壺流河は西隣りの大同市広霊県に発していますが、河とはいっても出発点近くは流れがありません。県城の外れに水神堂という池があり、池の底からきれいな水が湧きだしています。その水が流れ出て、壺流河が流れを取り戻します。
蔚県にはいると、壺流河水庫というダムもあります。壺流河は東進し、蔚州古城のすぐ北を流れます。蔚州古城は、この壺流河に堀の役割をもたせたといっていいでしょう。
蔚州古城の城壁の北端に . . . 本文を読む
蔚県の南部は奥深い山地で、太行山、恒山、燕山という3つの大きな山脈が交わっていますが、そこを南北にぬける峡谷が飛狐峪です。幅は広いところで100m、狭いところはわずかに十数メートルで、峡谷の長さは20kmほどあります。
南の農耕地帯と北の遊牧地帯とを結ぶ要路で、漢の武帝の将軍、衛青や霍去病もここを通って匈奴との戦に臨んだそうですし、宋と遼が対峙した時期には楊家将の活躍の舞台となり、いくつかの名 . . . 本文を読む
前回よりはずっと管理されていない市場です。蔚州古城の城壁のすぐ外の堀沿いの道路の両側にでています。
野菜・果物・肉・魚、そして豆腐などの生鮮食料品が中心ですが、お茶や布切れなどもそれに混じっています。前中代表は龍井茶、私は金蓮花茶(乾燥したカンムリキンバイの花)を買いました。
売っているほうの年齢層はさまざまですが、お客の年齢層は高いようです。若い人たちはどうしているか?青年団幹部のヤング . . . 本文を読む
中国ではスマホの利用がさかんなのですね。使いこなせない私がいちばん困るのは、北京でタクシーをつかまえられないこと。空車が止まってくれないとずっと思っていたんですけど、スマホからの予約をうけて、そこに直行する車が多いそう。
商店での支払いや、割り勘のお金のやりとりもスマホですることが多いそうです。それから日本でも話題になり、また日本への進出もきまったシェアバイクの利用もそうです。
蔚県の朝市で . . . 本文を読む
蔚県にある鉄道は石炭輸送用で、客車用のそれはありません。空港もなし。北京や張家口と結ぶのは道路で、路線バスが走っており、北京の六里橋長途汽車站とのあいだは4時間半ほどです。
と書いたのですが、2017年3月、蔚県から私はバスで北京に戻りましたが、6時間もかかりました。折悪しく北京の両会(全国人民代表大会と政治協商会議)の直前で、厳戒体制だったのです。
身分証明(私のばあいは旅券)の提示を6回 . . . 本文を読む
しりとりのように、電気つづきでつづけます。蔚州古城の鼓楼近く、小さな店の前に、小さな自動車が2台ならんでいました。電動で、売り物なんですよ。大きめのほうは日本の軽自動車よりちょっと小さいくらいの4人乗り。昔の360ccの軽くらいかしらん。
値段をみて驚きました。38,800元のところ、2,000元値引きして、36,800元だと表示してあります。レートは1元=16円くらいでしたから、日本円で60 . . . 本文を読む
もう一つの再生可能エネルギーの利用が太陽光発電です。大同でもこれまでたくさんみたのですが、たいていは低地の塩害地に建設されていました。同じように蔚県でもいまのところ塩害地が中心のようです。
塩害地は耕作には適しませんし、地盤がゆるいため工場を建てるのも困難ですが、パネルを並べるのには問題ありません。草が生えないのも好都合です。
この地方は雨の少ない乾燥地で、日照が多いのです。そのうえ高緯度で . . . 本文を読む
最近の蔚県のことを紹介しましょう。あまり日本では報道されないのですが、最近の中国では再生可能エネルギーの導入がさかんで、この県も例外ではありません。
私たちが2017年春に緑化協力にとりくんだのは柏樹郷永寧寨村ですが、村の背後の山の稜線にもたくさんの風力発電の風車が並んでいます。さらにその奥にもたくさんあるのをみました。北京や天津からみると、この一帯は風の吹き出し口で「風口」と呼ばれています。 . . . 本文を読む
「ずっと以前、ここには代国がありました。そのつぎは蔚州です。そしていまは蔚県。国→州→県とだんだん小さくなったのです」と、県の青年団の前書記が冗談めかして話したことがあります。
長い歴史のなかで呼称は幾度も変わっていますが、蔚州と呼ばれた期間は長く、その時期に繁栄したので、ここの人びとの蔚州に寄せる思いは強いのです。
蔚州は「燕雲十六州」の一つで、遼、金、元と長く北方の遊牧民族の支配下にあ . . . 本文を読む
蔚県はとっても長い歴史をもっています。北隣りの陽原県には泥河湾遺跡と呼ばれる旧石器時代の小さな石器や哺乳動物の化石など旧人類の生活のあとが発掘されており、その地層は200万年前に近いそうです。
蔚県の人たちは、先に泥河湾で発掘されたからそちらが有名になったけど、同じ時代の遺跡が蔚県でも発掘されており、面積はこちらのほうが広い、といって悔しがります。
新石器時代になると、多くの磨製石器や土器が . . . 本文を読む
中国山西省大同市での緑化協力は1992年1月からはじめました。近年は大規模な国家プロジェクトが集中し、全体として緑が濃くなり、風景が一変しました。
そこで2016年度から東隣りの河北省張家口市蔚県で新たなプロジェクトに取り組むことにしました。
地図でおわかりのように、大同市広霊県と地続きのところにあり、河北省の西北部の4県は黄土高原に属するという規定もあるので、このブログもそのままのタイトル . . . 本文を読む