あわてて逃げたんですけど、難なくセーフ。このラクダ、つないでないのに、ゆっくりとしか歩かないんですね。逃げ出すようすもない。
その理由がわかりました。ウマやウシのように、馬銜や鼻輪で縛らないかわりに、前脚2本と後足1本が縄で結んであるんですね。そのために、このラクダは、小股でしか歩けないのです。
フタコブラクダなんですけど、新疆でみたものよりは、ずっと小型。でも、こんなところでなんのため . . . 本文を読む
先週の土曜日、気晴らしをかねて、内蒙古の豊鎮と集寧まで足を延ばしてきました。8年まえにいったことがあり、その後の変化もみてみたかったのです。とにかくどこでも、道路の建築の熱狂ですね。片側4車線プラス側道、その車線が北京なんかより、ずっと広い。それがまっすぐに、どこまでも。
その帰り道、座席でうとうとしていたら、同行の誰かが、「ラクダだ!」といいました。すぐにくるまを停めて、カメラをもって飛び . . . 本文を読む
1993年の秋、私がひとりで懐仁県に滞在していたときのことです。県政府の招待所で食事をするとき、どうしても手をだせないものがありました。それをみて私の案内をしてくれていた県の青年団書記の田東がなぐさめてくれます。「ムリすることはないよ。地元の人のなかにも食べられない人がいるんだから」。それが羊雑(ヤンザー)、ヒツジのモツです。臭いにどうしてもたえられなかった。
それがいまでは、自分で注 . . . 本文を読む
このレポートの465回でカササギのことを書き、最近、ずいぶんふえているといいました。そのことをまさに実感する機会があったのです。大同市と内蒙古自治区の境界付近のことです。1本のポプラの木にカササギがまとまって止まっていました。20羽以上もいるでしょう。
カササギも群でくらすのは秋から冬にかけてだと思います。まもなく巣作りの時期で、そうなるとペアでの生活になります。それにしても、これほど大きな . . . 本文を読む
3月25日、魏生学副所長が用事でいく車に便乗して、陽高県と大同県にいってきました。この日も寒くてブルブル。陽高の県城に雲林寺があります。以前にもいったことがありますが、そのときは整備中とかで内部をみることはできませんでした。いま大同では、どこでも文化財の整理がすすんでいますから、変化があるかもしれません。
みる価値があるのは大雄宝殿です。比較的新しい石碑がそのまえに立っており、「全国重点保護 . . . 本文を読む
きのうのお昼を食べた大同料理の店に、ごらんのようなペナントがたくさん貼ってありました。書けそうにも、読めそうにもない漢字が書いてあります。うえのほうにあるのは私もわかりますよ。吉祥如意。いいことが意のままになる、ということでしょうね。
同行の人たちは、よく知っているようです。私に「はじめてみるのか?」とバカにした顔。いや、以前にもみて、そのときもきいたのに、私が忘れているから、バカにしたのか . . . 本文を読む
ホテルの前の道路に、たくさんの出店がでています。車道はくるまで危ないので、たいていは歩道です。ちょっと歩きにくいのは事実ですが、それ以上の楽しみをもたらします。こういうことは日本では縁日しかなくなってしまいました。
それぞれにくふうをこらしていますが、そのなかの1つがこれ。カバン屋さんですけど、おそらく乗ってきたくるまでしょう。ボンネットや屋根に布を敷き、売り物のカバンをずらりとならべていま . . . 本文を読む
おいしいものを静かに食べるのは、中国ではなりたたないでしょう。人気の店には客が集中し、みんな大声で話します。やかましくてきこえないから、いっそう大声で話す。その逆に、おいしくない店はいつも閑古鳥、やがては淘汰されるでしょう。
その厨房は客席以上ににぎやかですね。たくさんのコックさんがそれぞれの作業にとりくんでいますが、つねに大声のやりとりが飛び交っています。ウエイトレスが注文をもちこみ、でき . . . 本文を読む
カササギ(喜鵲)はカラスのなかまの鳥ですが、羽の色が黒と白とにくっきりとわかれ、なかなかきれいな鳥です。黒と書きましたが、じっさいは光線のぐあいでブルーや緑がまじります。いうところの濡れ羽色。
中国の農村で鳥が人を恐れるのは、日本のそれの比ではありません。水鳥なんかでも人を寄せつけません。ところがこのカササギは、人を恐れません。人家や道路のそばのポプラに大きな巣をつくります。人は人で、 . . . 本文を読む
19日夜から20日にかけて強風が吹き、沙塵暴(砂嵐)が発生したことを、私は自分の体験で書きました。ところが、この強風は、あちこちで大きな被害を生み出すほど、ひどいものだったようです。たとえば3月21日の山西晩報は1面、2面のトップ記事で、おおむねつぎのように報道しています。
「わが省の81の県(市)で瞬間風速7級~12級の強風が発生し、多くの地方で沙塵暴がみられ、冷気の活動が活発になり、多く . . . 本文を読む
19日夜から20日にかけて、大同は風が強かったのです。私はホテルの8階に泊まっていますが、夜中じゅうピューピュー、ピューピューと風がうなって、よく眠れませんでした。音だけでなく、気圧その他の異常も関係しているのかもしれません。
昼前に大同県の白登苗圃にいきました。気温をはかると、零下10度でした。同行者のいうとおり、6級の風だと、秒速12メートル前後、それだと体感温度は零下30度にもなるでし . . . 本文を読む
大同はずっと以前、 光り輝いた歴史をもっています。北魏の時代には4世紀末からほぼ1世紀のあいだ首都でしたし、その後の遼代、金代には副都でした。上下の華厳寺、善化寺など市内に点在する寺廟は主に遼代に創建されたものです。
歴史的な文物を展示する大同博物館が昨年末からオープンしました。定宿から歩いて通える距離ですので、きのうの午前、ちょっとの時間をつかって、覗いてきました。りっぱな参観券があるんで . . . 本文を読む
昨朝9時30分に関西空港を発ち、正午前に北京空港に着きました。北京時間は1時間の時差があり、日本の時間では午後1時です。機内アナウンスだと気温は0度ということでしたが、そんなに寒くは感じません。大同事務所の郭宝青が迎えにきてくれていました。やっかいごとが待っているので、急いで大同にいく必要があるというのです。
小郭は「大雪が降った」といいます。そして、10㎝ほどのジェスチャー。秋から春にかけ . . . 本文を読む
あしたの早朝、関西空港を発ち、夕方には大同に着きます。今回は、たくさんのやっかいな問題が待ち構えているようで、ちょっと憂鬱です。大同の友人たちは「ガオジェン(高見)は困難に挑戦するのがすきで、問題がおこったとたんに元気になる」などというのですが、それは誤解です。
雑草にまじって、庭のすみにオキナグサが植わっています。だいたい同じ時期に中国にいくのですけど、いつもの年は花の色を楽しむことがで . . . 本文を読む
この地方の大部分の山の将来の主人公となる樹木は落葉広葉樹。なかでも有望なのはナラのようです。霊丘県その他の自然林の観察で、そのことがわかりました。で、私なんかがナラが有望だといいまわると、林業関係者のなかでも「そんなものは役にたたない」という人がいたんですね。
私たちの技術顧問だった侯喜さん(故人)は、カササギの森の開設直後に、「ナラを植えてみたい」といいました。自分たちが大同で最初に植え . . . 本文を読む