マンション・メンテblog

集合住宅管理新聞「アメニティ」のブログです。工事業者募集やセミナーの案内などを随時掲載していきます。

積算資料ポケット版マンションRe2007前期

2006-11-28 09:00:00 | 本と雑誌
積算資料ポケット版 マンションRe〈2007前期〉―マンションの維持管理、リフォーム・大規模修繕のための設計・見積資料 積算資料ポケット版 マンションRe〈2007前期〉―マンションの維持管理、リフォーム・大規模修繕のための設計・見積資料
価格:¥ 3,600(税込)
発売日:2006-11

本誌はマンションの共用部から専用部まで網羅した、維持管理、リフォーム・大規模修繕のコストが把握できる、設計・見積りチェックに欠かせない1冊。

今号の特集記事は「公的助成金を活用する」。その他「植栽の管理計画とメンテナンス費用」「大規模修繕の仮設計画」をはじめ、省エネ法改正と大規模修繕の関係など最新の話題が満載。

工事・見積り事例集では、屋上緑化や給水システムを直結増圧給水方式に変更した事例などを掲載。実際にかかったコストも紹介し、役立つ情報となっている。

問い合わせ先:TEL03-3542-9291
http://e-pocket.kensetsu-plaza.com/


マンション改修セミナー

2006-11-27 09:00:00 | 設備改善

居住者の生活を守る身近で重要な設備

サッシ・ドア・手すりなどは、毎日使うものであり、居住者の安全を守るという、大切な役割も担っている身近で重要な設備である。しかし、サッシ・ドア・手すりなどについて解説している資料は今まであまり出ていない。そこで、日本建築家協会メンテナンス部会が「マンション改装読本―窓や扉・手摺などの手入れから改修まで―Q&A―」を作成し、住宅金融公庫環境部とマンションリフォーム技術協会の3団体で共催しセミナーを開催した。今年6月30日に「サッシ・ドアを改装するには」として1回目のセミナーを開催、それぞれについての概要を説明した。10月21日に開催した2回目の「サッシ・ドア・手すりの取替え改修事例」では、それぞれの部品交換から更新改修までをビデオなどを使い、実際の工事映像を交えてビジュアル的に事例を紹介するセミナーとなった。

最近の開口部改修事情

JIAサッシ・ドア改装委員長の柴田幸夫氏は、平成16年1月国土交通省がマンション標準管理規約を改定し、開口部については管理組合で管理すべきとした。その意図は断熱・遮光・防音など管理組合を中心として、環境に配慮すべしということで、開口部の改修工事については、居住者に限らずマンション全体、国全体での環境問題になっていると、語った。またサッシ・ドア・手すりなどについては、今まで各戸のオプション工事でしか対応していなかった高経年マンションの共通の悩みになると現状を分析した。

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開口部改修工事の重要性を説明をする柴田委員長

アルミサッシについて

改装協会サッシ委員会委員長の佐藤弘道氏は、サッシの経年劣化状態は、使用頻度と日頃の手入れで大きく異なるため一概には判断できない。そのため、管理組合は大規模修繕計画住民アンケートなどで、全住居のサッシの不具合を調査し、劣化状況を把握する必要があり、クレセント・戸車・気密ゴム・ガラスビートなどの消耗品は、管理組合が中心になって、純正部品と交換しサッシ本体を傷つけないように配慮することが、最終的には躯体の保護にも繋がると、語った。

玄関ドアについて

改装協会ドアー委員会技術部会長の山下一也氏は、玄関ドアは防犯・防災対策の性能が最も求められる設備で、時代の流れ(技術革新)に対応した部品の交換も、劣化の度合いに関係なくおこなわれる。防犯性能向上のために錠前(シリンダー)交換・ダブルロック設置・ドアガード強化など、さまざまな対応が求められ、防災性能向上のためには、バネ式丁番などを設置し建物自体が地震などの災害で歪んでも開閉できるように対応することが求められている。別な角度からは、高齢化対策として、ドアノブを握り玉からレバーハンドルへ変更し鍵穴を差し込みやすい「すり鉢状」のユニバーサルデザインのものへ取替えが進められていると、語った。

アルミ手すりについて

改装協会手すり委員会委員の佐山茂氏は、1974年に優良住宅部品認定制度が発足し、ベランダなどのアルミ手すりが認定対象となり、全国へ普及し始め32年が経過した。現在はアルミ手すりが主流だが、1974年以前に建てられた集合住宅のスチール手すりは今、更新時期を迎えている。手すりは安全性を確保するための大切な部材であり、手すりの不備は、即、命に関わる問題になるので、人間と同様に定期診断をし、適宜対応が求められる。と語った。

スチール製からアルミ製

サッシ・ドア・手すりのメンテナンス工事から改修工事について共通していえることは、既存の素材がスチール製であれば、錆による劣化を防ぎ、コンクリート内での爆裂を防ぐアルミ製の素材に変える。これは同時に、錆体にやさしい対応ともいえる。
 開口部のメンテナンス工事・改修工事についてはマンション管理規約上の問題もあってこれからも注目される分野である。

