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~球児たちの あしあと~

タテジマ背番号53 の「決断」

2011-03-10 | 読書

       

初めに…
この本は、ぜひ機会があれば球児たちに読んでもらいたい本…そう思います。

阪神タイガース背番号「53」赤星憲広選手…
今は元阪神タイガースと元が付いてしまうことがやはり非常に残念な気持ちです。
そう思う赤星ファンは今でもたくさんいるのではないでしょうか。

2009年9月12日 もうあれから1年半か…月日の流れは早いなぁと思う。
あの日の横浜戦を鮮明に覚えている。
日本シリーズ進出を賭けて単独3位を確立できるかどうか、絶対に負けられない一戦となった横浜戦。

0対0 3回表
横浜の攻撃。放った一打は右中間へ。
背番号53 赤星選手のスーパーダイビングがスローモーションで蘇ります。

…「あ~おしい!」とあの試合を観ていた、たくさんの方がそう思ったことだろうと思います。
私もその一人。
その打球は赤星選手のグラブに収まることなく、それからスコアボードに1番赤星の名前が上がることはなかった。
息子と阪神の試合を観る度「まだケガ治ってないんかな~早く復帰して欲しいなぁ」…とよく話したものです。

先日、朝の番組で赤星さんが出演されていて、赤星さんが野球を始めて「決断」するまでの話しを聞いた時、
野球人 赤星憲広という人に、野球の神様が本当に居るならば、何て残酷な…でも何て素晴らしい野球道を与えたのかと思いました。

この「決断」という本はだいぶん前に購入し、まだ読みかけの本があるから…と知り合いに貸していた本でした。
先日の番組を見て読みたいと思い、手元に戻ってきたこの本を読んで、
絶対戻って来るだろうと思っていた赤星選手が今は野球評論家として活躍されている事に、
本当に残念な気持ちと、「決断」は正しかったという気持ちが交錯します。

前を向いて行こう
前向きに考えないと何も始まらない
赤星さんがよく口にしていた言葉だそうです。

タテジマのユニホームと背番号53にこだわり続けてきた赤星さんの野球人生。
引退勧告を受けて「決断」をするまでの死闘の中で、
「初めて前を向けない時があると知った。もう軽々しく前を向けなんていう言葉は使わない」と…。

でも、絶望の先にあるもの…
その絶望は、必ず次の起点となる。

次のチャンスを切り開くために、僕はこの「決断」を起点にこれからも全力で走る。 願わくば、君も走れ…と記されている。

常に100%の全力で挑んだ野球。
多くの人たちがその全力から感動をもらい、多くの球児たちが全力の大事さを学んだことだろうと思う。
阪神引退からのリスタート 第2の人生をスタートされた赤星さんの全力はまだまだ続くのだろうと思う。


チャンスというものは、「決断」をして何かを起こした人だけに与えられるご褒美のようなもの。
何もせずに失敗するぐらいなら、何かをして失敗したほうがいい。
みんなが自らチャンスを切り開く勇気を持った人であって欲しい…
と、タテジマ背番号53 全力という言葉が誰より似合う赤星選手が残してくれた誰よりも前向きな言葉です。


本書の末著の言葉に「またユニフォームを着てグラウンドで会える日を楽しみにしています」という言葉がある。
もうタテジマ背番号53赤星憲広選手の姿を見る事はないのだろうけど、
ケガからまさかの引退勧告を受け、悩み苦しんだ計り知れない赤星さんの苦悩が、
前向きにリスタートしていても敢えてこの言葉で締め括られたのかなと思いました。
ただひとつの後悔は、あの打球を取れなかった事…と赤星さんは言われていました。
まだもしかしてプレーできるかもしれないという気持ちも湧いてくると。


「決断」
は変わることのない現実なのだろうけど、やはり背番号53の赤星選手がもう見れないことが残念だと改めて思います。

球児たちへ…

健康で野球ができる幸せ…を感じながら本当に大事に今を送って欲しいと思います。
辛い時も辞めたい時もあるだろう…
思うように成果が出ない時も…
挫折しそうな時も…
でも、やりたくても野球ができない人だっているってことをどこか頭の片隅に置いて、
大好きな野球ができる幸せを感じて頑張って欲しいなと思います。