725話)厨房

 食堂のとなりは、厨房です。まあ、あたりまえのことですが。いまはまだ、煙でくすんでもいなくて、とてもきれいです。それなのに、ここの女主人は写真なんか撮っちゃだめだといって、止めます。散らかっていて、恥ずかしいというのです。そんなこと、ないよね。

 燃料は石炭です。電動のふいごがついていて、強火にすることができます。中国の炒めものがおいしいのは、燃料が石炭で、強火にすることができるからのよう。中華料理でいちばん大事なのは、火かげんのようですね。

 国民党の傅作義将軍のコックさんの弟子という人が、なにかのイベントのとき、環境林センターにきて料理をつくってくれていました。同じ材料でも、とびっきりおいしかったのです。あるとき、ひとりの日本人が、かまどを占領して自分で料理をつくったんですね。そしたら、そのコックさん、あの男をなんとかしてくれ、と私にいってきました。そのときの料理がおいしくなかったんですね。火かげんが、おかしくなってしまったのです。
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