たまてばこ新聞

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CS録画鑑賞「アリスと蔵六」。

2017年08月02日 19時30分07秒 | TVアニメ鑑賞記録
 可愛らしいキャラクターに似合わない、かなりハードな物語に惹かれアニメ終了後のストーリーを原作コミックスで読んでしまいました。

 単に、超能力美少女ヒロインの相手を少年でなくおじいちゃんに変えただけ、と言われればそれまでですが(汗)。蔵六の真っ直ぐな生き様がカッコ良過ぎて、紗名でなくとも惹きつけられます。大塚明夫さんの演技がまた上手い。怒る時も理屈がちゃんと通っていますからね。

 そして、この作品の中心にある謎の空間ワンダーランド。まだその真実は原作でも明らかになっていません。人間に次々超能力を与えるのはなぜか?警察側の人間として登場した一条は物語が始まる前から能力者だったようですし…アニメでそこまで描かれなかったのが残念です。

 ワンダーランドから生み出された紗名は形は人間でも、「なにものでもない存在」でした。蔵六と出会い、少しずつ人間の女の子紗名として形作られていく過程はとても丁寧に描写されていて、第1部のクライマックスはちょっぴりウルっとしました。

 6話からの第2部は羽鳥と歩がメイン、紗名達は影が薄くなった感がありアニメ初見では物足りなさが先に立ち、今ひとつ楽しめませんでした。ただ、原作第3部を読んで見方が変わり、このエピソードも重要だと知りました。アリスの夢に目覚める人間の特徴がわかり、かつ羽鳥&歩が今後ストーリー上でも大事な存在になるとわかるからです。

 最終回、大人に成長した紗名らしき女性が蔵六だと思われる誰かに向かって話しかけるシーンは切なくも、「なにものでもなかった」彼女が「人間」になれたことを示唆するもので、安堵と喜びを感じました。オリジナルのエンディングだったかもしれませんが、原作のテーマを充分尊重していると思います。

 ワンダーランドの摩訶不思議な世界を立体的に見せてくれた背景美術、映像の後から作られた音楽、丁寧に大切に作られたとわかります。いつかまたアニメの続きが観られたら嬉しいですね。
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