今回の日曜美術館は、『 バーニー・フュークス THIS IS AMERICA
』です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/23/c7afce43d2a41fbb2231a0cfae747e03.jpg)
バーニー・フュークス(1932ー2009)は、アメリカを代表するイラストレーターです。
彼は ノーマン・ロックウェル(*)の再来ともいわれ、現在、
アメリカで彼の生涯の作品をまとめる大型の図録が制作中です。
*米国で有名なイラストレーター、1978没
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/34/24713b3aec378ad79244028db79cfd34.jpg)
アメリカイリノイ州、オファロンで生まれます。
少年時代音楽に熱中しますが、高卒後勤めた会社で、
ベンチプレス機で三本の指を失い、音楽の道を断念します。
18歳でワシントン大学(セントルイス)の美術学校に入学します。
大学卒業後、デトロイトで自動車広告の仕事をします。
バーニーが描いた自動車広告
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/10/1e052e2c600a65a0adc773e160651fe2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/73/9491eda703250893c5920c586db96433.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/ff/f9fd7f5e7db979aa718f049eaaf1f758.jpg)
しかし、バーニーは車より、周りの人びとを丁寧に描きました。
この広告で評価を得たバーニーは、全米で人気の女性雑誌
「マッコールズ」でさらに有名になります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/ea/98ba8df545368e722baf779113d7b109.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/74/d2d03303312bd6d9aa38c38f2e034534.jpg)
バーニーの人気を不動のものにしたのが、スポーツ・イラストです。
「フットボール」
臨場感溢れる作品です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/53/d421c546df3c4f68b1657a707e416aef.jpg)
「グリーン・モンスター」1980
ボストンレッドソックスの野球場のフェンスを描いています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/32/715254c0b2bd68c3115336056c3fdd6e.jpg)
「スパイグラス・トール・ツリー」2000
選手よりも周囲の景色や観客を描いています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/18/f2a29eaa7437bc4f770de889359c5734.jpg)
「クリーブランド・ミュニシパル・スタジアム」1980
フェンスの隙間からのぞきこむ少年を描いています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/0c/7d8c8957e1b3419504ebbae5093ff932.jpg)
「ベースボール・シーン」
投手が投げた一球に、バッターが打ち返す瞬間を切り取っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/3c/f8f18a3933775a8813de96dbab1de90b.jpg)
「バスケットボール・プレーヤー」1993
日が暮れるなか、バスケットの練習に打ち込む少年
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/64/991c80d92fe2c352c62158a2c4acb3b3.jpg)
バーニー・フュークスは、アメリカの国民的雑誌、
「TVガイド」をはじめ、数々の雑誌にイラストを書きました。
アメリカイラストレーターのトップランナーでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/a5/43d1d3ab6248a4891315a83dd088ae3a.jpg)
アメリカの著名人も数多く書いています。
「モハメッド・アリ」1993
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/c6/17789fc4bf4c751de350ee5cf608b179.jpg)
「フランク・シナトラ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/33/601549926c3ad414b9d0c5bae8e68f13.jpg)
「キャサリン・ヘプバーン」
彼女の映画『旅情』『黄昏』が大好きです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/cd/c9a8615a3e857e4dee5f6629b8ec02a6.jpg)
「タイガー・ウッズ」1997
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/1f/76c0b5b4779256bc9d58187f51de743b.jpg)
バーニーはケネデイの依頼を受け、肖像画も書きます
ケネデイ大統領との面会
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/c1/fb4638b68eeb08cf4616d4c07fe59aae.jpg)
「ジョン・F・ケネデイ」1962
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/e7/d8540840465c705ee10fbc0571c0b2d9.jpg)
ケネデイの死後、だいぶ経ったときに発表された作品
ケネデイの内面の苦悩を表現しています。
「ジョン・F・ケネデイ」1988
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/e4/85e1cdf68dafa5c310ec4f172c5ec3a2.jpg)
「オスカー・チャールストン」2005
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/dd/ab53fc0b504797c96f97b2239d11529d.jpg)
バーニーは、後年絵本も書きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/5c/2d8ca1b7d6576662301a8e7aede2ac35.jpg)
「シューテイング・フオー・ザ・ムーン」
アニーよ銃をとれ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/fe/adaa3f7ff27f3b88d0616013df21fc6c.jpg)
「ラグタイム・タンピー」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/50/c2a1d589b2f69a61d1296e122142f671.jpg)
いかがでしたか、素晴らしい作品だと思います。
しかし、私はアメリカの画家をほとんど浮かんでこないのです。
ノーマン・ロックウェルや今回のバーニーなど、
イラストレーターははいるのですが、、。
しかも、その作品に法外な値段がついたりするのです。
イラストレーターと画家をどこで区別するかにもよりますが、
私の認識では、イラストレーターは商業美術です。
世界各国の文化財を収集するアメリカですが、
なぜ、画家が育たないにでしょうか?