息子の3年間の幼稚園生活で、嬉しかったのは息子がたくさん友達を作って毎日楽しそうに幼稚園に通っていたことですが、小麦と卵のアレルギーを克服しつつあることも忘れられません。
この小麦と卵のアレルギーが発覚したのは息子が1歳のときで、そのときは夫婦で頭が真っ白になりました。少量のパンやクッキーを食べただけでも顔に発疹ができ、また、小麦アレルギーとなると、みんなが普通に食べるラーメンやパスタ、ピザ、うどんなど、あまりに多くの食べ物に小麦が含まれるものだから、絶望しかなかったです。以来食べ物を買うときは必ずアレルギー成分表示を見る習慣が付きましたし、息子が食べられる食べ物を発見したときは嬉しかったりしたものでした。武蔵境にあるグルテンフリーのパン屋に行ったり、誕生日ケーキはシャトレーゼのアレルギー対応ケーキを購入したり、イオンで売られているグルテン不使用の餃子の皮やパスタを買ったりと、工夫の日々でした。あるときは、都内のカウンター式のアイスクリーム屋で、店員にアイスのアレルギー成分を確認してもらっていたら、あまりに時間がかかるものだから、後ろに並んでいた親子に舌打ちをされたこともありました。
そんなときに、調布市のかかりつけの小児科医に紹介されたのが、国内最大級の小児医療専門病院である、国立成育医療研究センターでした。正直にいうと、この病院と出会っていなければ息子はアレルギーを克服できなかったでしょう。それぐらい、この病院の先生は一から丁寧に息子に寄り添った治療方針を与えてくれて、少しずつですが息子も小麦や卵を食べられるようになりました。特に負荷試験という、入院をしてどこまで小麦や卵を食べられるかを測る検査を受けて、最初はほとんど小麦や卵を食べられなかったのが、負荷試験を定期的に受ける度に食べられる量が増えていきました。負荷試験はアナフィラキシーショックが起こる可能性があり、医者の立ち合いのもと毎回緊迫感がありましたし、あるときは、隣で乳のアレルギーの子供がほんの一滴牛乳を飲んだだけで呼吸困難になるのを目の当たりにするときもありました。この負荷試験だけではなく、病院の指示に従って日々小麦や卵を接種して身体に馴染ませていく必要があり、妻が毎日量を計って一定の量のそーめんや卵を食べさせることも欠かさず行いました。大抵の子供は大きくなるにつれてアレルギーが治るという医者やネットの言葉が現実になろうとしています。
息子の通った幼稚園は幸いにもお弁当持参だったので、給食はなかったのですが、たまに幼稚園に頼める宅配弁当があって、一昨日の幼稚園最終日に初めて宅配カツカレーを食べられたそうです。最後の最後に宅配弁当を友達と一緒に食べられて親としてこれほど嬉しいことはありません。
まだ完全に治ったわけではないのですが、コロナが落ち着いたらラーメン屋とかに連れていってあげたいですし、小学校も弁当持参にならずに給食を食べられるそうでホッとしています。そしてなによりも息子のアレルギー完治を信じて毎日お弁当や、小麦や卵を使わない料理を作り続けた妻には感謝しかありません。そしてなんで僕だけみんなと同じものを食べられないの?と聞くこともあり、残念そうな顔をする息子も最後まで頑張ったと思います。