華厳寺をはじめとする大きな寺廟の再建と並行してすすめられているのが、城壁の復原です。もとはレンガ張りであったものが、レンガが持ち去られたために土壁だけになり、風化もすすんでいました。
新しくそこにレンガを張り、城壁のうえには木造の楼閣も建てられます。私のイメージでは、歴史を重ねてきた本物の土壁を、新しいレンガで覆い隠すことで、かえって価値をなくすのではないか、というものでした。
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華厳寺は大同の中心部にあり、私たちがよく泊まった雲崗国際酒店の部屋の窓からみえるところです。遼代の創建で、なんども戦火にみまわれ、修建されてきました。最初に建てたのは契丹族なので、その習慣にあわせて東向きに建っているのが特徴。
2008年7月から修理・復原工事がはじまり、このブログでもしばしば取りあげました。ことし9月初めには、その工事も完成に近づいています。写真の奥中央の大きな堂宇 . . . 本文を読む
すごいな、と中国で思うのは、そのスピードです。たとえば、この高速道路。くるまはまだ走っていませんよ。速いというのはその建設のスピード。
山東省の威海と内蒙古の烏海をむすびます。河北省の淶源県から大同市の霊丘県にきて、県城の少し北をとおり、恒山山脈をトンネルでぬけて、渾源の県城の東にでて、そこから朔州市を通って内蒙古のほうにいきます。去年の夏はまだなにごともなかったのに、短い区間をそれぞれが受 . . . 本文を読む
中国は豊かになった、といわれます。内陸の地方都市・大同をみても、この20年の変わりざまはものすごいものがあります。沿海の都市などにくらべ、山西省は改革開放政策が10年は遅れてスタートしましたので、その変化の時間軸はさらに圧縮されているといっていいかもしれません。都市部の変化をみていると、そう感じます。
ところが農村はそうはいきません。たとえばことし、大旱魃でした。いつもは雨の少ない4~5月に . . . 本文を読む
ここ数回、炭肥の効果について書きました。それを指導したのは私たちの顧問でもある小川眞さんで、以前からのしごとなかまの伊藤武さん、栗栖敏浩さんが、それを支えておられました。
今回は、やらなければならないことがたくさんあったので、専門家たちも2班に分かれて動きました。私は小川さんたちのグループに混じりましたので、どうしてもそちらの話が中心になります。
こちらの班には今回、樹木医、松 . . . 本文を読む
炭肥の効果がもっとも劇的だったのは前回のダイズですが、効果が乏しいか、問題がでたのがアワでした。写真は右から順に、1平米あたり、1)炭肥0.5kg 2)炭肥1.0kg 3)炭肥1.5kg 4)炭1.0kg 5)農家肥0.5kg 6)無処理 です。炭肥というのは、木炭2に農家肥1(重量比)を混合し、2週間ほど発酵させたものです。
アワのばあい、写真ではその差がわかりにくいので、穂の重さ( . . . 本文を読む
トウモロコシ、アワ、ダイズ、3種類の作物で実験してみたんですけど、効果がもっとも劇的だったのはダイズです。これもとりあえず写真をみてください。くりかえしになりますが、右から順に、1平米あたり、1)炭肥0.5kg、2)炭肥1.0kg、3)炭肥1.5kg、4)炭だけ1.0kg、5)農家肥だけ0.5kg、6)なにもなし、です。炭肥というのは、炭2に農家肥1を加えたものです。
小川先生に謝らな . . . 本文を読む
トウモロコシの種を蒔いたのは、4月下旬でした。5月の初めにアワを蒔き、中旬にはダイズを蒔きました。7月に大同に電話をして、「変化がでているようなら、写真を撮って送ってほしい」と話しましたが、「めだったちがいはありません」というのが返事。
この夏は、大同は大旱魃でした。そのうえに猛暑。その連絡をうけて、ちゃんと育っているかどうか、心配だったんですね。8月15日に大同につき、すぐに実験地を . . . 本文を読む
JICAの草の根技術協力事業を請け負い、「環境保全と農村生活向上のための循環型農林業の追求」というプロジェクトを、ことしの3月末からスタートさせました。柱となるのが、前回のチャートで示した木炭の利用です。
現地で農家肥というのは、ヒトや家畜の糞尿と土とをまぜたものです。以前の日本では、液状の人糞尿を肥えたごで運びましたが、乾燥するこの地方では土とまぜ、固体として運ぶのです。
その農家肥と . . . 本文を読む
このブログでも何回か炭焼きについて書いてきました。そのねらうところが、この図です。土にまぜて、作物や樹木の生育をよくしようというわけです。(この課題に長くとりくんでこられた小川眞顧問につくっていただいた図です)
そういうふうにして、木炭を大同でつかったことは以前にもあります。大同県周士庄鎮にシリコン工場があり、精製の最終工程で木炭を還元剤としてつかっていたのです。工場の片隅に炭焼き窯 . . . 本文を読む