道々の枝折

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器質と機能

2024年08月25日 | 健康管理
老化というものは、年齢を累ねるに従って、身体の器質の劣化機能の低下が同時並行的に進行するものである。
この老化の進行を遅らせようと、私たち高齢者は日夜アンチエイジング対策に奮励努力しているが、ある意味自然に逆らうことなので、成果はなかなか挙がらない。そのあたりが、誇大広告のサプリメントが隆盛を極めている理由だと思う。

サプリメントは薬品でなく食品なので、効能を謳ってはいけないものだろうが、やれ肌に効く・目に効く・耳に効くと、CMが喧(かまびす)しい。
機能性食品という妙な造語は、その為だったかと、最近になって腑に落ちた。サプリメント広告は、テレビ局にとって今や稼ぎ頭になっているのではなかろうか?

老人は休息していても眠っていても、全身の筋肉が固くなり縮むようだ。安心して寝ることもできない。
腿裏・腰・背中の筋肉が顕著に縮むらしい。
筋肉の拘縮は、器質の劣化の最たるもので、腰痛・股関節痛・膝関節痛を引き起こす原因である。老生の場合、この就寝中に縮んだ筋肉群を伸ばすエクササイズが、毎朝目覚め後一番の、最重要な日課になっている。

機能は器質あってのもの、器質が損なわれては、機能の低下を防げない。筋肉が柔軟性を失えば、運動機能の低下は免れない。
器質も機能も、年齢による劣化や低下を避けられないものだが、そこに生活習慣の不良や突発的な怪我または感染が加わると、大幅に衰えてしまう。そうならないよう、成る可く器質の損傷を防ぎ機能の保全を図る暮らし方をするのが、現代の老人の日常では優先されるべきだ。
医療費の配分比率は、適正に設計されなければ不合理である。老人が医療に期待し依存し過ぎるのは、慎まなければならない。神慮・天命によって現在があることを想えば、老い先の命を人為で制御できるとは思えない。

せいぜい老人に出来ることは、男性なら筋肉を弱らせないことと筋肉量を減らさないことぐらい、女性ならそれらに加え、骨密度を低めないことに集約される。詰まるところ、 三度の食事を美味しく摂れれば、これに勝る健康はないということだろう。

ヨガやラジオ体操その他数々のプラクティスは、機能を維持するに必要不可欠なものである。私には出来ることは、筋トレとストレッチぐらいしかないが。だが、静的な荷重を加えて筋肉を鍛えたり、筋肉を伸ばすエクササイズというものは、ある種難行・苦行に通じるものがあって、楽しさはいっこうに感じられない。

楽しくトレーニングとストレッチの両方をやる方法はないかと考えてみた。ダンスのような、身体の伸展屈曲を伴う運動が望ましいのではないか?
ロシアの老人たちが、街の公園や広場に集まり音楽に合わせ、てんでバラバラ好き勝手に身体を動かしている状景をYouTubeで散見するが、音楽好きのロシア人らしい好い習慣だと思う。

見倣いたいが私たちは、人目を意識し過ぎ、無秩序な動きを嫌う質だから、残念ながらこのような良俗は日本の老人社会には定着しないだろう。



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