619話)薬草の種子

大同県周士庄鎮にあらたに建設する「緑の地球環境センター」の一角に有用植物見本園を建設する計画です。植物の生活サイクルは1年が単位ですから、たとえば種子の採取の時期を逃すと、作業は1年遅れになります。いや、今年の秋は種がよくついたけど、翌年はまるでだめ、ということだってなくはありません。 で、ことしの秋に、南天門自然植物園のスタッフに、できるだけ多くの種子を集めてくれるようにと頼んだのですね . . . 本文を読む
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618話)展示区の予定地をさがす

南天門自然植物園には、ほんとに植物種が多いのです。かなり以前のことですが、JICAの招聘をうけて日本にきていた山西省林業庁の幹部が、私たちの事務所を訪ねてきたことがあります。霊丘県南山区で自然植物園を建設中ですと私が紹介したら、「さすがですね、あの一帯は植物種が多いことで、関係者には有名です」と話しました。 あそこのスタッフが園内の植物の標本づくりに励んでいますが、すでに400葉はつくった . . . 本文を読む
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617話)入園案内

きのうの看板は、まだ掲示してなく、管理棟のなかにほかの1枚と重ねておいてあったんですけど、べつの1枚はすでに掲示されていました。管理棟の入口付近のレンガ塀に張られています。題して「入園案内」。 趣旨はごくかんたんなことが述べられているだけで、あとは諸注意。「木を伐ったり、傷つけたり、動物をつかまえたりすると、〇〇元の罰金ですよ」といったことのオンパレード。文面のなかでとくに私の目を引 . . . 本文を読む
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616話)大きな看板

南天門自然植物園で森林の再生が急速にすすみつつあるのは、柴刈りや放牧など人為的な破壊を防いできたからです。それを端的にあらわすスローガンが「封山育林」。山を閉ざして、林を育てる、という意味です。 ここは100年間の使用権を確保し、近くの村とも、山を傷つけないことを約束しているんですけど、その実現は簡単ではありません。ちょっと油断したすきに、敷地の中央部に墓をつくられ、人の遺骸を埋めら . . . 本文を読む
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615話)ヤナギハグミ(沙棘)

 南天門自然植物園の池のすぐうえ、ここのいわば心臓部に、ヤナギハグミ(沙棘・サージ)が生え、オレンジ色の実をつけています。この木はなかなかおもしろい木なんですね。根に放線菌が共生するおかげで、チッソを固定することができ、痩せ地でもちゃんと育ちます。  乾燥のきつい黄土丘陵ではせいぜい1m前後の灌木ですが、水条件がよければ6~7mも育ち、小喬木です。適応性がつよいのです。  そして、実は食べるこ . . . 本文を読む
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614話)カササギの死骸

 南天門自然植物園を見回っていると、苗畑のなかにカササギの死骸がありました。なんどもみているはずなのに、川島さんが「なんですか、この鳥は?」。  カササギは、羽の色が、白と黒だと思っていたのに、近くでみるこの鳥は、羽の色が緑にみえるから、わからなかったんだそう。そう。濡れ羽色で、光と角度で、いろんな色合いにみえるんですね。  大同に持ち帰って、剥製にしてもらおうと考えました。これをカササギの森 . . . 本文を読む
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613話)ホエティエンのシラカンバ

 きのうの話題の池の近くに、1本のシラカンバがあります。まだ若い。2005年ごろだったか、新入りの事務局員だった会田さんがきて、「わあ、かわいい!」といいました。彼女の胸くらいの高さだったのです。それいらい、地元のスタッフは「ホエティエン(会田)の白樺」と呼んでいます。  2010年4月にはかったときはちょうど6mでした。ことしも1m以上伸びていますので、7mはゆうに超えました。シラカンバの成長 . . . 本文を読む
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612話)氷のうえの私

 南天門自然植物園の管理棟の少しうえに、直径5~6mほどの小さな池があります。少しうえに2か所の湧き水があり、その水がここに集まってきます。この水に惹かれて、私たちは、ここを敷地として選びました。この地方では、水の有る無しが決定的なのです。  12月12日に、ここを訪れると、全面に氷が張っていました。日中でも0度を上回りませんから、だんだん厚くなっているはず。水が流れこんでくるのは、奥のほうです . . . 本文を読む
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611話)寒いんですよ……

 私たちが大同にきてから、おだやかな日がつづいて助かっています。ついそう書きましたが、夜はかなりひどいときがあります。12月9日の夜から10日朝にかけて、ひどい風が吹きました。泊まっていたホテルの部屋のすぐ下にテニスコートがあり、金網で囲まれています。それが風を切る音がすごかったのです。ピューピュー、ピューピュー。    でも、夜は外にでませんし、日中、野外にでても、長くはいません。凍ってしまうか . . . 本文を読む
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610話)冬の南天門植物園

 12月9日の夜、大同に着きました。大同近辺で2日ほど活動し、12日は霊丘県の南天門自然植物園を訪れました。天候にめぐまれ、わりと暖かかったのですが、それでも最高気温は0度前後。すっかり冬枯れです。    植生が回復してきました。うれしいことです。でも、それがここの悩みのタネでもあります。草の丈が1mを超え、ところによっては人の姿もみえなくなるほど。灌木もしげってきました。それが冬枯れすると、すっ . . . 本文を読む
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