道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

老爺の忠言

2020年12月08日 | 人文考察
漫然と晩節を老いさらばえるに任せたくないやつがれ、過去を振り返りつつ、新しい発見を求めるに日々忙しい。読書・ネット・栽培・飼育・観察・ブログ投稿・・・。縁側で孫を抱いて日向ぼっこした倖せの時は、瞬く間に過ぎ去った。

枯れない老人でありたいと願っているが、老躯に鞭打って身体を動かすのは年々困難になる。他方思索は何時でも何処でも自在にできることだから、思索の種は可能な限り集めたい。コロナ禍では、それもままならないが。

歳をとると、若い頃の行動で間違っていたことに気づき、忸怩たる思いに捉われることが多い。
今頃気づいても遅かったと悔やまれるのは、女性の誘いや申し出をストレートに断ってはいけないということ。それは極めて拙い対応だった。

若い男性諸君に忠告したい。
男子は女性の誘いを拒んではいけない。気に染む染まないで事を決めてはいけない。
女性というものは、自分の誘いを断った相手のことをその瞬間に嫌いになり、その後は一顧だにしなくなる。これは女性一般に共通する反応かと思う。顧みないだけでなく、恨み憎しむことすらある。場合によっては仇なす存在になるかも知れない。女性は男性に自分の申し出(婉曲な場合もあるから注意が必要)を拒絶されることに我慢がならない。同胞の女性には、絶対にストレートでノーと言ってはいけない。サンキューであってもノーを冠ぶせてはいけない。誘われたらナイス!でなければならない。

何故だろうかと考えてみた?
女性は一般に、不幸な事情がない限り、初めて出会った男性=父親に愛されて成長する。彼女は父親の愛=受容・承認を当たり前のものとして成長する。父親たちは総じて息子には厳しいが娘には甘い。娘にとっての父親というものは、常に認め受け入れてくれる存在であったはずだ。父親は女性の承認欲求を満たす象徴であったのだ。

男性の場合は少し様子が違う。母の愛は無差別であるが、存外男児への対応は、母としての理想を優先しがちな傾向がある。母親の干渉が強いことは育児には有害である。その場合、男の子は内心母を怖れて育つ。母親は息子に自分の理想を投影し続け、甘やかしを抑えプレッシャーをかける。このように、女児と父、男児と母では、親の子に対する接遇の仕方がかなり異なる。

女性は幼い時から体験し満喫した承認欲求への執着が強い。それは成人後にも残り、拒絶されると、内心に怒りが湧き起こるのではないかと推測する。女性が好い気分でいられるのは、男性が素直に自分の願いや誘いに応ずることである。女性は強制する力をもたないから、誘導で男性を思う方向に動かすのが巧い。その誘導に乗らない男は無価値であって、まさに見捨てる外ないということだろう。

昭和のバブルの頃だったか、大都市近郊に70才ぐらいの独居老人がいた。生業を持たず、大した資産も無いように見える孤老の薄汚い陋居に、若い娘たちが多数集まり賑やかなことが度々あって、地域の噂になった。
近所の人たちは風紀上の問題を懸念したのである。警察への通報があり、生活安全課の係員が老人と女性たちに事情を聴いた。なぜそんな若い女性が集まるのか?お金かカルトか?周囲は疑惑を抱いたのだろう。しかし事件性のある事柄は何ひとつ無かった。

老人は係員に答えた。「女というものは、優しく何でも云うことを聴いてやればいいのじゃ。断らねば皆蹤いて来る」と答えたという。私はそれを記事で読んで、慄然とした。まことにおぞましい老人だと思った。自分で言うのも何だが、当時の私は潔癖で、その女性たちの行動が理解できなかった。

男性でも、3度誘って全て断られたら相手と絶交するという、甚だ自己承認欲求の強い人も居るくらいだ。承認欲求がより強い女性の場合は、一度誘って断られたら、その男性を見限り二度と誘うことはないだろう。

若い男性は、女性にお茶に誘われたり散歩・ドライブに誘われたら、けっして断ってはいけない。家に上がるよう誘われて逃げたらもうお仕舞いだ。兎に角、男子は女性の申し出を断らない方がよい。気が進まなくても受け入れたほうが、後々のことを考えると結果が良いと思う。モテる男というものは、女性の誘いを一切断らない徒輩と思って間違いないだろう。慥かに件の老人は、大いにモテていたのである。

怒りが恨みに変わると、生涯消えることはない。これは若い男性にとって社会的に大損失である。若い女性たちの殆どが将来夫をもつ身であるからである。女性の仲間内での情報の伝播力というものは大したものだから、知らないところで、見ず知らずの人間の不評を買うことになるだろう。

自らの反省をこめて、孫と同年配の若者たちに、忠言する次第である。



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