自分の世界(仕事であり、家庭であり、社会であり)は守るべきものと信じて生きています。

もちろん、守るべきものを守るのは、大切なことですし、絶対必要なことです。
そうして、家庭も仕事も社会も成り立っているわけで、私も同じです。

でも、時に天命と言うか、運命に突き動かされるように、なにもかもすてて過酷な環境に身を投じてしまう人がいるんですよね。

河原先生も、そんな人でした。
エリートとして、外務省の医務官としてスーダンに赴任し、内戦と貧困の中で病気に苦しむ人々を目にした時、外務省の人間として、在住の日本人を診る事は出来ても、スーダンの人々には指一本触ってはいけないと言われたそうです。
「外務省の医務官では無かったら、診てもいいのか?」と聞いたら「そうです。」と言われた彼は、「じゃあ、やめます。」と言って、外務省をやめてしまったのだそうです。
日本に帰り、学生時代の仲間や後輩に「NPOとして、スーダンの医療活動をしたいが金が無い。」と言ったとき、仲間は「河原が言うのだから絶対やる。」と思い、お金を工面し、支援活動に加わったそうです。

もちろん、どこからも給料などでるはずもなく、スーダン政府からも疑いの目で見られながらの医療活動は、過酷なのもだったそうですが、徐々に認められ、今は診療所も与えられ、日本からの支援によって活動を継続しています。
これからもずっと。だそうです。
奥様もお子さんも日本に残して、アフリカの大地で、何もないけれどその先に光る何かをみつめながら。

現在NPOロシナンテスは、カレンダーを作成して、その半額を活動費に充てているとのことです。
NPOロシナンテここから購入できるそうです。が、アクセスが集中して今のところうまく開けません…

この先生が、現地で心の支えとして聴いているのが、さだまさしの「風に立つライオン」です。
やはり、実在の医師がアフリカの医療に身を投じ活動する中で、残してきた恋人から結婚するという手紙をもらって、その返事の手紙を歌にしたものです。

この歌を初めて聞いた時も、すごく感動しました。
大地からのエネルギーと、突き動かされる魂と、ゆるぎない優しさを感じる歌です。
ぜひ聞いてみてくださいね。

こういう人たちが、実は日本人のなかにもたくさんいるんです。
タイでAIDSの孤児院を寄付だけで運営していて、たくさんの子供のお母さんになっている人もいます。
すごいなーと思います。みなさんどの方もすごく素敵に笑います。
何だか自分も救われるような気がします。

ただ・・・私達には、そんな大きなことはできないけれど、やはりこの小さな町にだって苦しんでいる人はいるわけで、その人達を支えるためにやはり頑張っている人はいるわけですよね。
だから、辛いことも悲しいことも乗り越えていかないといけない。
頑張らないといけない。

自分にできる事で、精いっぱいここで自分の使命を果たさないといけないと、改めて感じました。



さだまさし - 風に立つライオン



どたばたの週末

2010-02-05 23:52:24 | 訪問看護、緩和ケア
相変わらず出入りの激しい毎日です。
相談は、朝から何件も入りますが、訪問まではなかなかたどりつかない相談が多いのも事実です。
でも、こういう相談は、喜んで受けます。
出来る範囲でアドバイスしますし、ここに相談しようと思って頂けるのは、とても光栄なことだと思うからです。

年末ギリギリに退院して、4日に再入院したきりの患者さんも、やっと退院の話が出てきました。
大学生の息子さんから、「介護度も出ました。4でした。2月中旬には退院しますから、手すりを付けたいんですが」という電話をもらいました。
介護保険の有効期間と認定日を確認したら、ガサガサ探す音がした後で「介護保険証がわかりません・・・後で探してもう一度連絡します。」と言って電話を切られた後、また連絡が途絶えてしまいました。
病院連携室に確認をとってもらい、退院に向かって調整中だが、まだもう少しかかるという話と、来週院内でのカンファがあるということが分かりました。
できれば参加させて下さいとお願いし、週明けにはなんとしても、御家族にお会いしたいと思っています。

