正確には航空戦艦と言います。
実は、先に「初春」と言う駆逐艦の改案を発表するつもりでいたのですが、あまりに
地味すぎて誰も理解できない恐れがあることに気が付いたのです。
そこでまず見た目も派手な戦艦など良いのではないかと思い、デザインを考えました。
航空戦艦を考えたのはかなり昔で平成9年9月ごろになります。今回はの原案に
さらに改良発展を加えたものです。 昔の案についてはまた後日に発表する事にしましょう。
● 航空戦艦
各国が空母の有用性に気が付くと、戦艦の打撃力を備えた空母の計画が立てられました。
アメリカ・ソビエト・イギリス・ドイツと言った主要な海軍国で計画が検討され、ほとんどは
廃案になりましたが、日本においては空母の不足を補うという消極的理由から実現された
のです。 これが有名な「伊勢」「日向」です。
特異な構造は多くの艦船ファンを魅了し、架空戦記などでもたびたび類似の艦艇が登場しました。
ただ、某誌によれば大和型戦艦も計画当初は水上攻撃機を10数機搭載し、攻撃に際して
艦砲射撃と併用して雷爆激を行う予定だったそうです。
そこで私も、そうした積極的理由に元付いた航空戦艦案を考える事にしたのです。
● 航空戦艦 二面図
上面図を見て分るように斜め甲板があり、その後方にカタパルトが三本ある発進専用の
飛行甲板がレイアウトされています。 これがこの案の最も大きな特徴で、通常の空母とは
レイアウトが逆になっています。
こうなった大きな理由は、艦載機の着艦時に前方に艦橋や煙突があるレイアウトだと、
そこから発生する乱気流によって着艦が危険になることが分っているからです。
航空甲板を普通の縦一本にすれば発着艦に問題はなく、事実各国の計画では、そのような
タイプが大半を占めています。しかし、そういうレイアウトだと、発着艦を同時に行う事ができず
運用上柔軟性を欠くのです。
そして、主砲群と発艦カタパルトが離れているので、砲撃を行いつつ艦載機を発進させる事
も可能になるのです。
やってしまえば誰でも当たり前と感じるかも知れませんが、これはいわゆる「コロンブスの卵」ですね。
● 主砲レイアウト
主砲は戦艦に搭載されている砲塔を流用していますが、二番砲塔はニ連装になっています。
これは、その上の航空甲板を支える支柱が内部に貫通している為で、重心上昇を押さえる
目的もあります。
しかし、こういうレイアウトは不可能でないにしても現実的ではありません。実際には右図
のようにするか船体の長さを増して甲板の長さの不足を補うはずです。(右図下のようなレイアウト
は実際に計画があったそうです。)
● 内部
内部は概ねこんな風になっています。下部格納所は若干小型で戦闘機等を格納
しています。艦載機は順次後方のエレベーターでカタパルト前に上げられ、発艦して
行きます。帰還した艦載機は、前部のエレベーターで格納所へ下ろされ、補給や整備
がなされたあと、再び後方のエレベーターで上げられるのです。
航空甲板には格納所の天井部分に装甲甲板が使われており、水平防御となっています。
このため、重心の上昇を押さえるよう格納所が一段低いのです。
こうして建造された航空戦艦は、ある程度の防御力と攻撃力を兼ね備えていますので
戦場における行動がかなり大胆に行えます。そのため敵の空母を捜し求めて戦場を
走り回る事もある程度可能になるのです。
敵と遭遇する前にあらかじめ戦闘機を上空待機させておく事もできますし、敵を発見
すれば雷爆撃機を急速発艦させて引き続き主砲による砲撃に移ることが出来ます。
空母を撃滅する為のハンターキラーとしての性格が航空戦艦には期待されるのです。
索敵能力強化に航空機搭載量を増やすか艦隊防空用途しかないと思う。
ヤマトの悪影響?
貴重なご意見なので、私の知識がある範囲でお答えしたいと思います。
>赤城の中段甲板には砲塔が有ったが使い物にならず撤去されている
これは、三段甲板空母として完成した赤城の20cm連装砲塔をさしているものと思います。
おっしゃるとおり、全通甲板に改良される過程において撤去されていますが、新造当時は
自衛火器として必要なものという試行錯誤の上、搭載されました。
艦載機の攻撃力に劣るこれらの砲は重心上昇の観点からも好ましくなく、撤去は道理といえます。
>大体大和の最大砲戦距離が40kmなのにそんな近距離で航空機をは発艦させるわけが無い。
そのとおりです。索敵機によって目標の接近を感知すると、砲戦距離以遠で艦載機の発進を完了し
砲戦とほぼ前後して攻撃させるのが基本です。艦載機と砲撃による立体的な多重攻撃が航空戦艦の
利点と言えます。
もしくは、目標の種類に応じて攻撃方法を選択するやり方もあるでしょう。
>砲戦中に発着艦など合成風力やら爆装など危なっかしい。
その通りです。基本的に砲戦の前後の発着艦が好ましいと言えます。
しかし、戦闘と言うのは常に千変万化するものであり、こちらの思惑通りに事が運ぶとは考えにくいものです。
危急の場合、それは不可能となると打つ手がない訳です。
そこで、多少の不便を忍んでも可能としておくのが次善の策と言えます。
砲戦中の発着艦は条件付ながら可能というものでしょう。
>索敵能力強化に航空機搭載量を増やすか艦隊防空用途しかないと思う。
その結論に至る以前、空母と言うものはまだ特徴のはっきりしない艦種でした。
各国が試行錯誤を重ねた史実は記載の通りです。また、主力艦の建艦を制限した条約に搭載砲の口径
の制限がなければ、戦艦クラスの砲を持った空母はどこかの国が作ったことでしょう。
今回のわたしの航空戦艦案は、そうした時代が流動的だった一時期を背景にに許される幻想といえます。
そうした点はご了承願いたいと思います。
>ヤマトの悪影響?
我々の世代からその影響の有無を聞きだそうと言うのは野暮と言うものでしょう(笑い)
ただ、今回の案についてはそうした架空メカの影響はないと言えます。
あくまで、初春改案が地味すぎたので代案として考えた記事ですからこれも御了承寝がたいのです。
豆象さん、貴重なご意見ありがとうございました。これに懲りずTNTSHOWをよろしくお願いいたします。