1166話)杏花

 蔚県の5つの花のうち、本来なら最初に紹介すべきなのが杏花です。蔚県の農村でアンズはたくさん栽培されていますが、多いのは種のなかの杏仁を目的とする杏扁です。固い核を割ると平べったい杏仁がでてきますが、あれをナッツとして、またはジュースに加工して食用にします。薬材としては用途がたくさんあるようで、杏林は日本でも病院や製薬のシンボルです。また杏仁を搾ったアプリコットオイルは良質の保湿剤として化粧品に欠かせません。
杏扁はもともと蔚県の地元で開発された品種だそう。大同で仁用杏と呼んでいたのと同じものですので、私も四半世紀以上、小学校付属果樹園でつきあってきました。
さて、花ですが、蔚県ではまだ大面積のアンズの開花にであったことがありません。
かわりに大同の渾源県呉城村のアンズの花をみていただきましょう。この村では1994年から緑化の協力にとりくみ、アンズ栽培も応援してきました。私たちの協力はわずかなものですが、村の人は350ha、25万本ものアンズを植えました。
2014年4月、前中代表といっしょに訪れました。春の時期は1~1.5か月、大同に滞在しましたが、満開にであうことはめったにありませんが、このときはみごとでした。360度、どこをみてもアンズの花です。前中代表は「一目千本なんてめじゃないねえ」と感嘆しました。なにせ25万本ですからね。
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