マンション・メンテblog

集合住宅管理新聞「アメニティ」のブログです。工事業者募集やセミナーの案内などを随時掲載していきます。

ママたちの声を集めて作った「子育てにやさしい住まい」とは

2007-02-27 12:00:00 | 本と雑誌

設備面の配慮やコミュニケーションを育む住まい

ミキハウス子育て総研株式会社(代表取締役社長・藤田洋氏)が、全国18000人のママ・パパの声を集めて、「子育てにやさしい住まいと環境の基準」を作成し、物件評価をスタートさせました。基準は分譲マンション用で100項目あり、そのうち60項目以上の条件を満たした物件に対して、子育てにやさしい住まいとして認定証を発行しています。

いまどきのママたちにとって子育てにやさしい住まいとはどのようなものでしょうか。基準項目の内容をいくつかを紹介します。

(第1カテゴリー 住居部分)
〇子どもが遊んでも気にならないよう床や壁の防音性能がすぐれている

0702_01 子どもはなかなか大人のいうことを聞いてくれません。夜泣きがおさまらなかったり、ドタンバタン飛びはねたり、そのたびに子どものことをしかりつつ、お隣り近所への騒音を心配したりと、ママは気が休まりません。

たしかに、しかることもときには必要ですが、子どもに自我が芽生えている段階とか、その時期、誰でもある程度、仕方がないことも多く、本当は、お隣り近所などは気にせず、ママのペースでじっくり子どもを見守ってあげたいもの。

その意味でマンションの防音性能は、標準以上のものがほしくなります。床は上階からの軽量衝撃音に対する遮音性能がLL-40、上階からの重量衝撃音に対する遮音性能LH-45以上。壁は戸境壁に対する遮音性能D-50以上の性能を期待できる仕様がほしいものです。

また、集合住宅の生活ですから、日常的に上下階や隣接住戸の方々と人間関係を築いておけば、「今夜は太郎君、ご機嫌が悪いみたいね」と騒音トラブルにはならずにすんでしまうといったことも、生活の知恵の一つでしょう。

(第2カテゴリー 共用部・管理体制)
〇子どもの泥汚れ等を落とせる共用スペースがある

0702_02 遊び盛りの子どもたちは、外から帰ってくると全身どろどろ。家までそれを持ち帰られたら大変です。季節のいいときには、バーベキューや魚釣り、家族で外へお出かけする楽しみも増えてきます。でもたいていアウトドアのレジャーでは、くつに泥や砂がつくのは仕方のないこと。家に持ち帰って洗面所で落としたりするとそのうち配管パイプが詰まったりなんてことも。

(第2カテゴリー 共用部・管理体制)
〇オムツの処理に便利なように毎日ゴミが出せる

1日に何度も何度も取り替える紙オムツ。洗濯の手間がなく、簡単・便利なのはいいのですが、使用後の紙オムツは結構かさばるし、わが子のものとはいえ、ニオイも気になるところ。

ミキハウス子育て総研が調査した使用済みの紙オムツの処理方法では、ふた付きのゴミ箱やバケツで何とかニオイをしのいでおられるご家庭が多いようですが、専用の紙オムツ処理器を使っているご家庭は1割しかありません。中には外出先でも捨てられず半数の方が自宅に持ち帰り、ゴミ出しの日を待っているようです。快適に過ごすためにも毎日ゴミ出しができると助かりますよね。

生ゴミについても同様で、生ゴミ処理機やディスポーザーなどが標準装備された住まいであれば、ママはもちろん家族全員、快適に過ごすことができるのです。

※「子育てにやさしい住まい」(藤田洋著、(株)週刊住宅新聞社発行、定価1575円税込)より一部抜粋


子育てにやさしい住まい 子育てにやさしい住まい
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2006-09


積算資料ポケット版リフォーム

2007-02-22 09:00:00 | 本と雑誌

Books0702_02

積算資料ポケット版リフォーム 2007―住宅・店舗増改築のための設計・見積資料 (2007)
価格:¥ 3,600(税込)
発売日:2007-01

財団法人経済調査会は、リフォームに必要な工事費・実例・製品価格などを網羅した「積算資料ポケット版リフォーム2007」(住宅・店舗 増改築のための設計・見積資料)を2月1日に発刊し、全国の書店で一斉発売した。