昼前にいつもの患者さんの訪問をしましたが、また玄関に大きな荷物が置いてありました。
この方、独居の男性ですが、テレビショッピングマニアで、ちょっとやすかったり、いいなと思うと、すぐに電話で申し込んで買ってしまいます。
風水の絵と、光触媒の大きな造花で、けっこう広めの家の中は、まっすぐ歩けなくなっています。
食品も、3か月は籠城できるほど、たんまりと買いこんであります。
ヘルパーさんがこっそり「ガーデンテーブルみたいですよ。」と教えてくれました。
え!?御本人が庭に出る事は、めったにありませんし、ガーデンテーブルだれが設置するんでしょうか・・・?
ついこの前、イタリア制のリクライニングチェア買って、「今あるおもーいソファを二階にあげてって」ヘルパーさんに頼んで、それは無理ですって言われたばかりなのに・・・
通販のしゃべるぬいぐるみやら、抱き枕やらもいっぱいあります・・・
でもまあ、それが楽しみって言えば、そうなのかもしれません。
でも、自分で動かそうとして、また圧迫骨折しない事をお願いするだけです・・・

そして今日の新患さん。
またしてもASO(閉塞性動脈硬化症)、さらに転倒による裂傷や、蜂窩織炎、皮膚潰瘍があり、一つ一つ洗浄しながら処置をし、さらにお尻の確認やら陰洗やらしていたら2時間を過ぎちゃいました。
あわてて帰って、着替えてタクシー呼んで大和駅まで急行。
なんとか、待ち合わせ時間に間に合いました。

今日は、瀬谷区訪問看護ステーション・聖マリ西部病院連絡会の打ち上げです。
瀬谷区高齢担当のお二人と、ケアマネットのお二人、さらにもと連絡会の仲間など15名でおいしい時間を過ごしました。
お店は、去年私がネットで探して、すごくおいしかった「くずし割烹 筑前」です。
大和のユザワヤ側の、超怪しいネオンの輝く路地を入ると、まったく場違いにちょっと粋な感じの料理屋さんがあります。

和食ですがずっとジャズが流れ、ワイングラスがきれいにぶら下がっています。
今日は、飲み放題で6000円で作ってもらいました。
そして、今日も大満足でした。
みんなも、大絶賛。
今日できたてのカモの熏製、熏製卵で作ったポテトサラダ、サバの熏製のサラダ(絶品!)
お刺身も、菜の花もカニ肉たっぷりのカニクリームコロッケも・・・おいしかったです。
そして、鳥鍋。
ぷりっぷりの取り団子、鳥のぶつ切りの入った塩味の澄んだスープを、お好みの薬味でいただきます。
私は、もっぱらゆず胡椒を入れて・・・
さらに、このおだしに細打ちのうどんを入れ、おなかいっぱいなのにもう別腹です。
最後は、絶品のソースがかかった上品なバニラアイスクリーム。
お代わりしたいと、横で呟いている人も・・・
盛り上がったおかげで、今日も写真を撮れませんでした・・・。

みんな、同じ地域の仲間です。
これからも、仲良く楽しく地域の中で、縁の下の力持ちになっていけたらと思います。

福祉用具専門相談員

2010-02-04 23:06:19 | 訪問看護、緩和ケア
各居宅支援事業所には、それぞれ御贔屓の福祉用具専門相談員がいます。

グループ系の場合は別ですが、うちのような事業所には、あちこちからいろんな事業所の専門員がパンフレットやら、レンタルの目玉商品やらを持って出入りしますが、結局使う会社は幾つかに絞られてきます。

私が、今使っているのは主に3か所ですが、ここ2年ほど利用しているH社の専門相談員が、2月の移動でいなくなってしまいます。

もちろん後任は来ますが、とにかく一生懸命に利用者さんやケアマネに対応する姿は、とても好感を持てましたし、会社にかけあったり、内緒にしたりしても、融通をきかしてくれました。
同じ会社の社員でも、担当者が代われば動きもやる気も全然変わってしまうことを、何度か経験しています。
新人で配属された担当が、せっかくツーカ―で、すばやく丁寧な仕事をしてくれるようになると、どこかにご栄転されちゃうのはすごく残念です。

H社のU君、よく頑張ってくれました。
一生懸命で、空振りになっても嫌な顔一つせずに、次には即飛んできてくれました。
何度もご利用者さんのところに足を運び、細かい調節もしてくれました。

私はどうやら怖いらしくて、若い担当者はちょっとびくびくやってきますが、それも結構かわいいと思っているんですよ、おばさんは・・・
(私的には、いい感じで利用しているつもりなのに、うちの事務は「かわいがり」だといいます・・
それでも、直立不動で報告して、90度に頭下げて帰る彼の、仕事に対する姿勢や育ちの良さは、ご利用者さんにも好評でした。

