今、、記者は、海外で活躍する今岡涼太の記事をあえて掲載する。今岡は、久々に出現した待望のゴルフジャーナリストである。足で稼ぐ、本ものの物書きである。彼の取材が、卓越しているのは、ゴルフの真髄を追求し、真実を語っているからだ。記者は、今岡を尊敬と信頼の眼で、解釈をしている。朴セリとホンシャンシャンのことを書いているが、じつに、本音を引き出している記事は、記者は、感動している。やっと、日本に、ゴルフを語れるジャーナリストが現れたと思うからである。
この文章をすでに読んだ人は、多いとおもうが、このEAGLE EYEコラムの20万の読者に、再度、理解してもらいたい。なぜ、日本が、遅れているのか、ホンシャンシャンも、日本のゴルフについて、意見を述べている。日本の甘さを厳しく突いているのは、彼女だけではない。これだけの記事を書いてくれた今岡に感謝する。
朴セリと朴セリキッズ。偉大な先輩とラウンドできるのは、何よりの幸せに違いない】 |
たまには、昔話に思いをはせるのも悪くない。それを当事者から聞けるのならなおさらだ。「ウェグマンズLPGA選手権」初日、首位と1打差でラウンドを終えた朴セリ(韓国)が会見場に現れた。セリは4月の「LPGAロッテ選手権」を病気のために棄権すると、翌週の「モービルベイLPGAクラシック」の火曜日には、クラブハウスの階段を踏み外して肩を脱臼。2週連続での棄権のみならず、医師によっては手術を勧めるほどの容体だったが、驚異的な回復力で今大会での復帰を果たした。
けがをしたときに頭をよぎったことは、「全米女子オープンに行けなくなる」という想いだったとセリは言う。他の年ならばいざしらず、今年のブラックウルフラン(開催コース)だけは譲れない。14年前、その地で行われた全米女子オープンでつかんだ勝利は、史上最年少でなおかつ韓国人にとっての初タイトル、さらに同一年度に2つのメジャーを制したのも最年少という歴史的快挙だった。記者に促されて、セリは当時を振り返り始めた。
「新人だった私は、全米女子オープンでのプレーオフは初めてだったし、3ホールをやるんだろうなと思っていました。正規の18番を終え、最後のパットを沈めると、みんながプレーオフだと言いました。私はその数ホールへの準備はできていましたが、18ホールだとは考えもしませんでした。コースがとても難しかったので、この一週間は本当に苦労しました。でも、この試合は一番大きくて勝つことをずっと夢見てきた大会。準備はできていました。
次に聞いたのは、月曜日にやるということ。そうか、月曜日に数ホールやるのか。彼らは違うと言いました。18ホールやるんだよ。私は言葉を失いました。ここ数日ずっと悩まされ続けてきたのに…。そんな想いでした。
月曜日の朝、私と彼女(ジェニー・チュアシリポーン/アマ)は二人だけで練習場にいました。昨日までは120人のフルフィールドだったので、少し奇妙な感じがしました。ファンの姿もあまり見えなかったので、“そうか、みんな仕事に行かないといけないし、あまり多くの人は来ていないのだろう”と思いました。
ティグラウンドまで歩いて行ってそこに立ち、フェアウェイからグリーンまでを見ました。多分、これまでで最高のギャラリーだったでしょう。月曜日なのに信じられない数のギャラリーでした!ゴルフ場を埋め尽くす、視界に入らないくらい本当に多くのファンがそこにいました。
それにはとても興奮しました。たくさんの人々が叫びながら、ジェニーを応援したり、私を応援したりしていました。私たちは同い年だったので、その月曜日の大きな話題となっていたのです。
最初の18ホールは一進一退でした。一歩リードしたら、すぐに逆転される。1日中、ずっと拮抗(きっこう)した戦いでした。そして18番ホールです。最後のショット、最後のホール、試合はもう終わりかけです。そんなに悪いショットではなかったけど、私はティショットを左へ引っ掛けました。だけど、それが水の中にあるとは決して考えませんでした。私は歩いて行って、どうか陸の上にあってくれと祈りました。止まっていてくれ。見えてくれ。歩きながら自分に言い聞かせましたが、近くにいっても球は見えません。
ああ、水の中に入ってしまったのか。でも、それが負けを意味するわけではありません。彼女はフェアウェイの真ん中にいます。でも、私も自分ができることをやろう。なんとしてでも球を見つけよう。ちらっと白いものが見えました。それは、薄い葉っぱの上にのっていました。球がそんな草の上に止まるなんて信じられません。でも、球がそこにあったのです。
キャディと話しました。オーケー、これは私の球。それで、どうすればいい?何が最善?(罰を受けて)ドロップするか、水の中から打つか。時間は少なかったけど、頭の中で延々と考えました。私もキャディもどうすればいいのか分かりません。打つべきか、打たざるべきか。近くに行って、水の中に入って、スイングできるか確かめてみよう。私は降りて行って、自分の球を確かめました。球のすぐ前にある壁が高く、ほとんど角度がありません。でも、私は打とうと決めました。なぜなら、自分がこの場所にいることが幸せだったし、なんでも経験したいと思ったからです。他の人ならやらないだろう。それなら私はこのショットから何かを学ぼう。だから、挑戦しました。少しアグレッシブだったのですね。でも、やりました。
打った瞬間、目を閉じたんだと思います。これまでのキャリアの中で、一番きれいに球をヒットできました。多分、これまでで一番会心の当たりだったと思います。球がどこに行ったのか、すぐには分かりませんでした。人々が拍手しているのが聞こえ、水の中から出たことを知りました。
だからいま、こう言います。たとえ何が起きようと、18ホールを終えて手袋を取るまでは分からない。諦めてはいけない。オシマイにしてはいけない。ゴルフは楽しいゲーム。あの一週間、私はプレーすることを愛したから、あの素晴らしい瞬間が訪れた。これが、あの時私のキャリアが始まった理由です」
この2日間、セリとラウンドを共にするのは、朴セリキッズと呼ばれる若いリュー・ソヨンとユ・スンヨンの二人。まさにセリのこの試合、このショットを見てゴルフに目覚めた世代のゴルファーだ。7月の全米女子オープンに向け、カウントダウンは始まっている。(ニューヨーク州ロチェスター/今岡涼太)GDOより、
諸氏よ、何か、感じませんか。熱い思いが、肌にしみませんか。
日本は、このままでは、沈んでしまう。井の中の蛙、これで、いいのだろうか。
遼と英樹に、浮かれている場合ではない。アジアはすでに、燃えている。
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