てんちゃんのビックリ箱

~ 想いを沈め、それを掘り起こし、それを磨き、あらためて気づき驚く ブログってビックリ箱です ~ 

ボケて生きるか ボケずに死ぬか

2019-02-08 23:21:25 | 日記

 
 義父は90歳、歩いて5分の所に一人暮らしをしていた。少し認知症も入っていて要介護1で、デイサービス2日、ヘルパーさんの来訪3日という状態だった。 ただし十分自立していて、冷蔵庫にあるものと宅配弁当で自分で朝食と夕食をとっていたので、私たちの負担はそれほど大きくなかった。

 しかし1月の最初の土曜に39℃の熱を出し、病院に連れてインフルエンザとわかってから、ガラッと変わってしまった。
 伝染病なので当然ながらデイサービスへはいけないし、ヘルパーさんの訪問も近寄らないという条件付きなので断った。その後の4日間、ずっと寝ているのを、2人で時間をやりくりしてどちらかが付き添って介護した。それで週末には体温も下がり身体も動き出してやれやれと思った・・・・しかしまたいきなり体温が上がりだした。それでまたまた3連休に休日診療に連れて行った。
 
 今度は肺炎、それで緊急入院。早期ということでほっとしたのだけれども、ここからが患者にとって大変。
 病院内の患者の扱いというのは、ほぼ健康人に準じて自律的に動ける人と、ボケて身体がほぼ動かせない人への対応の2区分が基本で、その中間はボタンを押してのナースコールによるということがわかった。 
 義父の場合、ちゃんとトイレはいけるしいろんなこともできるが、ナースコールがわからない。(39℃近くの熱を出している老人にナースコールを説明してもわかるとは思えないのだが) 意志が伝えられないから、動こうとする。それは治療には差し支えるとなると、2区分の下のほうに置こうとする。どうするかというと、行動を抑制する強い薬を使うか、ベッドに縛りつけるか・・・・。
 義父は、今まで使わなかった紙おむつをはかされ、強い薬で行動を抑制された。それでも強引に自分で点滴を外して、トイレへ行ったとのことだ。

 入院3日目に、病院から治療方針について相談があった。話は次のようなこと。
「入院を続けてちゃんと直すにはあと数日掛かるが、あと数日病院にいると行動を抑制しているため、退院しても紙おむつが常態になるなど生活能力が低下する(要するにボケる)可能性がある。 2日後には完治ではないが治るほうに安定する。そこでむしろ早く退院させて患者を思い通りに動かさせたほうが、生活能力が維持できると思いますので、ご検討ください。」

 これに対して、持ち帰り相談して、早期退院させることにした。病院側が退院させると言っている以上、未完治でないにしてもかなり治った状態で、デイサービスはその次の週から行けるのではと思ったからである。

 ところが退院して次の日かなりまだ熱があるので、かかりつけの医院に診てもらったら、全然治っていなくて、絶対安静。それで次の週のデイサービスというプランは消えさった。

 週内の2日はヘルパーさんに入ってもらうにしても短時間。完全に肺炎の影が消えるまで通院する必要がある。そして夜も含めて誰か付き添う必要がでてきたが、二人では仕事の約束上とてもやりくりできない。遠くの義弟に頼み2泊3日を担当してもらい、なんとか一週間がカバーできた。
 肺炎の影が消え、デイサービスを利用できるまでに3週間。ずっと寝ていたのでトイレ以外の生活習慣はほぼすべてリセットされた。

 そして、デイサービス3日とヘルパー訪問2日で再スタートしたが、人との触れ合いで少しずつ生活習慣が戻りつつある。でも朝食と夕食は、オーブントースターと電子レンジの使い方を忘れたというか、思い出し方が不安定だったので、準備のため現在付き添わなくてはならなくなった。
 どこまで病気以前に戻るかわからないので、同居を検討中である。

 いろんな教訓はあるが、病院での患者の扱いは、こちらの立場からはカチンと来た。しかし病院側にたってみると、意志伝達が出来ずに治療趣旨に反することを実施する患者を、自分たちの管理能力の範囲に置こうというすることは理解できる。

 その結果表題で「ボケて」と書いてしまったが、病院側の管理しやすい意志の働かない病人のほうが、治療効果が上がる。(その結果、その後の人生を生きるというよりは、過ごすということになるのかもしれないが・・・)
 逆に義父のようにボケることに抵抗する場合、病院の管理下から離れ、家族が一生懸命頑張らないと何等かのひどい結果のリスクが高まってしまう・・・  そんなことを妄想した。それが表題の由来です。

 そして自分が老人になる前に、ぜひAI利用などで改善してほしいと思った。


コメント (2)
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