今日もわざわざ、私の仕事が一段落するのを待っていて御挨拶をしに来てくれました。

後任がどんな仕事をするのかは、わかりませんがこの辺のおばちゃんケアマネは、みなちょっとさみしい思いです。

今もう一つ気にいっているのは、ベットやエアマットを即納してくれる、個人で頑張っているMさんです。
彼もまた、真摯に取り組んでいます。
以前にも、エアマットを交換中に若いご利用者様が亡くなってしまい、ものすごく落ち込んでいたあと、反省と今後の対応についてレポートを書いて提出した人です。
彼は、自分の会社なので、移動することはなく、なによりいろんな会社と契約を結んでいるため、ほとんどの会社のものがレンタル、購入できるのがうれしいです。
そして、やはり何度でもご利用者様が納得するまで足を運びます。

福祉用具専門相談員は、チームの中でも重要な役割を果たします。
ちゃんと勉強して、自分でも努力して足を運ばないといい仕事はできません。
gitanistさんの記事(ビートルズを愛するケアマネ)にも福祉用具専門員としての姿勢について書かれていましたが、専門員の肩書があるのだから、やはりプライドを持って、誰よりもいいものを持ってきてほしいし、ケアマネとの連携も十分とってほしいですよね。

今までも、すごくよく動いてくれていい仕事をしてくれた後任が、とんでもなくいい加減で注文忘れたり訪問すっぽかしたりして、使うのやめちゃったこともあります。

状態が悪くて、褥創も悪化傾向だから即エアマット入れてと言っても、「数日お待ちください。」とか平気で言うところも頼みません。
やたらめったら自社製品を勧めたり、住宅改修を勧めたりする人も嫌です。

去年、ある会社の若い相談員が、区役所での手続きをせず、介護保険でできる住宅改修を自費で請求したので激怒したことがあります。
前任は長年この地域で絶対的な信頼を持って、仕事をしてきた人です。
「あなたは、前任の○○さんが、築き上げた信頼を台無しにしたのよ。やる気が無いのなら、もう頼まない!」そういうと彼は初めて気がついたようです。
「すみません。うっかりしていました。気が緩んでいました。やります。やらせて下さい。
区役所、すぐ行きます!」そう言っていきなりゼンマイが巻かれたみたいに動きだしました。
やれやれです。その彼はいわゆる調子のよい現代っ子タイプです。
悪い子ではないので、今回は頑張ることを条件に許しました。
なんだか、よその会社の若者の教育までやるはめに・・・

私たちは、人間相手の仕事です。
一緒にタッグを組むサービス事業所も、自分の仕事にプロとしてのプライドと真摯な姿勢が無いと駄目ですよね。

でも、U君。
きっと次の場所に移っても、きっと一生懸命頑張っていくんだろうなと思います。
これは、人としての資質のようなものかもしれませんね。
頑張れよ。U君。

荒れてきました。

2010-02-03 22:09:54 | 訪問看護、緩和ケア
なんだか、大荒れの様相を呈してきました。

ASO(閉塞性動脈硬化症)の方が続いたかとおもうと、褥瘡(とこずれ)の方が続きます。

訪問回数が急に増える方が続いたかと思うと、入院する方が続いて・・・

毎日その連絡調整だけでも、わけがわからなくなってきます。

ある方は、急激な廃用症候群の進行のために、下腿に3度から4度の褥瘡が数か所出来ていました。
すでに、入室と同時に緑膿菌特有の臭気がします。
やはり淡緑色の不良肉芽で覆われていました。
痩せているため、2か所は骨まで達しています。
こんなになるまでに、たった2~3日しかかからなかったそうです。
強い拘縮により、左の膝で右の下腿の内側を圧迫してしまったようです。
これは、経口摂取が激減したたため、低栄養になったことも原因のようです。
ご家族もとても心配されていて、今後の支援をお約束してきました。
来週さっそくショート先へ、皮膚科医をお連れしての外科的処置を行います。


真冬は循環障害、真夏は脱水でお年寄りは衰弱してしまいます。

ASOや褥瘡の患者さんは、処置の方法や専門医への連携、エアマットの選択や各サービス事業所への処置方法の伝達など、導入時にやることがたくさんありますので、気が抜けません。
環境自体の調整も必要なので、ケアマネさんやご家族も含めて十分な説明が必要です。

