Con Brio 楽譜と趣味の道具箱 

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原太一展(森の美術館)

2025-01-17 | アート&クラフト
以前銀座の日動画廊の個展で観た原太一さんから案内状をいただいたので行ってきました。

「森の美術館」は流山市の個人美術館で中学校の目の前に小さな建物が。

展示は館内の1フロア。


擬人化されたウサギの「ギアス」氏と相棒の犬「ジョン」が世界中の街や名画の中を旅するというシリーズが面白い。

「未明の出発」のギアス氏 静謐な空気感がとてもよい

ブリューゲルの「バベルの塔」に入り込んだギアス氏

画面右下にいます

コローの「モントフォンテーヌの想い出」では


こんなところに

フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」を覗き見るギアス氏

「デルフトの眺望」を楽しむギアス氏

よく見ると...

これはホッパーの「ナイトホークス」か?


ドラクロアの「メデューズ号の筏」にゴヤのマハさんが 笑

バベルの塔の模型

スケッチや下絵も

もとになった画家や作品を知っていると「そう来たか!」とより楽しめますが予備知識なしでも十分楽しい展覧会です。


鑑賞後は美味しいコーヒーとお菓子がついて喫茶室でゆっくりできます。
入館料込みで600円!

前後期で展示替えがあるそうなのでもう一度行ってみたいです。

(2025.01.16)

久しぶりのホキ美術館

2024-08-13 | アート&クラフト
久しぶりにホキ美術館で写実絵画の極みを見たくなり12年ぶりに訪問。


住宅地のど真ん中にユニークな外観のホキ美術館

明るくシンプルな回廊型のギャラリーはとても見やすく、かなり接近して細部を確認することもできます。

前回(2012年)も見た名作の数々に加えて新作も多く展示されていましたが、作品の幅が広がったように感じました。また「作家の視線 過去と現在そして」という企画展では同じ作家の裸婦像や静物画が旧作から新作まで3~4枚展示されていてその変化が興味深い。

どの作品も驚くほどの細密描写ですが、特に三重野慶さんの作品に強く惹かれました。

三重野慶「ひかりのはなし」

三重野慶「信じてる」

相当近くで見ても写真にしか見えない、いや実際にそこに存在している人としか思えない。写真には出せない存在感というか空気感そして何か物語があるのです。素晴らしい。

巡回展に出品中のものもありますが各作家の新旧100作以上の作品を見ることができます。ぜひ美術館で実物をご覧になってください。一見の価値があります!
(2024.08.12)

TRIO パリ・東京・大阪モダンアート・コレクション展

2024-05-24 | アート&クラフト


パリ市立近代美術館(MAM)東京国立近代美術館(MOMAT)大阪中之島美術館(NAKKA)の3つの美術館の作品から共通点のある3点を選び「トリオ」として展示構成するという展覧会で今までありそうでなかった内容です。

テーマやモチーフ、色、形など様々な観点で選ばれた3つの作品が展示されており良い企画だと思いました。

例えば「モデルたちのパワー」と題されたこのトリオ

マティス「椅子にもたれるオダリスク」(MAM)

モディリアーニ「髪をほどいた横たわる裸婦」(NAKKA)


萬鉄五郎「裸体美人」(MOMAT)

こうやって3つを並べて見ることはまずないので、それぞれの作家の個性やタッチ、色彩、構図などの違いが比較できて興味深かったです。

また(趣旨から外れるかもしれませんが)単独で見ても良い作品が多く楽しめました。

マグリット「レディ・メイドの花束」(NAKKA)

デュフィ「電気の精」(MAM)

その部分(ニュートンがいます)


奈良美智さんの作品や
モビールなどの立体作品も

佐伯祐三の「郵便配達夫」と安井曽太郎の「金蓉」を一緒に見ることができるというのもなかなか贅沢な気分でした。

佐伯祐三「郵便配達夫」(NAKKA)

