台風の予報で私たち住民にとって大切なのは、進路の予想と暴風圏である。暴風は地形の影響を受けやすく、突風の発生域の特定は難しいから、台風予報の主眼は進路ということになる。
進路の予報は確率70%の予報円で示される。したがって先の予報になるほど、不確実性が増すほど予報円は大きくなる。
実際のところ予報円は、予報者にとっての意義はあるだろうが、被害に晒される私たち住民にとっては、ほとんど意義がないように思う。中には、予報円と暴風雨圏を混同してしまう人たちもいる。視覚的に見間違い易いのは、至極もっともである。
米軍の合同台風警報センター(JTWC)の台風予報の方が、シンプルかつ合理的に思えるのは、私だけではないと思う。こちらの進路予想図には、予報円は示されない。情報を受ける側に必要ないとの認識だろうか?
軍事用であれ民生用であれ、図表というものは、見易さが優先されなければならない。
気象庁の進路予想図は、今回の10号のように速度が遅い台風の場合には、予報円が輻輳し甚だ見難くなるのではないか?
畢竟予報円を表示する意味は、予想する側のためのものであるようにしか思えない。
科学に則して気象情報の収集と報知を所管する気象庁と雖も、他の行政官庁と同様、無謬性の原則または無謬信仰に支配されているのだろうか?
自らの誤謬には、それとなくvanish outしたい心持ちは、わが国の役所の体質というよりも、私たち民族に通有の属性なのかも知れない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます