「茜さす 紫野ゆき標野ゆき 野守は見ずや 君が袖ふる」という万葉の短歌は、高校の古文の教科書などに載っていることもあって、広く知られている。茜さすはムラサキにかかる枕詞で、茜は根を染料に用いた植物の名前であるとともに、染まった色を表す語でもある。
この草は野山でよく目にするのだが、これまで花を見たことがなかった。見つけてみれば、径3ミリほどのとても小さな花で、咲いていても、野外ではそれと気づかないだろう。
同じ歌の中の紫も、根から染料をとる草で、実物はまだ見たことがない。それほど今日では稀な草なのだが、万葉の頃には大規模に栽培されていたようだ。この草も図鑑で見ると、アカネ同様花そのものはあまり見映えがしない。
これら染料となる草の花が美しくないのは、色の素が、全て根に蓄えられてしまうからだろうか?
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