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●熟語の読み・一字訓読(その107)です。
<抛:ホウ、なげ(る)、なげう(つ)、ほう(る)>
(夫々、区別つけられないが、便宜的に分けてみると・・・)
・なげ(る)、なげう(つ):抛棄、抛荒(ホウコウ)=なげやりにする・あれはてる。抛泊=抛錨=投錨する。抛盤=円盤をなげる。抛与=投げ与える。抛網=網をうつ。抛石=石を投げる。抛車(ホウシャ)=古、軍中で投石の用に供した車。抛去=なげうち去らしめること。抛卻(ホウキャク)=なげうつ・うちすてる。抛擲。抛物。
・ほう(る):抛費=浪費。抛丸=放丸。抛躱(ホウタ)=放置して用いぬこと (*躱:タ、かわ(す)、さ(ける))
*「抛售(ホウシュウ)」=大売出し(字通) (*「投げ売り」という意味だと思う)←「なげる、なげうつ」意か。
拉:ラツ、ラ、ロウ、くじ(く)、ひし(ぐ)、ひしゃ(げる)、ひ(く) (赤字部分:2018.3.22加筆)
*「ラツ、ラ」は慣用音。
(大字源では、「ロウ(漢・呉音)ラツ(慣用音)ラ(呉音)」)
*ほとんどが“ロウ”音熟語。
*例外は、「拉致(ラツチ・ラチ)」<拉丁(ラテン)><拉薩(ラサ)>拉麺(ラーメン)拉殺(ロウサツ・ラサツ)⇦大字源では“ロウサツ”読みのみ。
くじ(く):拉朽(ロウキュウ)=朽ちたものをくじく→容易なことの喩え。拉脅(ロウキョウ)=脇骨をくじく。拉歯(ロウシ)。
ひし(ぐ)、ひしゃ(げる):拉殺(ロウサツ)=ひしぎ殺す(字通)・手で捩じ殺す(大漢和)。
ひ(く) :拉致(ラツチ・ラチ)=引き連れる (大漢和はラツチ、字通はラチ)。拉弓(ロウキュウ)=弓を引く。拉過(ロウカ)=引き連れる。拉車(ラシャ・ロシャ)=車を挽く。(大漢和はラシャ、字通はロシャ←印字・校正の間違いか???)
その他1:拉丁(ラテン)=羅甸(ラテン)=臘丁(ラテン)。
その他2:下付きの熟語で「くじく、ひしぐ、ひしゃげる」に対応すると思われるも熟語:摧拉=摧折、敲拉(コウロウ)=たたきくじく(うちくだく)。摺拉(ロウロウ)=とりひしぐ・くじく。捶拉。打拉。批拉(ヒロウ)=うちくだく。(*批(う)つ)・・・
その他3:(その他の読み・意味があるもの)
拉雑(ロウザツ)=①まぜる・よせあつめる ②しまりなくだらしないこと(呉の方言?) 「他心を拉雑して、これを摧焼せん」 *大字源ではロウソウ読み。(ただし、「雑(ザツ・ゾウ)」に、現行“ソウ”音はないので“ロウザツ”読みで良いと思う)
拉颯(ロウサツ)=みにくいさま(字通)・むさくるしいさま(大漢和)。乱れたさま。雑然としたさま。「衣被拉颯栖」(大字源)
拉撮(ロウサツ)=つまみとる。
拉答(ロウトウ)=拉塔=散漫でしまりがないこと。
拉上(ロウジョウ)=あげあしをとる。
拉瑟(ロウシツ)=風の音・風の吹く音。「拉(ロウ)」は風の音の擬声語。「~時に聴く、西風拉瑟の聲(声)」(蘇軾)「淅淅秋風、拉瑟(の)聲(声)」
*拉瑟:大字源では「琴を弾く。転じて、風の音のさま。」(出典は上記と同じ)
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●熟語の読み・一字訓読(その108)です。
<拿:ダ、ナ、つか(む)、と(らえる)、ひ(く)>*「拿」は「拏」の俗字(大漢和)。漢検では「拏」が許容字体。
・つか(む):拿把(ダハ)=つかむ。拿手(ダシュ)=握手。手を握る=約束する。
・と(らえる):拿捕、拿獲、拿問、拿追=とらえる、拿雲手(ダウンシュ)=雲をとらえる手 (*「拿雲」(拏雲)=雲をとらえる→高い志をいう)。拿究(ダキュウ)=とらえてといつめる=拿問。
・ひ(く):(手でひっぱる、ひく意)大漢和・字通ともに対応熟語ない模様。
・その他:拿去(ダキョ・ナキョ)=持ち去る。拿茶(ナチャ?)=沿道に茶を備えて会葬の遺族にふるまうこと。拿茶当酒=茶を酒の代わりに飲む。
拿下(ナカ?)=①下げる ②おろす ③つかまえる 拿押(ナオウ?)=とらえて拘禁する。拿開(ナカイ?)=横のほうへのける。
四字熟語「虎擲竜拏」(漢検掲載)→「虎擲竜拿」でも可と思われる。熟字:拿林雀=金糸雀=カナリア 拿翁(ナオウ)=ナポレオンの当て字。拿破崙(ナポレオン)。
<挌:カク、う(つ)、なぐ(る)>*「挌」は「格」に通じる。
・う(つ)、なぐ(る):挌殺=うちころす=格殺、挌獣=格獣、挌闘=格闘、 挌撃、挌虎、挌戦・・・
<拯:ショウ、ジョウ、すく(う)、たす(ける)> *「すくう」=すくいあげる・たすける意
・すく(う)、たす(ける):拯饑(ジョウキ)=飢えをすくう。拯救=救済。拯活=すくいたすける。拯恤(ジョウジュツ)=すくいめぐむ。拯贍(ジョウセン)=(「すくいにぎわす」とあったが、「贍」を「賑」に間違ったのでは?「贍」なので、「すくいめぐむ」が正しいのでは?)
