ある時突然、妻がアレルギー症を発して以来、被毛のある生き物を飼っていない。羽毛の小鳥も駄目なので魚しか飼えない。専らブログやYouTubeで、人様のペットとの愉しい暮らしを観て楽しませて貰っている。かつては、鳥類(野鳥・インコ・卵用ウズラ)をはじめ、リス・ウサギ・犬・猫を飼った動物好きである。子どもの頃は動物園に入れば、閉園まで粘る方だった。犬・猫のペットとはどちらとも18年ほど . . . 本文を読む
友人から収穫物の薩摩芋や牛蒡を貰った。天竜川河口に近い彼の畑の沃土で育った根菜は頗る美味しい。土壌の良否は作物の味に表れる。かつての芋兄変じて今や芋爺のやつがれ、焼き芋には目が無い。特に安納芋という品種は、焼き芋のために作出されたかと思うほど。焼芋に最適と聞いて購入したオーブンレンジは、期待どおりの性能を発揮してくれて、1時間も待てばホカホカの焼き芋がどっさり出来上がる。この季節、毎日焼き芋のおや . . . 本文を読む
絵を描くことが好きだからだろうか?人の顔を憶えることが得手である。1・2度しか会ったことのない人の顔でも、印象に遺った人の容貌なら記憶は薄れない。容貌ばかりでなく、声も比較的克明に記憶している。何十年も会わなかった人からの電話で、即座に声の特徴からその人物の顔を彷彿する。これまで「どちら様で」と尋ねることはほとんどなかった。また山や河、川や海辺などの自然の景観も、人の顔と同様印象 . . . 本文を読む
昔通った小学校の敷地と市の庁舎が面している国道は、昭和20年代の中頃、約1kmの区間を自衛隊が米国製重機を使ってコンクリートで舗装した。まだ市内の土木建設会社には重機がなく、米軍由来の最新の土木技術と重機をもつ自衛隊の工兵部隊が施工を受け持ったのだろう。初めて見る巨大な米国製のブルドーザーやユンボに、小学生たちは目を見張った。通学の帰途に工事を観覧し、その進捗状態を見守るのが生徒たちの娯しみだった . . . 本文を読む
世界地図を逆さにして見るよう教えてくれた賢人がいる。地政学的な目を養うには、日頃見慣れた、上辺を北にした地図ばかり見ていては、問題意識は半分しか出てこない。上辺が南の地図をも均等に見るのでなければ、グローバルな視野は形成されない。老爺になるまで、それに気づかなかったのは不覚だった。私たちは長く北半球に偏って関心を集中し続け、赤道周辺から南半球にかけての地理・歴史に疎いままに過ごして来たように思う。 . . . 本文を読む