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ルノワール展(国立新美術館)

2016-05-20 | アート&クラフト

初来日で話題の「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」を見たくて、国立新美術館で開催中の「ルノワール展」へ。

◆木曜日16時過ぎに入館。意外に空いていました。

 

油彩画を中心にデッサンや水彩、彫刻、映像など100点以上の作品が展示され、じっくり見ることができます。

それらの中から気に入ったものや印象に残ったものをいくつか。

 

まず入場するといきなりあの名作が。

◆「陽光の中の裸婦(エチュード、トルソ、光の効果)」

印象派展で賛否両論になったというこの作品、ぜひ一度見てみたいと思っていたのですが、光の表現や肌の質感、表情など実に見事。横に並べられた数年前の「猫と少年」という絵との作風の違いが際立ちます。

 ◆「猫と少年」 背景の黒とかちょっとマネ風。

ルノワールといえば人物画。今回も多くの肖像画が展示されていましたがやはり上手い!特に女性の肖像画は美しく品があって知的な顔立ち。好きです。

 ◆「ポール・ベラール夫人の肖像」 気に入りました。

 

また、数は少ないながら風景画。あのモネの「ひなげし」にそっくりの作品がありましたが、明るい光が感じられなかなかいいと思いました。

◆「草原の坂道」 モネによく似ています。

 ◆こちらはモネの「アルジャントゥイユのひなげし」

 

そして人々の楽し気な生活の様子を描いた作品。

◆「ぶらんこ」 左下の小さな女の子がかわいい。

人物ひとりひとりの優しい表情や仕草、柔らかい光。こういう絵を見ているとなんだかゆったりとした気分になってきます。

 

で、いよいよ「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」!

◆「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」 う~ん、傑作ですね。

これはもう素晴らしいとしかいいようがないです。。。人々の話し声や音楽、酒の匂い、風、そんな空気が伝わってきて、まるでその場にいるよう。。。思わずビアガーデンに行って飲みたくなってしまいます(笑)。10分くらいぼーっとしながら見ておりました。大満足です。

モチーフとなったモンマルトルのダンスホールの写真や映像、マネのモデルでも有名なベルト・モリゾ、ゴッホなど様々な画家の関連した作品もあり、わかりやすくていい展示でした。

◆「舞踏会の装いをした若い女性」(ベルト・モリゾ作)

 

このコーナーの最後にあった「田舎のダンス」と「都会のダンス」あたりからぐっと画風が変わってきます。自分が好きなルノワールはこの辺まで(1980頃)なのですが、あいかわらず人物(女性)の描き方はさすが。

◆「田舎のダンス」 この目線。上手いな~。

 

このほか、デッサンや水彩画などの小品、静物画、子供や家族の肖像画、ルノワールが使っていたパレットや筆、そして晩年の裸婦(「浴女たち」ほか)など見どころが多く、ルノワールのいろいろな側面をうかがい知ることができます。

5月の今のさわやかな季節にぴったりのこの展覧会、ぜひ行ってみてください!

◆美術館の庭ともぴったりいい感じ。

(2016.05.19)