南水北調のこの部分はオープンな水路で、全体がフェンスで囲まれています。その横に、青地に白文字で「沿線に水を供給する国家の重要プロジェクトであり、国家の財産と人民大衆の生活の安全を守るため、関係のない人間と車両の立ち入りを禁じる」との公告が掲示されています。フェンスの内側に小さなテントが張られ、まだ幼さの残る少年が目を光らせていました。
そう。南水北調は長江水系の水を、水不足が深刻な中国北部に . . . 本文を読む
南水北調は、比較的水の多い長江流域の水を、水不足が深刻な中国北部、とくに北京・天津に送る国の大プロジェクトです。東ルート、中ルート、西ルートの3つが計画され、そのうちの前2者がすでに着工しています。
北京の水不足が深刻なうえに、工事が遅れたため、中ルートの石家荘と北京のあいだの工事が急がれ、水路が完成しました。そして石家荘市に属する崗南ダム、黄壁庄ダムと、保定市に属する王快ダムからの送水が、 . . . 本文を読む
ザンネンだったのは、ガスが濃くて、ダム全体のようすはまるでわからなかったことです。堰堤から突きだしている取水塔のあたりがやっと写真に写る程度で、湖面の広がりなどもまったくわかりません。
石を敷きつめた堰堤の内側に、水平の帯状に草のはえているところがあり、それから下には、草はありません。このすぐ下まで水があった時期がわりと最近にある、ということでしょうね。その線から現在の水面までは、深さにして . . . 本文を読む
ずっと鋪装道路を走ると、「水庫賓館」の看板がでてきました。ダムは近いのでしょう。その看板にしたがって、右の道を選びました。でてきました。重力式の大きなダムです。ガスがかかっていて、堰堤の反対側はかすんでみえませんが、1.2kmちかくあるようです。高さは40~50mといったところでしょうか。
堰堤にあがると、数グループの観光客がきていました。内部にはコンクリートもつかわれているのでしょうけど、 . . . 本文を読む
省道382号線をそれて、王快ダムにむかう途中に、石の彫刻をならべている建物がたくさんあります。その一軒をのぞいてみました。題材はギリシャやローマの人物、天使、女性像など大部分が西洋のもので、一部に仏像などがありました。なかに彩色のものがあり、彫刻後に着色したものと思っていたのですが、よくみると、そういう色の石を組み合わせてあるのです。
経営者の若い男に話をききました。注文に応じて、1体ずつ制 . . . 本文を読む
砂河鎮から神堂堡にむかう途中、国道108号線にそって、河が流れはじめました。私たちの進行方向とおなじ方向に流れます。神堂堡からは、私たちと同じように382号線にそって流れます。
大沙河です。くるまが渋滞で動けなくなったので、おりて写真を撮りました。なんという幸運でしょう! 大沙河をねらったアングルのなかに、万里の長城がはいります。何回かまえに書いた内城ですね。おそらく明代のものでしょう、レン . . . 本文を読む
砂河で昼食をとったあと、国道108号線を東にすすみ、山西省と河北省の省境にある神堂堡をめざしました。神堂堡から、国道108号線を離れ、省道382号線に移って、河北省の阜平に足をのばすのです。
その途中で、えらいことになりました。前方の道路工事のために、大渋滞がはじまったのです。大型トラックは工事の終了する午後8時までは全面ストップ。そのために、私たちの進行車線は大型トラックの車列に占領されて . . . 本文を読む
山道をくだって、平地におりてから、私はちょっと緊張していました。ひとつの河を見落としたくなかったからです。その河は、繁峙県の県城であり、五台山への登り口でもある砂河の手前にあります。目印の手前にあるものは見落としがちです。
小さな河がありました。流れの部分は2mくらいかな? これがそうとは、ちょっと信じられませんでした。河川敷にはゴミが捨てられ、衛生的とはいえません。写真を撮ろうとすると、河 . . . 本文を読む
応県は、県城のあたりは海抜が低いのですが、南部は恒山山脈に属し、山ばかりです。右手の方に、万里の長城がみられました。地図をみてもらうとわかるとおり、山西省の北部で万里の長城は二重になっています。地図では二重ですが、じっさいは何重にもなっています。そして、北側の内蒙古との境界近くにあるものを外城、恒山山脈にあるものを内城と呼んでいます。
峠を越えて山の南側の景色がすごいのです。まさに「耕して天 . . . 本文を読む
応県のシンボルは仏宮寺の釈迦塔で、一般には応県木塔と呼ばれています。高速道路のインターチェンジをおりて、木塔がみえはじめたころに、くるまは桑干河をわたります。でも、よほど注意していないと、そのことに気づきません。橋はありますが、河に流れはなく、河底の全面でトウモロコシその他が栽培されているからです。写真では、トウモロコシ畑の先に、橋がかかっているのをみてもらえると思います。
女流作家 . . . 本文を読む
きのう掲載した写真を撮ったのは、薛家営ダムの放水口のまうえからでした。放水口のうえに、看板がついており、裏面にはこのダム成立の事情が紹介されています。きのうの写真をみてもらえばわかるとおり、足もとまでは水がきていません。放水口から水際まで、かなり離れています。ということは、ダムの水は、放水口をつうじて、外に出ることはないということです。
外側から、放水口のようすを撮ったのが、きょうの写真です . . . 本文を読む
8月15日の夜、大同に着きました。8月8日の立秋をすぎてますから、例年ならストンと気温が下がって涼しいんですけど、日中は30度を超え、暑いのです。でも、朝夕は涼しくて、快適です。わが家では夜も暑く、眠れない日がつづいたんですけど、それとはおおちがい。
17日の朝から、周囲の農山村地帯を回っています。たまたま目に止まったのが朔州市応県の薛家営ダム。このところみたのは、水がなく土に埋まったダムば . . . 本文を読む
北京空港に着いてから、くるまで大同に向かいました。八達嶺高速を抜けるルートで、居庸関、水関、八達嶺とつぎつぎに長城が車窓にでてきます。このあたりの長城も、以前は行ったことがありますが、いまのように整備されてからは、こうやってそばを通るだけ。
それにしても、緑が濃くなりましたねえ。以前は岩場がめだち、緑なんてほとんどなかったのに。ダイナマイトで岩をうがち、土を運んできて、そこに植えた、という話 . . . 本文を読む
8月15日、関西空港から北京空港に飛んだんですけど、いつもの中国国際航空(CA)でした。シートの背もたれのカバーに、中信銀行の広告が載っています。いわく「キーワード:低炭素理財」。低カーボンで財産管理、といったところでしょうか。
なんのことかといいますと、第1に、インターネット上で口座を運用すれば、銀行で紙をつかうことがなく、木も伐られないから、低カーボンですむ。第2に、インターネット上での . . . 本文を読む
きのう、金蓮花(ボタンキンバイ)をお茶にする話を書いたてまえ、きょうはこれを書かざるをえません。黄花菜です。花の形も色も、日本のユウスゲにそっくりです。遠田宏顧問は、エゾキスゲにそっくりだ、といっていますが、大阪の事務所の植物図鑑には、ユウスゲの項の最後に「北海道のものをエゾキスゲという」とありますので、どちらも正解といっていいでしょう。
ただし、大同の黄花菜は、草の勢いがつよく、ツボミの . . . 本文を読む