どこの書店を見ても今回の震災関係の本がずらりと並んでいます。
そんな中で、震災が起こるかなり昔から発行されているこの本を読んで、今回の派遣で「岩手県宮古市」に向かいました。
吉村昭著『三陸海岸大津波』です。今回の東日本大震災があった後に、明治29年と昭和8年にも大規模な地震による大津波があったと聞きました。
この本は小説という形態をとっていますが、当時を知る被災者などから集めた声や記録を基にかかれた実質ノンフィクションです。
派遣中に宮古市の各地で開催されていた住民懇談会の中で、漁業を営む住民からの声と同じような内容が、本に書かれていました。
漁業者にとって、家が高所にあることは日常生活の上で不便が大きい。そうした理由で初めから高所移転に応じない者も多かった。(P150より引用)
これは昭和8年の津波の後の話だそうです。
歴史は繰り返すんでしょうか。今回のことを忘れないでほしいです。
この本に最後に書かれている、昭和8年の震災を経験した早野氏の言葉が印象的です。
「津波は、時世が変わってもなくならない、必ず今後も襲ってくる。しかし、今の人たちはいろいろな方法で十分警戒しているから、死ぬ人はめったにいないと思う」
本当に今回の震災は経験者にとっても想定外だったようです。
それから、先週末遅ればせながら、私(さっく)が職員を対象に岩手県宮古市派遣の報告会をいたしました。
これまで派遣された、とよっちさん、つなっちからの報告内容と重なる内容も多いので、2人が派遣された時期から、役割が移り変わりつつある「宮古市災害ボランティアセンター」について報告いたしました。
(さっく)