1191話)ヒツジ・ヤギの放牧

前々回の記事にFacebook上で藤原國雄さんがコメントを書いてくれましたので、それに刺激されて、放牧について書きましょう。

南天門自然植物園が1999年にスタートしたとき、敷地内に樹木はほとんどありませんし、草もまばらでした。そしてそこにある植物の大部分がトゲのあるものか、毒のあるものだったのです。ヤギやヒツジの放牧のせいですね。

ヒツジはあまり急な斜面にはいけませんが、ヤギはどんな急傾斜地でも登っていきますし、立ち木に前足をかけて立ち上がり、高いところの葉をかじっていることもあります。

李向東さんは「百人が植えた木を一頭のヤギが台無しにする」といって嘆いていました。

放牧によってえられる収入はそう大きくはないのです。放牧専業の人が多いときは百頭以上の群れを連れてますけど、あれは村中のヤギやヒツジを集めているからであって、私たちの調査では農家一戸あたり1.7頭でしかありません。だいぶ以前のことですが、1頭が平均200元ほどでした。

でも、貧しい村ほど、放牧収入のもつ意味が大きくなります。政府は禁止しているんですけど、なかなかそれが徹底しないのは、貧困の問題があったからです。

自然植物園のプロジェクトがスタートして、放牧がなくなると、植物の種類がふえ、背丈も高くなりました。作業道を整備するまでは、山に登るのに支障になったので、立花先生と「ヤギを教育して人が歩くところだけ食べさせることはできませんかね?」などと冗談をいっていました。

この放牧、最近はずっと少なくなっており、山々に緑がふえてきたのは、その結果でもあります。
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