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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
<漢検1級 27-③に向けて その113>
●「文章題訓練」その㊷です。㊴~㊸まで連続5題、「俳人蕪村」(正岡子規)からの出題です。ちょっとおもしろい趣向の出題になったと思いますが如何でしょうか(^^)
●難度は並み・・・チャレンジャーは80%(24点)以上が目標・・・。リピーターは限りなく100%とりたいところ(^^)
●文章題㊷:次の文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。(30) 書き2×10 読み1×10
「・・・(材料)
蕪村は
(1)コリ怪をなすことを信じたるか、たとい信ぜざるもこの種の談を聞くことを好みしか、彼の自筆の草稿新花摘は怪談を
(2)サイすること多く、かつ彼の句にもコリを詠じたるもの少からず。
コリにはあらで
(ア)幾何か怪異の聯想を起すべき動物を詠みたるもの、
(イ)獺の住む水も田に引く早苗かな
・・・
蕪村はこれら糞尿のごとき材料を取ると同時にまた上流社会のやさしく美しき様をも巧みに詠み出でたり。
・・・
名月や秋月どのの
(3)フナヨソオひ
・・・
蕪村の句新奇ならざるものなければ新奇をもって論ずれば蕪村句集全部を見るの完全なるにしかず。かつ初めより諸種の例に引きたる句多く新奇なるをもって特にここに拳ぐるの要なしといえども、前に挙げざりし句の中に新奇なる材料を用いし句を少し記しおくべし。
・・・
(4)ノバカマの法師が旅や春の風
陽炎や
(ウ)簣に土をめつる人
・・・
これらの材料は蕪村以前の句に少きのみならず、蕪村以後もまた用いる能わざりき。
(縁語及び譬喩)
蕪村が縁語その他文字上の遊戯を主としたる俳句をつくりしは怪しむべきようなれど、その句の巧妙にして
(5)フサクの
(エ)痕を留めず、かつ和歌もしくは檀林、支麦のごとき没趣味の作をなさざるところ、またもってその技倆を窺うに足る。縁語を用いたる句、
・・・
愚痴無智のあま酒つくる松が岡
(オ)蝸牛や其の角文字のにじり書
・・・
俳句に譬喩を用いるもの、俗人の好むところにしてその句多く理窟に堕ち趣味を没す。蕪村の句時に譬喩を用いるものありといえども、譬喩奇抜にして多少の
(6)ガチを
(カ)具う。また支麦輩の夢寐にも知らざるところなり。
・・・
夕顔のそれは
(キ)髑髏か鉢叩(はちたたき)
蝸牛の住はてし宿やうつせ貝
・・・
水仙や
(ク)鵙の草茎花咲きぬ
ある隠士のもとにて
古庭に
(7)チャセン花咲く椿かな
浪花の旧国主して諸国の俳士を集めて円山に会筵しける時
(ケ)萍を吹き集めてや花筵
・・・
(時代)
蕪村は享保元年に生まれて天明三年に歿す。六十八の長寿を保ちしかばその間種々の経歴もありしなるべけれど、大体の上より観れば文学美術の衰えんとする時代に生まれてその盛んならんとする時代に歿せしなり。俳句は享保に至りて芭蕉門の英俊多くは死し、支考、乙由らが
(8)ザンゼンを保ちてますます俗に堕つるあるのみ。明和以後枯楊孽(こようげつ)を生じてようやく春風に吹かれたる俳句は天明に至りてその盛を極む。俳句界二百年間元禄と天明とを最盛の時期とす。元禄の盛運は芭蕉を中心として成りしもの、蕪村の天明におけるは芭蕉の元禄におけるがごとくならざりしといえども、天明の隆盛を来たせしものその力最も多きにおる。天明の余勢は寛政、文化に及んで漸次に衰え、文政以後また
(9)コンセキを留めず。
和歌は万葉以来、新古今以来、一時代を経るごとに一段の堕落をなしたるもの、真淵出でわずかにこれを挽回したり。真淵歿せしは蕪村五十四歳の時、ほぼその時を同じゅうしたれば、和歌にして取るべくは蕪村はこれを取るに躊躇せざりしならん。されど蕪村の句その影響を受けしとも見えざるは、音調に
(コ)泥みて清新なる趣味を欠ける和歌の到底俳句を利するに足らざりしや必せり。
当時の和文なるものは多く
(10)ギコブンの類にして見るべきなかりしも、ギコということはあるいは蕪村をして古語を用い古代の有様を詠ぜしめたる原因となりしかも知らず。しかして蕪村はこの材料を古物語等より取りしと覚ゆ。・・・」「俳人蕪村」(正岡子規)
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(1)狐狸 (2)載 (3)艤(*原文は「ふなよそ(ひ)」) (4)野袴 (5)斧鑿 (6)雅致 (7)茶筌 (8)残喘 (9)痕跡 (10)擬古文
(ア)いくばく (イ)おそ (ウ)あじか(「もっこ」でも漢検的にはOKかも。) (エ)あと (オ)ででむし (カ)そな (キ)どくろ (ク)もず (ケ)うきくさ (コ)なず
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