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星野之宣「ヤマタイカ」

2014-08-18 | コミック&Book

いつもこの季節になると本棚から取り出して読み返してしまうのがこの「ヤマタイカ」。そのたびにスケールの大きさ、大胆な構成、ストーリー展開、登場人物、知識、そして圧倒的な「画力」に引き込まれてしまいます。

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◆星野之宣「ヤマタイカ」全6巻(1986-1991)

卑弥呼、邪馬台国、神話といった古代史の謎をめぐる物語がしだいに発展し、仏教の四天王たちと対峙しながら東大寺大仏殿での壮絶な戦いに致る第1部「東遷編」。

超巨大銅鐸「オモイカネ」による戦艦大和復活、日本各地の火山の噴火、大和とアメリカ軍の対決、日本中の民衆を巻き込みながらの「火の民族」の「マツリ」が燃え上がるまでの怒涛の第2部「東征編」。

こうして書くと荒唐無稽に思えるかもしれませんが、むしろリアルにさえ感じるのは、諸学説をもとにした綿密な取材と作画のなせるわざでしょう(これは星野さんの他の作品にも言えることですが)。

伝奇、古代史、SF、そして邪馬台国好きの方には一読をお勧めします。

なお邪馬台国、卑弥呼などについてはすでに江戸時代から多くの学説があり、新たな発掘調査や発見も報じられているので、興味のある方はこちらをご覧ください

→http://yamatai.cside.com/index.htm

さて今回はストーリーや登場人物ではなく、自分が特に好きな場面(画)についていくつか紹介しておきます。

まずは随所に登場する「火山噴火」。これが素晴らしい。

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◆この噴煙の描き方!

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◆富士山(!)の噴火

自分は中学生のころ浅間山の麓の町で実際に轟音と立ち上る噴火を経験しました。ですからこれらの噴火シーンには血が騒ぎます(まさに火の民族?)

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◆昭和48年の浅間山噴火

続いては第1部のクライマックス、東大寺での卑弥呼(神子)と広目の二人による空中戦の場面。

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◆東大寺の鴟尾を見降ろし瓦が舞い散る

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◆屋根から回廊を駆け巡る空中戦

あの世界遺産東大寺の上空で卑弥呼と広目(天)がサイキックバトルをやるわけです。しかもこのあと大仏が動き出し東大寺は火に包まれて崩れ落ちるというとんでもない場面が。。。やはりこの卓越した画力あってでしょう。大友克洋氏の「童夢」に出てくる高層住宅での空中戦を思い出します。

そして物語の最後、東京湾ですべてのエネルギーが放出される場面。

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◆東京湾に巨大な火(水)柱が

このあと数ページに渡って東京が崩壊していく様が描かれるのですが、初めて読んだ時はこのページでしばらく手が止まって唸ってしまいました(この辺も大友さんのAKIRAを思わせますが)。

とにかく全編通して星野さんのこの作品にかける思いが伝わってくる傑作です。この作品の前身となる「ヤマトの火」(未完)も最近復刻されていますので合わせて読んでみるのもいいでしょう。

「ヤマタイカ」の流れをひく「宗像教授伝奇考」や星野さんのSFもの、恐竜ものも大好きなのですが、それはまたのちほど。


「ラデツキー行進曲」(J.シュトラウスI)小編成版

2014-08-17 | 出版楽譜:マーチ(小編成版)

8/10より「ミュージックベルズ」さんより発売中です。

既に発売中の「ラデツキー行進曲」(中編成版)を小編成版にアレンジしなおしてみました。中編成版も25人位から演奏可能でしたが小編成版は20人未満で演奏可能で、調性や音域も取組みやすくなっていますので、特に小中学校などにおすすめしたいと思います。

世代を超えて広く親しまれているヨハン・シュトラウス1世のこの作品は、オーストリアのラデツキー将軍の栄誉を称えて作曲されたと言われています。ウィーン・フィルの「ニューイヤーコンサート」ではアンコールで観客の手拍子を交えて演奏されるのがおなじみとなっています。 

体育祭や入学式などの学校行事、コンサートのアンコール、合奏の基礎練習、新入部員と上級生による合同演奏などでご利用ください。

 

・調性は原曲(D-Dur)の長三度下(Bb-Dur)に変更

 ・少人数でも演奏できるようパート内のポジションは最小限とし、クラリネット、トランペット、ホルン、トロンボーンは各2、他は1またはオプションとしました。

 ・バスクラリネットとバリトンサックスはどちらか一方あるいは無しでも演奏可能です。

 ・どこのパートもできるだけ無理のない基本の音域で演奏できるようにしました。

 ・初心者には難しいと思われる音形や音域、アーティキュレーションなどは豆符、( )、点線などオプションで指示してありますので、メンバーの技術や編成に応じて選択してください。詳しくはスコアの「演奏にあたって」を参照してください。

 ・演奏時間:約3分

 楽器編成、音源などについては上記販売ページでご確認ください。