号外)春の大和川で自然観察

 自然と親しむ会ご案内 「春の大和川で自然観察」  今回案内してくださる梅原徹さんは植物のことにとっても詳しい方です。中国の「狼毒」という恐ろしい名前の毒草の写真をお見せしたら、「キョウチクトウ科の草本は珍しいですね」という答えが即座に返ってきて、びっくりしたことがあります。  その梅原さんの春のいちおしが、大和川の河川敷です。絶滅危惧種のヒキノカサをはじめ、アマナ、カラシナ、クサボケ、タンポポ . . . 本文を読む
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945話)河北省の嘆き

せっかく王快ダムに行ったんですけど、霧が濃くて、ダムの全体像はつかめませんでした。ダムの内側にも石が敷きつめてあり、なだらかな斜面になっています。水際まで降りてみました。きれいな水だったことは前回に書きました。 飛び飛びの水平線状に多年草の生えているところがありました。そこから下に草はありません。その線まで水があったということでしょう。その線から現在の水面までは高低差にして8mほどあります。初め . . . 本文を読む
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944話)王快ダム

大沙河と王快ダムを見ることになったのも偶然からです。大同から河北省保定市の定州市に行くルートは、ふつうなら淶源経由で国道を行きます。ところが2010年8月、霊丘から淶源に抜ける道が工事中で通れなかったんですね。しかたなく、山西省の応県から河北省の阜平県に抜ける大回りのルートをたどったのです。 こういうトラブルや障害をいやがってはいけないと思うのです。そういうときに新しい発見があります。いつも同じ . . . 本文を読む
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943話)大沙河

大沙河です。大同市の霊丘県南部の山中から流れだします。もちろんほかにもいくつもの源流をもっています。 この写真に万里の長城が写っています。明代のものだそうで、きちんと長方形に成型した花崗岩の土台のうえに築かれ、表面には黄色っぽい焼成レンガが張られていてとてもきれいです。その後、修理はされていないようですし、風化もしていません。この小さな写真ではみてもらうことができないのが残念です。名前に「大」が . . . 本文を読む
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942話)南水北調の水路

前回の話を読まれても、なんのために書いたのか、わからなかったと思います。じつは大同市の南部も、北京の水源になったのです。 2010年夏のことです。大同を出発し、私たちは車で河北省保定市定州市をめざしました。市が2つ重なっているのは書きまちがいではありません。前が「市級の市」であるのにたいし、後は「県級の市」と呼ばれるものです。定州市には広大な苗木産地があり、私たちはそこに行きたかったのです。 . . . 本文を読む
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941話)滹沱河と崗南ダム

水問題について書いてきて、南水北調まできたので、終わりにしようと思っていたのですが、まだちょっと書き残したことがあります。 写真は忻州市繁峙県で撮った滹沱河(こだが)で、大同市の渾源県、霊丘県との境界付近の山地から流れだします。中国では河がよくごみ捨て場になるんですが、ここもそうです。しばらくは東から西へ流れたあと南下して五台山の西を流れ、東へと進路を大きく変えて河北省に流れ出ます。そして、崗南 . . . 本文を読む
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940話)南の水を北に運ぶ

水資源は中国の南部に集中し、人口、経済、耕地などは圧倒的に北部が大きいとなると、どうするか? 中国が計画した切り札が、南の水を北に運ぶ、というものです。長江水系の水を黄河を越して北へ運ぼうというものです。南水北調と呼ばれます。 3ルートが計画されました。長江と黄河は河口は離れていますけど、源流付近は近いのです。支流同士をつないで、長江の水を黄河に流そうというのが西ルートで、高山の永久凍土地帯を通 . . . 本文を読む
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939話)厳重欠水の水系に北京が

