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東関東吹奏楽コンクール小学校の部

2015-09-14 | コンサート&ライヴ

お手伝いさせていただいている小学校2校が出場する「東関東吹奏楽コンクール小学校の部」を聴きに行きました。(9/13 千葉県文化会館)

◆すっきりと綺麗なプログラム

 

丸一日かけて全30校を聴きましたが、あらためていまの小学生の演奏能力の高さには脱帽です。合奏だけでなくソロも上手い。音だけ聴いたらとても小学生とは思えません。

そんな中で特に印象に残った学校をいくつか。

まずは1番の茨城県代表水戸市立三の丸小学校(喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション)。演奏開始時間が9:50でしたらから、おそらくまだ夜も明けないうちから準備練習をして臨んだと思われます。子どもたちのコンディションやホールの空気も温まらないうちにトップで演奏するというのは大変なことですが、それを感じさせない快演でした。ピッコロやクラリネットのソロも美しく、後半の盛り上がりも躍動感があり爽快。まるでコンサートの幕開けのような素晴らしい演奏だったと思います。

4番の千葉県代表柏市立酒井根東小学校(マカーム・ダンス)は音程、リズム、ハーモニー、バランスなど細かいところまで練り上げられた完成度の高い演奏。クラリネットなど木管楽器が充実した豊かな響きです。大人顔負けのサクソフォンのソロ(名演!)もあり、インパクトと緊張感のある見事な演奏でした。

15番の千葉県代表船橋市立高根東小学校(鳥之石楠船神~吹奏楽と打楽器群のための神話)は各楽器が非常によくブレンドされたバランスのよい響きで、アンサンブルにも隙がありません。曲名どおり打楽器パートの活躍には目が点。驚くべきテクニックです。最後に向かって駆け抜けるようなラストは思わず興奮してしまいました。

21番の千葉県代表柏市立第二小学校(百花夢想~凛と咲く紅の花の如く)は堂々とした骨太の響きと音楽。ピッコロやフルートのソロもよく、打楽器パートもとても上手い。そしてスケールがありながら強奏でもバランスを崩すことがなく、先生の推進力のある指揮と相まって最後まで非常に安定した演奏でした。

 

そして審査の結果、上記の酒井根東小学校高根東小学校の2校が東日本大会(10月に札幌で開催)に東関東代表として選ばれました。おめでとうございます。

 

残念だったのは茨城県代表として参加するはずだった常総市立水海道小学校が出場辞退となったこと。学校が避難所となり、メンバーの中にも被災された家庭があるということで止むを得ないとはいえ、先生や子どもたちはさぞかし無念であろうと思います。8月の茨城県大会が鳥肌モノの演奏でしたので、出場していればおそらく代表校争いに加わっていたことでしょう。東関東吹奏楽連盟は水海道小学校の演奏の機会を設けることを検討しているそうですが、ぜひ実現して欲しいと思います。

 

なお今日のコンクールを聴いて疑問に思ったことをひとつ(あくまでも個人の感想です)。

編成や曲に応じた音量を越えて、「こんなに大きな音で演奏しなければいけないのだろうか?」と思う学校が多かったことです。特に打楽器は強打に思わず耳をふさぎたくなった学校もありました。楽器をしっかり鳴らすことや迫力、ダイナミクスも確かに必要ですが、せっかくここまで小学生のレベルが上がっているのですから、コントロールの効いた「f」や美しくやわらかい「p」の響きが聴けるといいなあと思いました。

(2015.09.13)

 

 

 

 


小澤征爾&ボストン交響楽団 1978来日公演 「ハンガリー行進曲」 (ライブ録音あり)

2015-09-01 | コンサート&ライヴ

今日は小澤征爾さんの80歳の誕生日。現在開催中の「セイジ・オザワ松本フェスティバル」ではバースデー・コンサートも開催されます。先日、怪我のため予定されていたオペラの指揮を降板、というニュースもあって心配していましたが、今日は元気な指揮姿を見せてほしいものです。

さて、自分にとって生涯忘れられないコンサートがあります。それは1978年3月、小澤さんがボストン交響楽団を率いて初めての日本公演をした時の東京文化会館での演奏会。

◆当日のプログラム

自分は大学2年生。学内のオケに入っている先輩から「小澤征爾とボストン響が来るんだよ!聴きに行かない!?」と誘われ、必死で稼いだバイト代をつぎ込んで(確か2階のB席で7000円でした)チケットを買ったのです。

それまでオケを生で聴いたのは1回だけ。もはや伝説となっている名番組「オーケストラがやってきた」の公開収録でしたから、世界の超一流オケを聴くのは初めてで、本当にわくわくしていました。

山本直純さんの本も面白かった!イラストは山藤章二画伯!

 

そして1978年3月16日、上野の東京文化会館大ホールは満席。19時開演。

プログラムは

スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲

マルタン:7つの管楽器、ティムパニー、打楽器、弦楽のための協奏曲

ベルリオーズ:幻想交響曲

最初のスメタナから颯爽としたテンポで美しく響きわたるオケの音に感激。続くマルタンは明るく品のある管楽器の音色と切れのいいリズムが実にかっこいい。休憩をはさんでいよいよメインの「幻想交響曲」へ。これがもう圧倒的な名演!聴きながら何回背中に電流が走ったことか。特に感激したのはボストン響の金管楽器セクション。明るく肌理の細かい響きと完璧なバランスとアンサンブルには鳥肌が立ちっぱなしでした。そして4楽章から5楽章への盛り上がり、コーダに向かって一気呵成に進んで行くさまは興奮もので、今でも最後の輝くような音が耳に残っています。

なお、奇跡的に当時NHKが放送した録画がYoutubeで見られますので、ご覧になってください→こちら

 

では熱狂的な拍手に答えての「ハンガリー行進曲」をお聴きください。会場中が熱気に包まれていました。

ベルリオーズ:「ハンガリー行進曲」(1週間後にNHK-FMで放送されたもの)


今回あらためてプログラムのメンバー表を見ていたら、トランペットにRolf Smedvigの名前が!自分がいちばん好きなトランペット奏者で、エンパイヤ・ブラスも何回か聴きに行きましたが、この時ステージにいたとは!。。。残念ながら先日若くして亡くなられましたが、彼の音と演奏は大好きでした。ご冥福をお祈りします。

(2015.09.01)