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鎌倉市政が問われる「機構改革」

2020-12-20 13:01:04 | 日記
鎌倉市政が問われる「機構改革」案に反対しました

12月定例会が18日に閉会した。
議案のうち議案79号「鎌倉市の事務分掌条例の一部を改正する条例制定」について
反対討論を行った。
事務分掌条例の改正とは、市職員が職務を遂行するにあたっての組織上の分担(機構)を
変更するというものです。
改正理由を市は次のように述べている。
・限られた職員数、限られた財源の中で、組織の合理化・生産性の向上
・喫緊の課題に対応するため、関連部局間の連携強化
・職務の範囲・責任の所在を分かりやすくし、管理職のマネージメント強化
・人件費等コスト削減 意思決定の迅速化

今回の改定で、部の数を3部、課の数を5課、減らすことでコスト削減にはなる。
これまでの組織では問題点もあり、今回の改定で改善される点もある。

しかし一方で、無理な統合・分割が図られたと言わざるを得ない部分もある。
具体例の一つに、
共生条例が制定されことを根拠とし、「共生社会の実現を目指すことは全庁的な取り組みなのだから、
これまでの『共創計画部』の名称を〚共生共創部」とし、「地域共生課」を「健康福祉部」から、
配置換えするというものだ。

そもそも、部や課が分かれていても、常に全庁的な視点で連携が図られ、職務が遂行されるべきであり、
また、あらゆる条例についても、その視点をもって職務が遂行されるべきではなかったか。

この配置換えにより、「文化人権課」が分割され、これまで人権・男女共同参画担当が行ってきた
「人権啓発・人権相談・男女共同参画・女性相談・平和推進・国際交流・都市交流」のうち
「平和推進・国際交流・都市交流」を文化課として残し、その他の「人権啓発・男女共同参画等を」
担当として、「地域共生課」に入れ込みことになった。

説明では、「人権推進・男女共同参画」担当は、人権相談・女性相談を受けているのだから、
同じように「市民相談」を受ける地域共生課に入れる。
相談を受けていない「平和推進」等は文化課に残すという。全く理由になっていない。

本来、「平和・人権・男女共同参画」は一体的に行われるべきものであり、
その業務が分割されることは、考えられない。

今回の改定で、鎌倉市の課の名称の中から、とうとう「人権」という文言が消えることになる。

隣の藤沢市では、「人権・男女共同・平和課」がある。人権・男女共同参画・平和の推進が、
藤沢市民にとって、大事な市の職務として位置づけられている、ということではないだろうか。

今回、機構改革と時期を同じくして、「平和推進実行委員会」の市民公募を来年度行わないと、
11月に担当から委員の方々に伝えられたと聞いた。

「平和推進実行委員会」の市民公募による取り組みは、1995年、市民実行委員により、
戦後50周年記念事業が行われたよく年、1996年からスタートしたものだ。
このような市と市民とで作り上げてきた歴史を、止めるようなことがあってよいのだろうか。

いみじくも、つながる鎌倉条例の前文にはこのように謳われている。

「鎌倉市は、このまちを愛し、自分たちのまちのために行動する人々によって守られ、支えられ、
つくられてきたまちである。先人たちがつくりあげた、こうした市民風土は、市民の誇りとして、
様々な市民活動に、今も受け継がれており、鎌倉のまちの発展のために 
これからも次世代を担う子どもたちにつなげていく必要がある。
市、市民等、市民活動を行うもの及び中間支援組織が、お互いにつながりを大切にし、
それぞれの特性を生かしながら行動し、鎌倉のまちが魅力と活力にあふれ、さらに輝くまちにして
いくために、この条例を制定する。」

つながりの大切さを高らかに述べながら、市民との協働によるつながりを切ろうとしている市には、
大いに反省していただきたい。

この度の「平和推進実行委員会」の市民委員公募の取りやめは、まさに、条例の趣旨と真逆な対応と言える。
このことは、今回提案されている議案79号の「機構改革」の提案内容の問題点が、露呈した事例と言えるのではないか。
平和都市宣言を全国に先駆けて行った、平和を希求する鎌倉市としての姿勢が問われる内容を含む、
本議案には反対することとした。

採決の結果では、多数挙手により可決した。

この本会議に先立ち、12月11日の総務常任委員会の審査において、私は番外質問を行った。
この経緯を、東京新聞が12月18日朝刊の記事にしている。