安井曽太郎「金蓉」(MOMAT)

この企画展と合わせて収蔵作品も数多く見ることができますが、今回は時間が足りなかったので後日あらためて見に行きたいと思います。


(2024.05.22)



ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)

2024-05-24 | アート&クラフト
「小江戸」川越の氷川神社のすぐそばのヤオコー川越美術館へ。

こじんまりとした建物
人通りも少ない静かな川のほとりにあります

スーパーマーケット「ヤオコー」の創業者が蒐集してきたおよそ150点の三栖右嗣の作品を創業120周年記念として展示することにしたそうです。


落ち着いた展示室

「野の花」
「麓郷早春」大作の500号
「ナガールの花束」

三栖右嗣の作品は高い描写力とともに情感がこもった懐かしさを感じさせて好みなのですが、若いころにアメリカのワイエスに師事したという説明を読んで納得。上の「ナガールの花束」を見たときワイエスの「松ぼっくり男爵」が頭に浮かびました。


ワイエス「松ぼっくり男爵」

ワイエス「海からの風」

そして安井賞受賞の「老いる」(習作)は心に深く迫って来るものがありました。


三栖右嗣「老いる」(習作)

今回の春・夏季展示は36点ですがまだ100点以上が収蔵されているので秋・冬季展示も訪れてみたいです。

明るいラウンジ

驚いたのは料金の安さ。入館料は300円ですがドリンクセット付きでも500円。さらにヤオコーカード(スーパーの買い物用のポイントカード)があれば100円引き。そこにヤオコーのおはぎを一個つけてもらって「入館料+アイスコーヒー+おはぎ」で530円!いい絵を見てコーヒーを飲んで美味しいおはぎをいただいてゆっくりしてこの値段。おすすめです。

(2024.05.21)

みうらじゅんFES~マイブームの全貌展

2024-05-16 | アート&クラフト

しもだて美術館で開催中の「みうらじゅんFESマイブームの全貌展」へ。

みうらじゅんというとユニークなイラストやマンガの他に「見仏記」「ゆるキャラ」「マイブーム」などの印象が強いのですが、いったいどんな展覧会なのかと思い出かけてみました。


これを見るとなんだかほんわかした感じがするのですが

まず入り口でいきなりこれ(ぎょっとしました)

小学生の時に怪獣映画を見て始めた怪獣スクラップ(全4巻)や仏像に衝撃を受けて始めた仏像スクラップ(全7巻)からして驚きです。

仏像スクラップ 9歳から!
仏像巡りで使っていたものなど

集めた御朱印

ここから「漫画ブーム」「エッセイストブーム」「牛ブーム」など次々と熱中して集めた膨大なコレクションが続きますが「カニパン(カニのパンフレット)」「ゴムヘビ(ゴムの蛇のおもちゃ)」とか、なぜこんなものを?と思うものも多数。

カニが載ったパンフレットのコレクション

よくポストに入っている水回り修理のマグネットカード
所狭しと並んでいます
おなじみのゆるキャラたちも

イラストや漫画作品、仏像画、パロディ画、コロナ禍中から描き続けている「コロナ画」シリーズも枚数と熱量がすごいです。


思わず笑ってしまうものばかり

かなりしっかり描かれている仏像たち

1枚1枚気合が入っています

圧巻の「コロナ画」シリーズ

広目天に高橋由一にゴーギャンに怪獣と関係性は???
名画のヌードに下着を付けさせたパロディー

作品もコレクションも数がすごいうえにその発想とエネルギーに圧倒されてしまいました。これはじっくり見たら一日かかりそうです。

いやはやこれはとんでもない展覧会です。

「世間的には価値のないものかも知れませんが、一点一点唯一無二の国宝、もとい“ボク宝”であることは間違いありません。(中略)人生はループオン・ロケンロール!僕は今日も、何かしらまだ、やっていますから」(みうらじゅん)

(2024.05.15)