リフォーム実例、概算費用から部位別工事費をはじめ、製品情報記事はオールカラー160頁で紹介。見積書作成、単価のチェックに必要な情報を多数掲載。


100年対応の高付加価値マンションが登場

2007-02-13 09:00:00 | ニュース

少子高齢化・核家族化の影響でマンション開発の流れが変わりつつある。東京都新宿区で地上24階建ての高層マンション「新宿山吹アインスタワー」総戸数174戸が今月上旬から販売される。同マンションは一人や二人暮し向けの上質なコンパクトマンションとタワーマンションを融合した「コンバーチブル・ハウス」という新しいコンセプトで設計されている。住居プランは33.46m2~55.38m2のスタジオタイプ~2LDKが中心のマンションである。構造的な特徴として、日本建築学会のJASS5で「大規模補修不要予定期間100年」と規定された耐久設計基準強度を超える36~60N/mm2の高強度コンクリートを使用し、建築確認に先立って「構造性能評価」を取得し国土交通大臣による認定を受けている。

また、災害対策のひとつとして防災備蓄倉庫を設置。さらに、貯湯式電気温水器を各住戸に設置し、災害時には生活用水として使用できるように配慮もされている。販売最多価格帯は4100万円。今後、このような少人数向け高付加価値マンションの開発は増えることであろう。

<アメニティ新聞293号 2007年2月掲載>


3回目の大規模修繕工事

2007-02-06 12:00:00 | 外壁等

東品川マンション東品川マンション(東京・品川区)



【3回目の大規模修繕工事にあたって】



東品川マンションは、京浜急行「青物横丁駅」から徒歩5分、02年12月に開業した、りんかい線「品川シーサイド駅」からも徒歩5分圏内の元なぎさ通り沿いに建設された築32年を迎える総戸数84戸、1LDK中心の分譲マンションである。



今回の大規模修繕工事では、単に美観の向上だけではなく、同マンションの耐候性・漏水防止・メンテナンス機能の向上などにも配慮し、建物自体を長持ちさせることを目的とした材料選定や改修方法でおこなわれた。主な改修箇所や状況は以下の通りである。



●防水改修工事(屋上屋根・バルコニー)



躯体を保護する意味で防水改修工事は重要な役割を果たす。今回の工事では、既存防水に新規防水材料を被せておこなう「被せ工法」を採用した。屋上屋根・バルコニー共に、ウレタン防水を使用することによって10年間の漏水保証を付けた。



●外壁下地補修工事



大規模修繕工事の最も重要な目的は、外壁塗装下地(躯体)の劣化損傷を機能回復させることにあり、今回の工事では下地補修に重点をおいて作業をおこなった。仕上げの美観性向上と併せて躯体の機能性向上もおこなえる塗料を検討した結果フッ素塗料を採用した。



●外部廻り鉄部塗装工事



外壁塗装と共に外部廻り鉄部の腐食などを防ぐために、鉄部塗装工事をおこなった。その他にゴミ置場・駐輪場なども併せて塗装工事をおこない、コスト削減をした。



●階段外部廻り鉄部塗装工事と取替え工事



同マンションの外階段は2箇所に設置されており、特に鉄部の腐食が著しい「北側階段」は取替える改修工事をおこない、「南側階段」は踊り場のたわみ直しをおこなった。塗装は鉄部の腐食を抑えるため階段部分は「亜鉛メッキ」とし、柱・梁部分は5年間保証の「重防食塗装」を採用した。



外階段(北側)・撤去北側階段・撤去完了


外階段(北側)・新規部材組み付け新規部材組み付け


●その他



今回の工事では外壁や屋根などの改修工事と共に、マンションの機能改善・向上の工事と、仮設足場が必要な改修項目を併せて工事範囲として実施した。エントランス廻りでは、スロープの拡幅および滑り止めタイルの交換。開放廊下手摺交換、廊下照明器具交換、各戸室名板交換なども一緒におこなわれた。住民にとっても、工事回数が減ることは大歓迎である。



【おわりに】



今回、3回目の大規模修繕工事をおこなったが、1・2回目の工事資料がほとんど残っていない状況からのスタートであった。設計監理を担当したベニーエステートサービスは、8年前に日常の管理業務を委託された。この間にマンション全体の劣化に関する情報を収集し、今回の設計監理に活かしていた。同社は大規模修繕工事後のメリット・デメリットを管理組合と事前に話し合い、細かい工事を今回の工事時期に合せることでスケールメリットを出すことなども提案した。また、施工業者の募集をおこない、応募があった16社の中から管理組合が最終的に施工業者をTOHOに決定するまでの間サポートもおこない、施工業者とお互いに協力しながら今回の工事を完了させた。さらに同社では「今後も工事後の経過観察を含めて、マンションの維持管理や長期修繕計画をサポートしていきたい」としている。



<アメニティ新聞293号 2007年2月掲載>