659話)井戸を掘る

 苗畑をはじめ、なにかの施設をつくるときに欠かせないのが井戸です。そして、もっとも緊張する作業が井戸掘り。水脈をはずしたら、いくら掘っても水がでませんし、作業の途中でなにかのトラブルにみまわれることもしばしば。

 地元で採用されている掘り方は2つあります。1つは日本でも打ち抜き井戸といわれるやり方で、太さ25㎝、長さ2mほどの先端が尖った鋼鉄のモリを、ワイヤーでつり上げては落して、ドスンドスンと掘りすすみます。穴には絶えず水を注いで、ドロドロにするわけですね。ときどき太さ30cm、長さ2mほどの細長い鉄製のバケツのようなものをいれて、そのドロドロの泥をすくいだします。それをくりかえすわけですね。いまではエンジンかモーターによる動力式です。
 
 もうひとつはボーリングで、先端に特殊合金をつけた錐を回転させながら刺しこむ。こちらのやり方だったら岩盤があってもとおすことができ、確実なんですけど、そのぶん値段が高い。

 環境センターでは、前者のやり方をとりました。そしたら60mほど掘ったところで、機械が故障したんですね。もたもたしているあいだに、穴の底のほうの土壁が崩れ落ちてしまった。こういうことまであるから、井戸掘りはこわいんですね。

 その後、より大型の機械がやってきました。1日で30mは掘れるといいます。といってもそれは浅いうちで、深くなるとスピードは落ちるんですけど。60mなら2日で掘れるから、新しく掘りなおすほうが速いといって、少し離れた別の場所で掘りはじめました。136mほど掘って、水脈にたっしました。1時間40トンの水量があるといいますので、安心です。
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