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はじまり、美の饗宴展~すばらしき大原美術館コレクション

2016-02-16 | アート&クラフト

「春一番」の中、国立新美術館で開催中の「はじまり、美の饗宴展」

 

倉敷には一度行ったことがあるものの大原美術館には入らず。。。というわけでこのチャンスに見ておこうと出かけました。

◆木のぬくもりがいい感じの入口

 

さて展示室は以下の7つで構成されています。

1 古代への憧憬

2 西洋の近代美術

3 日本の近代洋画

4 民芸運動ゆかりの作家たち

5 戦中期の美術

6 戦後の美術

7 21世紀へ

ひと通り見終わって、よくこれだけの質と量そして時代を集めたなあと思いました。

大原美術館がそばにあったらその時の気分に応じて色々な見方で毎回楽しめそうです。

 

出品作品の中からいくつか。

 

◆「薄布のある帽子をかぶる女」(マネ)

さすがマネ!空気感まで感じます。素晴らしい!今回いちばん気に入った作品。

 

◆「睡蓮」(モネ)

モネの睡蓮は色々見ましたが、これくらいの大きさ(73×92.5㎝)が好きです。

 

◆「受胎告知」(エル・グレコ)

先日読んだ原田マハさんの「楽園のカンヴァス」はこの絵から物語が始まります。

 

◆「童女舞姿」(岸田劉生)

おなじみの作品ですが、着物の描写にも目を奪われます。

 ◆こちらはミュージアムショップの童女(笑)

 

◆「流離抄板画柵」より(棟方志功)

この力強さと色彩!やっぱり強烈です。


◆「安井曾太郎と孫」(福田美蘭)

安井曾太郎の「孫」に基づいて、安井曾太郎が孫娘をモデルにカンヴァスに向かう様子を「安井風のスタイル」で描いたという作品。これはなかなか面白かった。

その「孫」も展示されています。

 ◆「孫」(安井曾太郎)

 

 ◆「空間概念 期待」(フォンタナ)

カンヴァスに切りつけられた3本の線が生む緊張感。

 

 ◆「白磁蓋付壺」(富本憲吉)

形といい色といいずっと眺めていたくなる作品。

 

他にもピカソ、マティス、セザンヌ、ゴーギャンなど名品がいっぱいでした。

倉敷の大原美術館所蔵リストを見ますとまだまだ膨大な作品がありますので、また第2回をやってもらえるとうれしいのですが。

(2016.02.14)

 

 


アンサンブル市川第31回定期演奏会ほか

2016-02-16 | コンサート&ライヴ

最近行った演奏会から3つ。

まずはアンサンブル市川の第31回定期演奏会

開演10分前に会場に到着したのですが、すでにプログラム完売。いつものように2階席に行くとびっくりするくらいのお客さんで埋まっています。後で聞いたところ、1000部用意したプログラムに楽屋の予備を追加しても足りなかったそうですからすごい動員数です。それだけ地域に愛され、かつお客さんを満足させるレベルを維持しているということ。うらやましい。

メンバーの皆さんが立春らしい明るくカラフルな衣装でステージに登場。プログラムがなかったので曲順がわからなかったのですが、いきなり「木星」でスタート!

オープニングに「木星」って(笑) 並みのバンドならメインでしょう。

以下、「チャップリン・タイムス」「主よ人の望みの喜びを」「アラジン・セレクション」「グレンミラー・メドレー」と、バッハからディズニーまで幅広い選曲。「とにかくやりたい曲やるからお客さんも楽しんでね!」という感じですか(笑)。

いつもよりやや硬さも感じましたが、満席のホールに皆さん少し緊張したのかな?でもどっしりとした全体のサウンドや音楽づくりはさすが。

後半は一転してバーンスタイン一色。

「キャンディード」に続いて今回のメイン「ウエスト・サイド物語よりシンフォニック・ダンス」へ。

アンサンブルやバランスが難しく、ラテンやジャズの「ノリ」も必要で、金管(特にトランペット)は相当なスタミナも要求されるこの曲をかなりのレベルで聴かせてくれました。

アンコールは「シンフォニック・ダンス」に含まれていない「アメリカ」と「トゥナイト」(だったかな?)、そしていつもの「ギャロップ」で幕。

還暦と古希を迎えるお二人のクラリネット奏者の方へのちゃんちゃんこ(?)も楽しく暖かい演出でした。

次回の第32回定期演奏会のメインはオルフの「カルミナ・ブラーナ」だそうで、「ぜひ合唱付きで!」とお願いしてきましたが如何に(笑)。

 

