アイスマン

　1991年にアルプスで発見された冷凍ミイラ　アイスマン　を完全に解凍し調査する模様が、テレビで報道された
とても興味深く、ついつい見入ってしまった

　胃の内容物も、本来は食道から管を入れて取り出したかったようだが
固く押し潰されていて、管が通らず切開して取り出した
獣の肉を焼くか煮るかして食べていたという予測を裏切り
ハーブが見つかり、より美味しく食べる工夫がされていたこと
パンに似たものも摂取されていた事が解り
5000年前でも、人類には味覚を満たす余裕が有ったようだ

　レントゲンでは、腰椎滑り　という持病が見つかっており
その治療を受けていた痕跡も有った
腰痛に効くツボと、煤を使った刺青の位置がピッタリと一致した

　獣の皮を使ったマントも、濃い色と薄い色を組み合わせてお洒落な仕上がり
製錬技術に長けた斧も持っており
これまでの5000年前の生活として考えられていたことが大きく変わった

　死因は、背中から打ち込まれた矢と
後頭部を殴られた事が原因とみられてる
凍死でも病死でも無かった事は明らかだが
矢を射られ、頭を殴られた原因は明確では無い

　部族間の争いとか
遊牧民で、アクシデントに逢ったという説もあるようだが
今回の調査では、目まぐるしく高地と麓を行き来した事がハッキリしており
逃げ回った挙句に、山頂付近で殺された説がとられていた

　アイスマンは再び凍結保存され、採取したものも半分は冷凍保存された
未来にもっと科学が発達し、今よりも詳しい事が解ることに期待して
未来に託す遺産として、また眠りに着いた




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