ニューシティ東戸塚パークヒルズ
(神奈川県・横浜市)
外壁タイルの改修
ニューシティ東戸塚パークヒルズ管理組合(横浜市戸塚区品濃町、昭和60~62年竣工、総戸数933戸、14階建て7棟、4階建て7棟)は、平成12年9月1日から平成13年4月28日までの工期(平成12年9月1日~12月28日を第1期工事、平成13年1月9日~4月28日を第2期工事に分割)で初めての大規模修繕工事を実施。
施工=株式会社サカクラ
工事範囲=住戸棟及びポンプ棟、外構施設等
主な工事内容は以下の通り。
外壁下地補修工事
- 巾0.3mm未満のひび割れはポリマーセメントペースト
- 0.3mm以上のひび割れはエポキシ樹脂のダイレクトシールにて補修
- 鉄筋露出・コンクリート欠損箇所等ポリマーセメントモルタルにて補修
- モルタル浮き部分はエポキシ樹脂注入ピンニング工法にて補修
外壁タイル補修工事(割れ・欠け・浮きタイルの張替え) 塗装工事
- バルコニー腰壁 一液型微弾性サーフェーサーの上低汚染型フッ素樹脂塗料2回塗り
- バルコニー軒裏 ターペン可溶型透湿性塗料2回塗り
- 階段室天井、段裏 合成樹脂エマルション下塗材の上アクリル水性艶消し塗料2回塗り
- 階段室壁面 合成樹脂エマルション下塗材の上アクリル水性艶有り塗料2回塗り
- 外部鉄部 2液型エポキシ樹脂系錆止め塗料の上フッ素樹脂塗料2回塗り
- 階段室内鉄部 1液型エポキシ樹脂系錆止め塗料の上2液型アクリルウレタン樹脂塗料2回塗り
- バルコニー隔板・雨樋 2液型アクリルウレタン樹脂塗料2回塗り
- タイル水平面 特殊シリコン樹脂プライマーの上低汚染型ルミフロン系フッ素樹脂塗料塗り
防水工事
- 屋上 アスファルト防水常温工法・通気2層仕上げ
- バルコニー ウレタン塗膜防水3.0kg/平方m
タイル洗浄工事(温水洗浄)
過去の漏水歴が約3割
同マンションは現在収まっている箇所も含めて、過去の漏水歴が全戸数の約3割に達しており、その原因は、アルミサッシと躯体の取合い部及び屋上配管設備架台廻りと思われる。そのため、今回の工事内容にはサッシ廻り止水工事がある。これは、高層棟サッシ周囲のタイルを巾10cm程度(タイル2枚分)撤去し、樹脂モルタル系の特殊機能性防水材を塗布しタイルを貼り戻すというものである。これはすでに完了している第1期工事で効果を発揮している。
劣化タイルの張替えについては、タイルの枚数も総数で30万枚を上回る見込みだが、新規に張り直すタイルは全て現状のタイルと色合わせをし、特注生産したものを使用しているため、色違いなどのむらがなくきれいな仕上がりとなっている。
工事内容等の検討にあたっては、理事会のメンバーで大規模修繕工事プロジェクト委員会を設置し、熱心な活動によって準備された。工事に関する広報は、着工前に説明会を開催し工事中はお知らせのチラシを各戸に配布し、工程表や洗濯可否情報は工事用掲示板にて行っている。工事費は積立期間が15~16年もあったので、全額修繕積立金でまかなうことができた。
工事はちょうど半分が終了した段階ではあるが、現場事務所では「初めての大規模修繕工事、さらにはタイルの撤去などかなりの騒音を伴う工事であるが、大変協力的な方が多いので助かっている」とのことだった。
<アメニティ新聞221号 2001年2月掲載>