続いては青山学院大学OB吹奏楽団第22回定期演奏会

知人でクラリネット奏者の齋藤行氏が編曲・指揮をされているバンドです。

クラシックのアレンジ作品が中心で、最近ではチャイコフスキーの「交響曲第2番」、ドヴォルザークの「交響曲第7番」、ブラームスの「ピアノ四重奏曲第1番」(いずれも全曲)などを演奏しています。

また今回は前半にイギリスの吹奏楽オリジナル作品が組まれていましたが、ホルストの「ハマースミス」などあまり他の団体が取り上げない曲を聴けるのも楽しみの一つです。

特筆すべきは、時おり弦楽器かと思うような深い響きのサウンド(これは指揮者自身の編曲によるところが大きいと思います)。そして何より「音楽」が大切にされている演奏

ぜひ一度お聴きになっていただければと思います(次回は2017年2月25日)。

当日は朝から「春一番」が吹き荒れるあいにくの空模様でしたが、後半のシューマンを聴き終えて外へ出ると、嘘のような暖かく爽やかな天気。まさしく「春」のような穏やかさでした。

※齋藤行氏の編曲作品はこちらをごらんください。

 

最後は柏ウインド・シンフォニー ニューイヤーコンサート2016

こちらはアンサンブル市川や青山学院大学OB吹奏楽団とはうってかわって小人数で活躍しているバンドです。

初めて演奏会にうかがったのですが、木管13人、金管5人(トランペットは1人、ホルンなし)、打楽器3人の21人という編成ながら、それを感じさせない意欲的なプログラム、そしてメンバーひとりひとりの真剣さと熱意が伝わってくるステージでした。

あの編成でこれだけの曲を演奏するとなると、皆さん相当な練習と工夫、そして情熱が必要なことでしょう。本当に音楽が、楽器が、吹奏楽が好きなんだと思います。「柏で、本気で、音楽を。」というスローガンがぴったりです。

県のコンクールで3年連続理事長賞(1位)を受賞しているというのもうなずけます。

これで小編成の長所を生かした透明なサウンドやアンサンブルに磨きがかかれば、さらに魅力的なバンドになることでしょう。今後も注目です。

 

続けて3団体の演奏会を聴きましたが、それぞれにバンドのカラーや方向性がはっきりしていました。

「こういうバンドにしたい」「こういう音楽をしたい」というものをしっかり持っているかどうか。

やはりそれがいちばん大切ではないかとあらためて思った次第です。

(2016.02.16)

 

 

 

 

 

 

 


浦沢直樹展~描いて描いて描きまくる!

2016-02-04 | アート&クラフト

世田谷文学館で開催中の「浦沢直樹展」へ。

◆まさに「描いて描いて描きまくる」の展覧会

 

◆世田谷文学館 住宅街の中にあります

◆入口から浦沢さんらしい遊びが

◆ロビーにはおなじみのキャラクターたち

◆こりゃ楽しい

◆展示室入口

◆こちらを含め2か所が撮影OK

 

浦沢さんの作品に初めて接したのは「パイナップルARMY」や「ビーパル小僧のアウトドア教本」でしたが、その頃大ブームだった大友克洋さんの絵柄に似つつ、表情がより人間臭くて印象に残りました。

その後「YAWARA!」で大人気(これはスピリッツで毎号読んでいました)。以後も「MONSTER」「20世紀少年」「PLUTO」など話題作を連発。最近はNHK「浦沢直樹の漫勉」も見逃せません!

さて展示は2階の1室だけなのですが、各ブースに作品ごとの生原稿がずらり。中には単行本1冊分展示されている作品もあり、真剣に読んでいると半日くらいかかりそうです。

◆原稿の横には

◆一緒に記念撮影している方も

 

生原稿以外にも、構想のメモ、ネーム(コマ割りやセリフなどを鉛筆で大まかに描いたもの)とその完成原稿、カラー原画、イラストなどが所狭しと並んでいます。

◆一人ひとりの表情が豊か

◆このスピード感!

 

また、子どもの頃に描いた自画像やマンガ、制作ノート、デビュー前後の作品、大学の先生をノートに描いた似顔絵などは必見です!

順に見ていくと、中学から高校くらいまでは手塚治虫さん風の絵柄ですが、大学在学中頃に明らかに大友克洋さんの影響が(自分も浦沢さんとほぼ同世代なので、大友さんの「Fire-Ball」は衝撃でした)。そして大学卒業頃にはほぼいまの画風になっています。20才そこそこで自分のスタイルができているのが凄い!

膨大な生原稿をじっくり見て思ったのは、ペンとインクで描かれた「線」の1本1本が実に生き生きとしており、表情豊かで圧倒的に美しいということ。モノクロなのに色まで感じるのです。本当に素晴らしい!

◆ポストカードにクリアファイル(ショップにて)

 

う~ん満足。これであとは井上雄彦さんと星野之宣さんの原稿を見られたら。。。

(2016.02.03)