それでもASOは厳しいです。
以前どこかの勉強会で「ASOで末梢の壊死が進んでくる患者さんは、半年から1年以内に突然死する可能性が非常に高い。」と言っていました。

たしかに、末梢にそれだけの動脈変性があれば、心臓や肺や脳血管だって動脈硬化が進んでいるってことですよね。
ちなみに、ASOや糖尿病性脱阻の患者さんは、冬場パルスオキシメーターで酸素飽和度を測定しようとしても、測定できないか、すごく低く出てしまいます。
静脈の色で判断するセンサーがうまく働かないんでしょうね。
でも、全身の血管が動脈硬化を起こしているとすると、やはり怖いです。

なるべく早いうちの入院治療をお勧めしますが、現実入院には二の足を踏む患者さんが多く、切断になるのではないかと、ハラハラすることがよくあります。

逆に、足先の循環障害をいくら病院にお伝えしても、取り合ってもらえずに、どんどん悪化していく方もいて、担当看護師がいらいらすることもあります。
隣の市には、専門の創傷センターも出来ているので、どうしても診てもらえないのなら、そちらをお勧めしたいと思っていますが、長年のDM(糖尿病)で腎不全も併発しており、透析も拒否している現状では、なかなか難しい現実があります。

在宅では、医療者側の当たり前が通じないことはよくあることで、「そんなの説明が悪い。強制的に入院させればいい」と思われる方もいらっしゃると思いますが、経済的なこと、家族関係、思想的なこと、個人の信念などいろいろな理由で、事はそんんなにうまく進まないのが現実です。
であれば、その現状で最善を尽くすのが私たちのお仕事になるのです。

少しでも楽に過ごしてほしい。
痛くなく、苦しくなく、穏やかに我が家で過ごしてほしい。

それが私たちの願いです。


訪問看護もケアマネも・・・?

2010-02-02 23:37:11 | 訪問看護、緩和ケア
1月は結局6人の方が亡くなられ、10人の新患さんが入りました。
今週も5人の新患さんの予定です。
でも、入院されたかたも数人いて、あまりの出入りの激しさにクラクラします。
こういうときは、新患さんが次々来ても、なぜかスタッフの勤務表はあちこち空欄になります。
退院を待って開けていても、なかなか戻られなかったり、もう在宅は無理と思われていた方が突然退院になったり・・・
新患さんも、御希望の曜日が集中してしまったりと、なかなか均等に行きません。

人間相手のこの稼業、そんな思うように行くわけもなく、とにかく迷い道くねくね行くっきゃないです。

そう言えば、訪問看護とケアマネセットのご依頼も多く、専任ケアマネ退職後は、私が受けていましたが、もう限界ですね。
今のところ、両方やるには、ここまでです。
でも、最近は信頼できるケアマネさんが何人か独立されていて、3か所位にケアマネさんをお願いして、訪問看護に専念することにしました。
どうしてもの場合だけは頑張りますが、なんといっても訪問看護ステーションなので、ケアマネで無理はしないようにと考えています。

ケアマネを受けるにあたっては、御家族やご本人と逢って情報収集したり、アセスメントしたりしてプランを立てますが、年末に急遽病院からの御依頼があって、ケアマネひきうけることになりました。
でもその方まだ入院中で、年末ぎりぎりで退院するから、とにかく明日にでもベットを入れて、というものでした。
もちろん病院から、ベットの必要性は言われていましたので、当日御家族に契約に来てもらい、翌日(年末ぎりぎり)にベットを入れてもらいました。
営業日ギリギリでしたので、正月開けてからのご本人と面会することにして年始を迎えました。が・・・
4日に再度入院してから、未だに退院していません。
当分めども立たないとか・・
こういう場合、在宅中でのアセスメントが出来ない。
ADL表もわからない。
家族は仕事で捕まらない。
ベットは年末年始の正味1週間だけ・・。でも年末はデモ期間なので、実際は1月からの4日間だけでした。
当然、もういったん引き揚げになりましたが、こういうときケアマネはどう動けばいいのか・・。
病院に行っても、きっと相手は私を知らないでしょうし、病状が全然変わっちゃっているようです。
こんなとき、ほかケアマネさんはどうしているんでしょうか??
やっぱり、私ケアマネ向かないです・・・。

冬はASOに注意!