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工事手順をわかりやすうビデオ映像で解説

<アメニティ新聞290号 2006年11月掲載>


単棟型階段室タイプ(32戸)の第1回大規模修繕工事

2006-11-08 09:00:00 | 外壁等

グリーンプラザつくば並木・建物全景 
グリーンプラザつくば並木

(茨城県・つくば市)



【立地環境】



つくばエキスプレスの開業で便利になったつくば市の中心部では、民間の単棟市街地型で比較的大型のマンション建設が盛んになってきました。それまでは、公団階段室タイプの団地型マンションが大勢を占めていました。「グリープラザつくば並木」もそのようなマンションですが、1棟で全32戸の小規模マンションです。敷地南側は専用テラス・庭に面して遊歩道が有り、その先はショッピングセンターの駐車場となっており、広く開けた明るい環境となっています。北側のマンション駐車場の先は隣地で、公務員宿舎の駐車場、さらに西側のアプローチは広い道路に面しており、建物廻りは全体に広く開けた感じを受けます。



【建物概要】



単棟型階段室タイプ、鉄筋コンクリート壁構造・4階建、8戸×4階段合計32戸、付属棟として管理・集会室棟、受水槽・ポンプ室棟の2棟。3・4LDKの典型的ファミリータイプ。最上階の4階住戸にロフトを備え、平らな屋上からロフトの丸屋根が建物の外観にアクセントを付けています。南面・両妻面のバルコニーは広めで凹凸があり、その変化が建物全体の陰影を作っています。築後11年でしたが、ヒビ割れや汚れなどが目立ち、修繕工事が待たれました。工事の際には同時に公団の10年瑕疵補修も実施する事となりました。



屋根
屋上・屋根


Koji0611_02南側バルコニー


【工事概要】



総合的修繕工事として、外壁等のコンクリート躯体修繕及び塗装塗替、バルコニー床・出窓屋根・庇・笠木等の防水、鉄部等金物塗装塗替、集合郵便受取替、西側庭園灯の移設・増設などの他、各部の補修改修工事を実施。工事着工は平成18年2月中旬、工事期間中は比較的雨が多く、天候の影響で約1ヵ月程の遅れとなり、7月中旬に竣工引き渡しとなりました。



  1. 外壁等
    調査時点で懸念されたヒビ割れの多くは表面塗材までで、躯体コンクリートからのヒビ割れは比較的少なく、又、発錆鉄筋によるコンクリートの破損(爆裂)箇所も同様に予想よりかなり少ない結果となりました。外壁仕上塗装はこれまでより耐候性と弾力性の高いシリコン系の複層塗材を使用。
    Koji0611_05
    全面にシートが掛けられた


  2. 防水関係
    屋上アスファルト防水とシングル葺屋根については漏水も無く、特に問題はありませんでしたので、部分的な補修と保護塗装にて済ましております。バルコニーについては床面を防水・意匠性の高い塩ビ製床シート貼りとし、排水溝や笠木・巾木はウレタン塗膜防水を施しております。その他、花台内部や庇・パラペット天端等の要所にはウレタン塗膜防水を施しております。
    バルコニー
    バルコニーの床シート・花台の防水


    玄関庇上
    玄関庇上の防水


  3. その他
    竪樋や鉄部の塗装、バルコニーなどのアルミ手摺の研磨清掃を行いました。1階エントランスの天井照明器具と集合郵便受は取替、北面出窓アルミサッシ下枠水切板の補修、敷地西側の庭園灯の追加などを行いました。従来よりマンション内で懸案となっておりました、公団の瑕疵補修については、公団基準に基づくヒビ割れ等の補修、屋上と1階床面の打継目地の設置、レンジフード給排気口の導風板設置が行われました。
    集合郵便受けと掲示板
    取り替えた集合郵便受けと掲示板


【工事結果と今後】



今回の工事では大きなトラブルや事故もなく、順調に終了する事が出来ました。特に外壁のヒビ割れなどが思いの外少なかった一方で、出窓アルミサッシの水切りの腐食が見つかるなどの想定外の状況も見られた。当初予定していた階段床の専用シート貼りは、現場の状況と予算的な配慮から中止となりました。このような部分では心残りとなっていますが、全体としては順調で、高品質なものができたものと思います。次回大規模修繕が想定される12年後程度までは十分に維持出来るものと考えられます。



(有)柴田建築設計事務所



<アメニティ新聞290号 2006年11月掲載>




図解 マンション給排水の知識101―日常管理から大規模修繕まで

2006-11-07 16:16:18 | 本と雑誌
図解 マンション給排水の知識101―日常管理から大規模修繕まで 図解 マンション給排水の知識101―日常管理から大規模修繕まで
価格:¥ 3,500(税込)
発売日:2005-11

本書はマンション管理組合役員等に役立つよう、マンション給排水設備の管理や改修工事について法令から技術的内容までを独自の視点で101項目に整理し解説。専門知識がなくても工事会社との打合せができるよう給排水設備のしくみ、修繕工事の進め方について豊富な図と写真で説明。

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