中国の1人あたり水資源量は2220m3で(1997年)、世界153の国と地域のなかで121位でした。そして長江水系以南の南部がその80%以上を占め、それより北は20%未満であることを、前回みました。 このグラフは主要河川の流域別に1人あたり水資源量をみたものです。ものすごく大きな格差があることをわかっていただけると思います。半ばから上が北部、下が南部ですね。中国では平均というものに意味がないこと . . . 本文を読む
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938話)南北の水資源のアンバランス

地球儀か世界地図があれば、グルッと回してもらいたいところです。とりあえず北半球でいきますけど、低緯度のところは一般的には降水量が多いのです。そして、高緯度のところは気温が低く、蒸発量が少ないこともあって、水に困ることは少ないようです。 水不足が問題になるのは、たいてい中緯度のところで、大阪、東京あたりと同緯度の北緯35度付近は世界的にどこも砂漠もしくは砂漠化地域なんですね。じゃあ、ヨーロッパで北 . . . 本文を読む
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937話)下がる地下水位

北京市水利局の代表によると、2000年の北京の地下水利用は27億m3に及び、全体の67%を占めていました。水だって資源ですから、当然限りがあり、供給量を上回って地下水を使用すれば、減っていきます。 そのようすを示したのが地下水位を推定したこの図です。北京市の中心部を東西に横切る長安街のあたりの断面図ですね。天安門のすぐ南あたりを考えていただけるといいです。1981年は1959年に比べ、地下水位が . . . 本文を読む
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936話)北京の水はどこから?

2004年4月に北京で開催された日中民間水論壇で北京水利局の代表の発表から私はたくさんのことを学びました。そして、その発表のパワーポイントのデータをもらって帰ったのです。 北京で使われている水の来源はどうなっているでしょう? このデータは2000年のものです。圧倒的に地下水ですね。単位は億m3です。 官庁ダムのことを、私は2つしかない北京の水ガメの1つ、したがって大同は北京の水源だ、というよう . . . 本文を読む
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935話)北京の水

2004年に北京で開催された日中民間水論壇での私の発言の題は「後ろ姿の北京は砂上の楼閣?」だったんですけど、もっと過激な表現も北京にはあったのです。具体的な名称をあげると、「な~んだ」ということになりますので、ビルの名称は隠します。屋上にこのような大きな看板がありました。 「水…明日もまだあるだろうか」とあるのです。 そして、そのときの北京市水利局の幹部の報告は驚くべきものでした。そのさいに使 . . . 本文を読む
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934話)ダムの水が急速に減った

水際近くまで車で行ってみました。以前は漁に使っていたのでしょう、小さな漁船が放置されていました。そして死んでしまった貝の殻がたくさん転がり、腐った水草が堆積してズブズブになっています。なぜそんなところまで行ったのか、1台のトラックが車輪をとられて、立ち往生していました。このようすをみると、水の減少は急だったようです。ゆっくり進んでいれば、貝も死ぬことはなかったでしょう。 この年の4月末、北京で日 . . . 本文を読む
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933話)水が減った官庁ダム

北京-大同を以前は夜行列車でいくか、車で8時間以上かけるかしかなかったんですけど、今世紀にはいって高速道路が完成し、飛行機も毎日飛ぶようになりました。便利になったんですけど、よくないことも起こります。 この写真は官庁ダムで、2004年3月のものです。それ以来、官庁ダムの横を高速道路で通りすぎることはあっても、なかにはいることはなかったのです。ですので、古い写真。実際の水際はここから1kmほど先に . . . 本文を読む
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932話)太陽はトウモロコシ畑を照らす

前回と同じ場所の写真で、2010年のものです。単純にそうはいえないとは思いますが、6年前に比べても、水は減っていますね。 2003年のことだったと思いますが、当時の日本大使館の公使からメールがありました。中国の記者たちに「大同は北京の水源としても重要なところです」と紹介したところ、「そんなことはありません」と反論があったのだそう。どう説明したらいいでしょうか、ということだったので、もし私だったら . . . 本文を読む
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