2010-02-01 23:32:43 | 訪問看護、緩和ケア
冬になると、急激に増えるのが、末梢の循環障害の患者さんです。
冬の寒さで、末梢の血管が縮んで、血流が極端に悪くなると、足の先から壊死を起こしてきます。
糖尿病の重度の方や、閉塞性動脈硬化症(ASO)のかたが、足先の壊死で訪問看護の御依頼となるわけです。

どちらも血管の閉塞で足の指がキンキンに冷たくなって、色も紫色になります。
紫を通りこすと黒っぽくなって、針でつついたような穴が開いたかと思うと、そこから自壊していくのです。
ASOの方は、強い痛みを伴いますし、糖尿病の方は、もともと神経障害も合併しているので、なかにはあまり痛くなくて悪化する方もいます。
バージャー氏病は、煙草に起因するためか、ほとんどお目にかかりません。

本来なら、創が出来た時点で病院で入院治療をしたほうがよいのですが、どうしても在宅と言う場合に私たちが出動します。


足の動脈(足背動脈や内顆動脈、膝窩動脈)が触れるか、左右差が無いかなども観察しながら、医師との連携で処置をします。

軽いうちならバブをいれたお湯で足浴をしてから、創の周囲をそっと洗浄し、お湯でよく流してから処方された軟膏(プロスタンディン軟膏など)を塗布します。
創は、ガーゼやモイスキンパットなどでそっとくるみ、保温性のあるゆったりとした靴下で保護します。

ぶつけたり、転んだりするとそこから傷が出来て崩れやすくなります。

並行して、血流を改善する内服が出たり、点滴や静脈注射を行うことも多く、内服管理や感染予防、保温や生活指導を含めて訪問看護が入ります。

看護師が入ることで、医師とケアマネ、各サービス事業所との連携を図り、処置方法の変更があっても、すぐに各サービス事業所へ正しい処置方法をお伝えすることが出来ます。

でも・・・
本当は一番大事な入浴をやってもらえない事があります。
あるデイサービスになんどもお願いしているのですが、残念ながら責任持てないとの理由でなかなかやってもらえませんでした。
この前やっと入れてもらえたと思ったら、足をビニール袋に入れてお風呂に入ったとの事・・
足、蒸れちゃうので、そこまでダメというのなら、いっそシャワー浴を足浴しながらやってもらってほしいと主治医に言われました。
まあ、本人も痛いしお風呂あんまり好きじゃないから、しょうがないんだろうけれど、褥創も含めて、傷にはお風呂がいいんですよねー。
デイのナースいわく、「褥創ではなく、ASOなんですよ。動脈の病気ですよね。浸出液もすごく多いんですよ!なんで、訪問看護が指示するんですか?」って、怒られちゃいました。
ASOでも、べつに動脈お湯につけるわけじゃないんだけど・・・
浸出液はデブリしたからで、ウェットな状態なだけだし・・

まあ、そこそこで立場がありますので、それはそれとして、足先黒っぽい紫とかになって痛みを伴ったり、歩くのが辛くなっていたりしたら、早いうちに創が無くても病院行って下さいね。(糖尿病の方はしびれを強く訴えます)
創が出来ちゃったら長引きますし、最悪切断です。
血管外科か、皮膚科でもいいし・・
内服だけでも改善することがありますので、早めに対策を。

ちなみに私たちは、訪問バックにバブを割ったものを持ち歩いています。

花王のバブでもいいし、なんちゃってバブでも・・・
いろんな匂いもあるので、アロマ効果もあっていいですよ。

6等分くらいに割っておけば、足浴の時にお湯に1かけ歩ちゃんと落とすと、いい香りがファーっと立ち上ります。
そして、炭酸浴効果で血行もすごく良くなりますし、保温性もあります。
上がり湯をかけてから、そっと拭いて軟膏処置をしてください。

毎回使う方は、ご家族にお好みの匂いのバブを用意しておいてもらいます。
でも、何度説明しても、バスクリンを持ってきてくれる御家族もいて・・
それでもいいんですが、炭酸浴したいんです・・

患者さんによっては、爪白癬とごっちゃになっていて、びっくりするようなことになっている事も。
足のケアって大事なんです。
ケアマネさんも、介護者の方も、足の指時々チェックしてみてくださいね。