拯溺(ジョウデキ)=水におぼれるをすくう。拯擢(ジョウテキ)=救いあげる。拯難=難儀をすくう。拯撫=救いいたわる。拯弊=衰えたるをすくう。拯乱=乱をすくう。
<拵:ソン、よ(る)、こしら(える)>
・よ(る):(用例ほとんどなし(字通))「拵(よ)る」
・こしら(える):邦語。音熟語なし。「拵える」
<捍:カン、ふせ(ぐ)、まも(る)>・ふせ(ぐ):捍格=扞格=ふせぎはばむ。捍禦=扞禦=ふせぐ。捍護=扞護=ふせぎまもる。捍刃=刃物をふせぐ。捍敵=敵をふせぐ。捍塞(カンソク)=ふさぎふせぐ・防止する。
・まも(る):捍患(カンカン)=わざわいをふせぎまもる。捍辺(カンペン)=国境をふせぎまもる。
・その他:捍撥・画(カンパチ・ガ)=琵琶などの楽器の捍撥(カンパチ)=撥(ばち)のあたる皮張り。その表面の濃彩画。捍然(カンゼン)=堅いさま。(捍に「堅い」の意あり)
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●熟語の読み・一字訓読(その107)です。
<抛:ホウ、なげ(る)、なげう(つ)、ほう(る)>
(夫々、区別つけられないが、便宜的に分けてみると・・・)
・なげ(る)、なげう(つ):抛棄、抛荒(ホウコウ)=なげやりにする・あれはてる。抛泊=抛錨=投錨する。抛盤=円盤をなげる。抛与=投げ与える。抛網=網をうつ。抛石=石を投げる。抛車(ホウシャ)=古、軍中で投石の用に供した車。抛去=なげうち去らしめること。抛卻(ホウキャク)=なげうつ・うちすてる。抛擲。抛物。
・ほう(る):抛費=浪費。抛丸=放丸。抛躱(ホウタ)=放置して用いぬこと (*躱:タ、かわ(す)、さ(ける))
*「抛售(ホウシュウ)」=大売出し(字通) (*「投げ売り」という意味だと思う)←「なげる、なげうつ」意か。
拉:ラツ、ラ、ロウ、くじ(く)、ひし(ぐ)、ひしゃ(げる)、ひ(く) (赤字部分:2018.3.22加筆)
*「ラツ、ラ」は慣用音。
(大字源では、「ロウ(漢・呉音)ラツ(慣用音)ラ(呉音)」)
*ほとんどが“ロウ”音熟語。
*例外は、「拉致(ラツチ・ラチ)」<拉丁(ラテン)><拉薩(ラサ)>拉麺(ラーメン)拉殺(ロウサツ・ラサツ)⇦大字源では“ロウサツ”読みのみ。
くじ(く):拉朽(ロウキュウ)=朽ちたものをくじく→容易なことの喩え。拉脅(ロウキョウ)=脇骨をくじく。拉歯(ロウシ)。
ひし(ぐ)、ひしゃ(げる):拉殺(ロウサツ)=ひしぎ殺す(字通)・手で捩じ殺す(大漢和)。
ひ(く) :拉致(ラツチ・ラチ)=引き連れる (大漢和はラツチ、字通はラチ)。拉弓(ロウキュウ)=弓を引く。拉過(ロウカ)=引き連れる。拉車(ラシャ・ロシャ)=車を挽く。(大漢和はラシャ、字通はロシャ←印字・校正の間違いか???)
