大同でみるヒツジは、いつも下を向いてウロウロしています。頭をもたげているところをみたことがない。そういう骨格なんだろうと思っていました。ところが数年まえの春、農家の庭先に生まれたばかりの子ヒツジがいました。ちゃんと頭をあげているんですね。そりゃ、そうでしょう。頭が下がっていたら、乳を飲むことだってできません。
とにかくエサが不足します。とくに春先は。長時間、同じところにとどまっていると、再生不 . . . 本文を読む
大同県あたりの農村を、この季節にくるまで走ると、黄緑色にみえる畑があります。その正体がこの写真。すてきでしょ。レモンイエローのきれいな花で、しかも香りがすばらしい。たいていの日本人がすきになります。といっても、これはわが家の庭で咲いたもので、現地では開花したものはほとんどみられません。なぜかというと、これは野菜扱いで、開くまえのツボミを食用にするからです。
名前は黄花菜、または黄花、金針菜。ナ . . . 本文を読む
ことしの春から、テレビ取材がつづいています。7月15日に実験林場・カササギの森での整地作業を撮影することになりました。現場について、ディレクターの張森さんから、「いっしょに働いている人と交流している場面も撮らせてください」と注文がありました。えっ、急に言われても、きょうは通訳の王萍さんがきてないじゃない。
いっしょに働くなかに李愛がいて、彼とはもう6年のつきあいですから、なんとかなるでしょう。 . . . 本文を読む
「計画10年、反対10年、買収10年、建設10年」~日本で大規模プロジェクトをやるのは至難だという意味です。土地はすべて国有が建前の中国では、やるとなったら、ものすごく速いのです。いまの大同もそのとおり。
そして今度の市長、けっこう評判が高いのです。これまでだれもできなかったことをやっているといって。たとえば街はずいぶんと衛生的になりました。道路の拡張なんかも、乱暴といえば乱暴ですけど、市民の . . . 本文を読む
中国の古代の都市は城壁で囲まれていました。大同も「呂」の字のように、二つの四角な城壁で囲まれていたのです。その一部は現在まで残っています。といっても、土がむき出しになり、だんだんと風化がすすんできていました。
城壁の基本の構造は版築でつくられました。版築というのは両側を板壁で囲い、そのあいだに黄土をつめて水をかけ、固く突き固めるやり方です。土のなかの空気を追い出すと、固くしまって、少々の雨では . . . 本文を読む
この春、大同に滞在したとき、道路に面した建物にペンキで「拆」と書きなぐってありました。「チャイ」と読み、取り壊しの意味です。それから「後退5米」などと書いてあるのもあります。車ならバックも簡単ですけど、建物の後退ってどうやるんでしょう? たいていは本体の建物のまえに建て増しされた部分があり、それを取り壊して解決するよう。
それによって道路を拡幅します。あわせて上下水道の整備、電線・電話線などの . . . 本文を読む
春から夏にかけていちばん大きく変化するのはマツです。マツの幹は(枝も)1年に1節だけ、それも春から初夏にかけて伸びます。カササギの森のふもとの采涼山プロジェクトでは、1999年春から5年をかけて、250haの造林をおこないました。植えているのはモンゴリマツで、それが成長期を迎えています。
地上部が10~15cmの小さな苗を植えたんですけど、最初はなかなか伸びません。まだるっこしいんですね。でも . . . 本文を読む
7月10日の便で北京に着き、空港近くのホテルで一泊。翌朝の飛行機で大同にきました。調査器具など日本から持ち込む荷物がけっこう多いので、最近は大同からくるまで迎えにきてもらうことが多いのですが、オリンピックを前にして、外地のくるまは北京市内にはいれません。しかたないから飛行機ですが、出発がなんと朝の7時10分。
北京空港ではチェックインの締め切りが、出発時刻の45分前。国内線でですよ。5時半にホ . . . 本文を読む
北京オリンピックまで、1か月を切りました。そんな日に、私は北京を通過しました。事務所の会田さんが、「オリンピックのカウントダウンをしている看板をとってきてください」といいました。盗んでこいではないですよ、写真を撮ってこいというのです。次回の9月はオリンピックが終わっているので、最後のチャンスだと、彼女はいいます。
そのディスプレーがどこにあるか、数人の友人にきいたところ、大きいのは国家博物館の . . . 本文を読む