道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

景観

2019年07月09日 | 人文考察
私は日本の農村風景に接すると、いつも心安らぐものを感じる。世代を累ね、歳月に磨き上げられたような居宅・庭園・屋敷林。そして平野を潤す河川や用水路の清冽な水系と緑の耕地。地形に従って耕地や里山を廻る農道と集落から伸びる生活道。産土神を祀る神社の、社殿と後背の杜。優美な曲線ですぐそれとわかる寺院の大屋根など。 生活が日々繰り返され、各世代の人生が連綿と続くうち、人工が自然に吸収されるまでに高 . . . 本文を読む
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似て非なる叙情性

2019年07月09日 | 随想
日本人は情緒的だとよく言われる。もしそうなら叙情性は豊かであろうか?そうは思はない。情緒性と叙情性は一致しない。感情的であることと、叙情的であることは違う。感情を抑制できる意思の勁さがあってこそ、叙情は生まれる。感受はすれども感情に流されない勁さを秘めた思いが叙情である。  世界の民族を眺めて、ロシア人と日本人の民族音楽との間に多少の共通性があるとすれば、それはメロディの叙情性と . . . 本文を読む
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