その他1:拉丁(ラテン)=羅甸(ラテン)=臘丁(ラテン)。
その他2:下付きの熟語で「くじく、ひしぐ、ひしゃげる」に対応すると思われるも熟語:摧拉=摧折、敲拉(コウロウ)=たたきくじく(うちくだく)。摺拉(ロウロウ)=とりひしぐ・くじく。捶拉。打拉。批拉(ヒロウ)=うちくだく。(*批(う)つ)・・・
その他3:(その他の読み・意味があるもの)
拉雑(ロウザツ)=①まぜる・よせあつめる ②しまりなくだらしないこと(呉の方言?) 「他心を拉雑して、これを摧焼せん」 *大字源ではロウソウ読み。(ただし、「雑(ザツ・ゾウ)」に、現行“ソウ”音はないので“ロウザツ”読みで良いと思う)
拉颯(ロウサツ)=みにくいさま(字通)・むさくるしいさま(大漢和)。乱れたさま。雑然としたさま。「衣被拉颯栖」(大字源)
拉撮(ロウサツ)=つまみとる。
拉答(ロウトウ)=拉塔=散漫でしまりがないこと。
拉上(ロウジョウ)=あげあしをとる。
拉瑟(ロウシツ)=風の音・風の吹く音。「拉(ロウ)」は風の音の擬声語。「~時に聴く、西風拉瑟の聲(声)」(蘇軾)「淅淅秋風、拉瑟(の)聲(声)」
*拉瑟:大字源では「琴を弾く。転じて、風の音のさま。」(出典は上記と同じ)
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●熟語の読み・一字訓読(その108)です。
<拿:ダ、ナ、つか(む)、と(らえる)、ひ(く)>*「拿」は「拏」の俗字(大漢和)。漢検では「拏」が許容字体。
・つか(む):拿把(ダハ)=つかむ。拿手(ダシュ)=握手。手を握る=約束する。
・と(らえる):拿捕、拿獲、拿問、拿追=とらえる、拿雲手(ダウンシュ)=雲をとらえる手 (*「拿雲」(拏雲)=雲をとらえる→高い志をいう)。拿究(ダキュウ)=とらえてといつめる=拿問。
・ひ(く):(手でひっぱる、ひく意)大漢和・字通ともに対応熟語ない模様。
・その他:拿去(ダキョ・ナキョ)=持ち去る。拿茶(ナチャ?)=沿道に茶を備えて会葬の遺族にふるまうこと。拿茶当酒=茶を酒の代わりに飲む。
拿下(ナカ?)=①下げる ②おろす ③つかまえる 拿押(ナオウ?)=とらえて拘禁する。拿開(ナカイ?)=横のほうへのける。
四字熟語「虎擲竜拏」(漢検掲載)→「虎擲竜拿」でも可と思われる。熟字:拿林雀=金糸雀=カナリア 拿翁(ナオウ)=ナポレオンの当て字。拿破崙(ナポレオン)。
<挌:カク、う(つ)、なぐ(る)>*「挌」は「格」に通じる。
・う(つ)、なぐ(る):挌殺=うちころす=格殺、挌獣=格獣、挌闘=格闘、 挌撃、挌虎、挌戦・・・
<拯:ショウ、ジョウ、すく(う)、たす(ける)> *「すくう」=すくいあげる・たすける意
・すく(う)、たす(ける):拯饑(ジョウキ)=飢えをすくう。拯救=救済。拯活=すくいたすける。拯恤(ジョウジュツ)=すくいめぐむ。拯贍(ジョウセン)=(「すくいにぎわす」とあったが、「贍」を「賑」に間違ったのでは?「贍」なので、「すくいめぐむ」が正しいのでは?)
拯溺(ジョウデキ)=水におぼれるをすくう。拯擢(ジョウテキ)=救いあげる。拯難=難儀をすくう。拯撫=救いいたわる。拯弊=衰えたるをすくう。拯乱=乱をすくう。
<拵:ソン、よ(る)、こしら(える)>
・よ(る):(用例ほとんどなし(字通))「拵(よ)る」
・こしら(える):邦語。音熟語なし。「拵える」
<捍:カン、ふせ(ぐ)、まも(る)>・ふせ(ぐ):捍格=扞格=ふせぎはばむ。捍禦=扞禦=ふせぐ。捍護=扞護=ふせぎまもる。捍刃=刃物をふせぐ。捍敵=敵をふせぐ。捍塞(カンソク)=ふさぎふせぐ・防止する。
・まも(る):捍患(カンカン)=わざわいをふせぎまもる。捍辺(カンペン)=国境をふせぎまもる。
・その他:捍撥・画(カンパチ・ガ)=琵琶などの楽器の捍撥(カンパチ)=撥(ばち)のあたる皮張り。その表面の濃彩画。捍然(カンゼン)=堅いさま。(捍に「堅い」の意あり)
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