多摩ニュータウン豊ケ丘2-1住宅(東京都・多摩市)
屋上防水改修工事中の豊ケ丘2-1住宅において、11月20日NPO日住協東京支部主催による工事見学会が行われ、5管理組合9名の参加者があった。同住宅の工事は大変ユニークな取り組みにより着工しているので、工事経過を管理組合に執筆いただいた。
工事工法の検討
関係理事が勉強会や見学会に参加し、予備知識を蓄え、アスファルト防水、ゴムシート防水、塩ビシート防水、ウレタン防水について検討した結果、全面撤去のため、仮防水の確実なアスファルト防水を採用しました。
断熱工法「外断熱ブロック工法」と従来の「露出断熱工法」を比較検討し、一長一短があるため両工法で見積を依頼。
「外断熱ブロック工法」は、防水材(アスファルト)の上に断熱材をのせ、その上にコンクリートブロックを施すもので、防水材の劣化が少なく断熱効果が高い。しかし施工例が少なく、工事費がかさみます。一方の「露出断熱工法」は、まず断熱材を敷きつめその上に防水材をのせるもので、当団地も建設当初からこの工法によるものでした。ただ、夏場の屋上表面はおよそ75℃にも達するため、防水材の劣化が促進され、5~6年後に全面保護塗装工事が必要になります。
工事仕様書の作成
工事仕様書と見積様式は、外断熱ブロック工法と露出断熱工法の2種類を、管理組合で作成しました。工事の基本は10年保証付で請負業者の責任施工方式としました。
見積依頼と見積結果
6社(建設工事業者3社、防水専門業者3社)に依頼し、5社が見積に参加。現場説明会は、各社別に時間をかえて行いました。
見積結果は下記の通り。(いずれも税込金額)
A社 | 外断熱ブロック工法 | 80,850千円 |
---|---|---|
露出断熱工法 | 65,415千円 | |
B社 | 外断熱ブロック工法 | 95,550千円 |
露出断熱工法 | 73,500千円 | |
C社 | 外断熱ブロック工法 | 100,047千円 |
露出断熱工法 | 61,236千円 | |
D社 | 外断熱ブロック工法 | 109,200千円 |
露出断熱工法 | 78,120千円 | |
E社 | 外断熱ブロック工法 | 85,050千円 |
露出断熱工法 | 72,450千円 | |
管理組合 | 外断熱ブロック工法 | 74,025千円 |
露出断熱工法 | 63,000千円 |
業者選定について
管理組合では、総合的に判断して、今回は従来通りの「露出断熱工法」に決定。同工法で6,000万円台の2社に絞り「ヒアリング」を実施。その結果、A社に内定、通常総会での承認を経て契約しました。
工事実施
施工計画書=計画書は、施工業者が作成しました。
住民説明会=契約後、本年9月の日曜日に2度行いました。
現場監理=日常監理は、4名が専任で、毎日2~3名が2回以上現場状況を確認して、その結果を日誌に記載。土曜日には、その他に担当理事等が4名加わります。
さらに、月2回、定例会議を行い、管理組合と工事業者双方が提案事項を検討し、議事録を作成します。
豊ケ丘2-1住宅管理組合 理事長 西山博之