医療崩壊「かわら版」(12)
壮大な大実験の大失敗!
医師不足から病院の統廃合や診療所化、無床化、無医地区化、民間委託による利益優先の経営など、とくに、公立病院の窮状は深刻です。
このような地域医療や救命救急医療崩壊の原因は、いくつか指摘されています。
その中で、最大の原因としてあげられるのは、2004年から始まった医科の新医師研修制度です。
研修先の選択の自由化、それによる都市部への一極集中化や、設備のいい、あるいは医師数の多い民間大病院への流れ。
待遇、生活環境、研修効果、子弟の教育環境など考慮して研修先を選択することになります。
研修を終えた研修医は、開業の道を選ぶか、あるいはフリーになって医師派遣エージェンシーへの登録をするなど、その数、数万人にも達しています。
結局、充実した魅力ある研修ができないと判断した、出身大学に戻る研修医は51%にも激減、派遣元の大学病院の医師不足が起こり、いままで、教授の裁量で中小病院や地方の公的病院へ派遣していた研修医の、大学病院による「貸し剥がし」が、一挙に拡大しました。
理想を追って、現実のシムレーションを描かなかった付けが回ってきたのです。
「壮大なる大実験の、壮大なる大失敗」が、今日の医療崩壊の大きな一因であることは否めません。