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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その236)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<苴:ショ、サ、つと、あさ、くろ(い)、おぎな(う)、ちり> *漢検2:音による意味分け:「サ」=ちり、あくた 「ショ」=左記意味以外。
・つと:苞苴(ホウショ・つと)
・あさ:苴麻(ショマ)=実のある麻、苴布(ショフ)=麻で織った粗末な布
・くろ(い):苴杖(ショジョウ)=黒いつえ(喪中に用いた黒色の竹のつえ)
・おぎな(う):補苴(ホショ)・・・「罅漏を補苴する」
・ちり:土苴(ドサ)=かす、糟粕(糟魄)、糞艸(フンソウ)・・・「土苴(ドショ)」と訓んでいる辞書もあるが・・・。
<苳:トウ、ふき>
・ふき:“ふき”は邦語。中国では「苳(トウ)」で草の名。
<范:ハン、いがた、かた、のり> *「くさカンムリ」の「范」の熟語はほとんど人名。
・いがた、かた:「笵」に通ず。
・のり:「法」「範」に通ず。
<苻:フ、あまかわ、さや> *「苻(フ)」は草の名で“鬼目草”のことらしい・・・。
・あまかわ:(「あまかわ」は葭の中の薄皮のこと(大漢和))「蘆苻之厚」
・さや:苻甲(フコウ)=種の皮(=さや)(大字源)
・その他:苻嫗(フオウ)=地上に万物が生育すること(「苻」は“芽”、「嫗」は“生”)、苻婁(フル)=樹木の名。木が曲がりくねって瘤の出きるもの。
*「あまかわ」も「さや」も、草の実のから(殻)の意味。
<苹:ヒョウ、ヘイ、うきくさ、よもぎ> *ヒョウ(慣用音)・ヘイ(漢音)
・うきくさ:熟語見当たらず・・・(“「萍」に作る”とある→「萍」での熟語)
・よもぎ:蒿苹=よもぎ、苹藾(ヘイライ)=かぶらなとくさよもぎ(大漢和)
・その他:苹苹(ヘイヘイ)=草の茂り生ずるさま、苹果(ヘイカ)=林檎、苹車(ヘイシャ)=周代の戦車の名
(参考)・詩経に「呦呦(ユウユウ)たる鹿鳴、野の苹(ヒョウ)を食む」とあり、苹=蕭(よもぎ)の類としている。(ただし、爾雅・釈草には“うきくさ”“よもぎ”両義ある由。)なお、「呦呦(ユウユウ)」は鹿の鳴き声のこと。
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