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矛盾

2014-12-23 02:22:07 | 日記
「陳情30号採択」・「陳情50号継続審査」の矛盾

 鎌倉市議会12月定例会に、陳情が28本が提出されました。
提出された陳情は、議会運営委員会において、取扱い協議がなされ、資料配布に留めるのか、委員会審査をするか決められます。 
今定例会においては、15本の陳情が委員会に付託され、審査されることになりました。
その中に、相反する内容の陳情があり、建設常任委員会で審査されました。相反する陳情とは、

「陳情30号 北鎌倉駅裏トンネル安全対策の早期実現を求める陳情」と、
「陳情50号 緑の洞門(北鎌倉駅沿いの岩塊・トンネル)の保存を求める陳情」

北鎌倉駅円覚寺側の改札を出て、大船駅方面に歩くとすぐに見えてくるのが、陳情のトンネル。
約85年前に素掘りされたもので、見るからに通りぬける時に少々不安を覚えるトンネルです。
30年前鎌倉市に転居してきたばかりの私は、素掘りのままであることを不思議に感じたものでした。さて、

陳情30号は、
①トンネルの劣化が激しいので、安全対策を早期にしてほしい。
②緊急車両が入れないため、過去火災で人が亡くなっている。よって安全対策は、緊急車両が通れるようにする。(トンネルを開削して安全対策を)
陳情50号は、
①トンネルの安全対策は、景観の保全と両立させてほしい。(トンネルの保存を前提に安全対策を)
②トンネル保存の理由は、かまくら景観百選・関東駅百選に選ばれている。円覚寺の結界をなす史跡・珍しい地層がみられる・地元住民だけでなく観光客も愛でる景色である。後世に残すべきである。
と言うものである。
 要するに、二つの陳情は、安全対策の必要性については双方同じであるが、その工法が異なるだけである。
では、トンネルを開削する理由として挙げられている「緊急車両が入れなかったため火災により人が亡くなった」とする理由づけだが、12月18日、消防に確認したところ、「平成20年に起きた火災による事故は、トンネルは障害になっていない。トンネルのどちら側で火災が起きても消火活動に問題ない」とのことでした。
次に、トンネルを後世に残すべきものであるかどうかの問題だが、文化財専門委員会での委員の意見は、
高橋委員…死守しなければならない史跡ではない。
河合委員…安全性に留意しながら景観を残す。住民にとっては大切な記憶。歴史の定説を聞きながら、どういう形で残すかが大事。
松島会長…重要な地層であり、生で鎌倉ガーネットがみられる露頭。
河野委員…市全体として、歴史的風致を検討してもらいたい。
     トンネル開削に反対があっても押し通せばよいというものではない。長い目で見て鎌倉に何を残すか、市全体で考えてはどうか。

建設常任委員会での議論では、陳情50号が継続審査になった。その理由は、トンネル保存による安全対策工事の可能性を残しているからではないか。
担当部局も、「もう一度住民と丁寧な話し合いをしていく」と答弁している。
だとすれば,
建設常任委員会での審査では、陳情30号についても継続にすべきであった。つじつまが合わない。矛盾している。
委員会では、結論を出すことになり、陳情30号は可決し、本会議にかけられることになった。
本会議では、退席5人。賛成16人。反対5人。
トンネルを壊して安全対策をする陳情30号が可決した。
おかしな話です。
  

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