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毎日の暮らしの中にある大好きなもの、こと、出合(会)いなどについての気まま日記

13階段

2007-07-07 09:58:53 | 読書
第47回江戸川乱歩賞受賞作品。
この本の作者との出合いも、日曜新聞読書欄で「6時間後に君は死ぬ」が紹介されていたから。
重いテーマーです。
偶然にも、先日読んだ「陪審法廷」に通じるものがありました。

犯罪者への報復であるとする応酬刑思想、教育改善して社会的権威を取り除くという目的刑思想は、それぞれの長所を止揚させ、現在の刑罰体型の基礎となった。
日本の場合、目的刑思想に傾いているといえる。
死刑制度の是非が事あるごとに議論されるのですが、刑務官「南郷」の言葉
「死刑制度なんて、あってもなくても同じなんだよ。死刑になるやつっていうのはな、捕まれば死刑になると分かっていながら、あえてやった連中なんだ。」
「死刑制度を維持しているのはな、国民でも国家でもなく、他人を殺しまくる犯罪者自身なんだ。」

法の名の下に、誰かが刑を執行しなければならない。
・・・・・そのことで苦悩する人達がいて、犯罪者はさらに罪を犯すということになるのではないだろうか。
執行人としての苦悩を払拭するため、28年間の刑務官生活に終止符を打ち、死刑囚 樹原の冤罪を晴らすための調査員に応募する南郷。
相棒に選んだのは、三上という仮釈放保護観察受刑者だった。
裁判官が死刑判決を避ける一番の理由は、被告人が改悛の情を見せたかどうかだが、樹原には犯行時刻前後に記憶がなかった。
オートバイ事故による頭部に打撃をおった「逆行性健忘症」なのか。
階段を上っていた・・・よみがえったかすかな記憶をたよりに二人は調査に乗り出す。

推理ものは、おもしろい所が確信になるので書くことのできないじれったさ。
終わり近くまでどういった展開になるのか分からず、しかも知らなかったことの衝撃に深く考え込み・・・
これから彼の作品の追っかけとなりそうです。

「13階段」 高野和明

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