悩みを抱えた人が引き寄せられるように迷い込む、森の中に一本だけ続く細い道の先に現れる山亭ミアキス。
そこには美貌のオーナーと、小太りのフロントスタッフ、アイルランド出身の白髪でオッドアイのシェフ、ちゃらいボーイと浮世離れたスタッフがいた。
時に語られる猫にまつわる話は興味深く、迷い込むそれぞれの悩みには現代の病巣があぶりだされていて考えさせられる。
群れを成さない「我々」は、独りであり、全員なのだ。
人への呼びかけの声色を持つ唯一の獣である「我々」もまた、人に惹かれ、人を愛していたということを。
あやかしの山亭が現れる猫魔ヶ岳。
調べてみると磐梯山の西に位置し、猫魔火山が生み出したカルデラの外輪山にある一峰。
人食い猫が出没することにこの名前の由来があった。
「山亭ミアキス」古内一絵
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